72話 白い目
今回はヒロ視点です。
エンジェラ達はマメの話を聞いてから、少し話し合いにくい空気を漂わせ合いながら、黙ってマメとヒロの戦いを見ていた。
だがある時、エンジェラがイアに対し問いかけた。
「イアさん。ヒロさんの実力は知ってるつもりですが、イアさんから見てどちらが勝ちそうです?」
「···そうねえ。見ただけだから、あてにはしないで欲しいけれど、やはりヒロかしらね。」
「ふむ···分かりました。ありがとうございます。」
「どういたしまして(やっぱり1番重く感じてるのかしらねエンジェラは···)」
エンジェラの問いかけに、イアは答え軽く話してから、また二人とも黙ってしまい、エンジェラは軽く悲しい顔をしつつ、マメの方を見ていた。
そのエンジェラの様子をラビスは、悲しい顔をしながら、見ていた。
一方その頃マメと俺はというと、魔法や技などをお互い駆使して、お互い傷を負ってもいるが、全然どちらにも傾きはせず、均衡していた。
そしてある時、互いに火花を散らせ剣と剣をぶつけ合ってたのをやめ、お互いに砂ホコリを立てながら、離れ合ったと思ったら、お互い睨み合いながら、互いを探っていた。
その時俺はあることを思っていた。
(ふむ。力と速さはお互い同等ぐらいかあ。んー苦手やけど、頭脳戦といくしかなさそうかなあこれは···)
「ふふふふふっ さすがですねぇ〜さすがギルドの幹部を名乗る程度には強いですねぇ〜でもほんとにこれだけなんですかあ〜? もっと上はないんですかあ〜? 僕はちなみにもっと上は出せますよお? アハハっ」
マメは俺に対し、まるで挑発してるように、笑いながら、話しかけてきた。
俺はそれに対し、ため息を出しながら問いかけた。
「はぁーー。マメくん。俺がそんな挑発に引っかかるとでも思ったのかな? そんなに軽く見ているのなら、いずれ君は後悔するよ。」
「ふふふふふっ そうですよねええ! やっぱり引っかかりませんよねええ! でもその言いっぷりだとおお? やっぱり上があるんですねぇ〜 ふふっじゃあ〜さっきより少し本気で行きますよおおお!!」
マメはそういうと、まるでラミアの黒鬼のような黒い霧が、体のどこからか溢れだしてきたと思ったら、マメの傷を少しずつ修復していって、マメの傷は完治したのである。
それに遠くの方で、エンジェラ達の驚きの声が呟かれたように感じたが、俺は驚かずただそのマメの様子を分析しつつ、自分自身の手や足に、全身を動かしていた力を、移動させてから、色々と考えていた。
(ふーん。傷を治せるのか。でもあれって、自身の感情を力とし、黒い霧を出してる感じかな。となると、彼自身の感情をどうにかできれば、良いわけだけど、見る分には深そうだなこの黒い感情。さてどうするか···。てかなにすればここまでなるんだよ···。 )
だがヒロがそう考えていた時だった。
マメが俺を見ながら、驚いた目をして止まっていたのである。そんな時俺は、察したためマメへと少しニヤケながら問いかけた。
「ああ、もしかしてこの目で驚いてるのかなあ? この目は俺しか使えない目で、人の感情を見れる目だよ。」
「へぇー。そんな目があるんですね〜。まぁどちらでも良いですがね ふふっ」
そうヒロの目が、茶色の目だったのが、いきなり白い目へと変わっていたのである。
だがマメはその事にはあんまし触れなかった。いえもしかしたらすると、触れられたくなかったのかもしれない。
そしてマメは地面を突然砂ホコリを後方へと出しながら地面を蹴ると、俺へと向かってきた。俺はその白い目で、マメの感情にわずかながらに、白い部分が見え隠れしてるのに、気を取られマメの攻撃をマトモに受けてしまい、後方の岩へと飛ばされてしまった。
だが俺はそれすらもさ計算していたのであった。




