73話 涙
今回もヒロ視点です。
俺は岩から自分の体に乗っていた石をどかし、舌を軽く切ってしまったため、口の中に血が少し血が溜まってしまったため、それを地面へと吐きながら、服の汚れを落とし立ち上がろうとした時だった。
右腕に一切力が入らなかったため、腕が折れたことを察っしたため、岩に背を預けて左腕で右腕を直しつつ、マメの方を見るとその場から離れようともだいているが、その場から離れることはできることは無かった。
俺はその光景をニヤケながら見ていた。だがそんな俺の様子をマメは見ていたのだろう。俺に怒りながら、問いかけてきたのである。
「おい! てめぇ俺に何したんだ!? 腕もう1本··いや殺されたくなきゃ説明しろや! 」
「ふふっ俺を殺す? その状況からどうやってかなあ? というかこちらはもう折れた腕は治るし、逆に君を殺すことは簡単なんだよね! ふふっ」
俺はまだ腕を治しつつも、大声で笑いながら返した。だがそれにもマメは暴言を踏まえ返してきた。
「クズが! どうせせこい手でも使ったんだろお? そうでもしないと俺に勝てないと思ったのだろお? 本当に雑魚だなお前! ふふふっ」
「はぁー。あなたは本当に知能が足らない様ですね。まぁ仕方ないですよね。下も向けないように少しきつめにしましたからね!」
俺はため息をつきながら、マメの下の方を指さしていった。マメは何度も下を向こうと顔を動かすが、動けずまたもだいていた。
俺はそのマメの様子に笑いを抑えるので、精一杯だった。
それからずっとマメは何度も何度も諦めず下を向こう頑張って、少しずつだが下がかすかに見えるぐらいまで顔が下がった。
するとそこには黒や緑や白や紫や黄色の計5種類の魔法陣が現れていたのである。その魔法陣を見たマメは初めて見たのだろう。驚いてはいたが、頑張りすぎて下げすぎたのか、今度は上がらずまたも体力を使い、上げるのに奮闘していた。
そしてそんなマメを俺は、真顔で見守っていて、マメの顔の位置がやっと俺を見れるようになった時、俺はマメへと問いかけた。
「なぁマメ君よ。なんでそんなに頑張るんだい? 今の君の体力はだいぶ減ってるし、その下の魔法陣は大抵の人では抜けられない構造でもあるのだが? それにもし抜けられたとしても、多分君ではもう俺に傷を付けることも出来ないと思うのだけど?」
「あなたには分からないでしょうね。僕はエンジェラやチノンやシキ達をこの手で殺したいんです。 そのためにはあなたが邪魔だから、これを抜け出して消さなきゃならないんですよ。」
マメも落ち着いたのか、罵倒することもせず、淡々と返事を返してきたのである。
俺はそれを驚くこともせず、再度問いかけた。
「ではなぜ涙を流してるのかな? 普通は人を殺したい人は、涙を流すとは思えないんだがな俺は」
「は? 俺が涙を流してるって? ふざけてんじゃねえよ! 俺なんかが涙を流すわけないじゃねえ····か···」
マメは俺へと怒り口調で話している時であった。マメの下から ポタっ ポタっとまるで水滴が落ちる音がしていたのである。
マメはそれに気づくと、顔を下に向け、返事を返してくることは無かった。
俺はそのマメの様子の変化を、白い目で確認していた。
(だいぶ白い部分が増えてきてるな。やっぱりこういう系統には、精神攻撃が効くな。ふふっ だが1つおかしいな····。まぁそれはいいか。今は5つの魔法陣をかけてあるんだし! しかしこの魔法陣少ししかやってないけど、上手く行くものだな。黒は黒い感情を吸い込み、緑は豊かな感情を生まさせ、白は豊かな感情を増幅させ、紫は体を拘束させ、黄色は相手の体力の削減の効力あるからなあ。 まぁさて腕も治った事だし、行動に移りますかな)
そう考えてから、俺は次の行動に移るのであった。




