70話 絆
今回はエンジェラ視点です。
ラミアにプリネムがかけられてから、数分が経った頃である。
周りがまだ戦闘のため爆音が響く中、私もその頃には体の回復が終わっており、私はその場に立ちながら、ラミアが起き上がるのを待っていた。そしてチノンやリビーとラビスはラミアの回復を行っていた。
だがラミアはいつの間にか目を開けていて、立ち上がっていた私に気づいていたのか、話しかけてきた。
「そこで立ってないで、こちらに来たらどうだ?エンジェラ」
「あら? もしかしてまだ立てないんっすか? まぁどちらでもよいですが」
私はラミアに対し、少しニヤケながら返した。私の言葉に、リビーは険悪な顔で私へと言葉を掛けてきた。
「エンジェラ ラミアさんはまだ回復の真っ最中なのよ? 起き上がれるわけないのよ? あなたもわかるでしょ?」
だがラミアは私の言葉に、返事もしなかったので、私はため息をつくとラミアの横へと移動した。
私が横へと移動した瞬間、ラミアはチノン達の制止を振り切り、突然地面に震える手で、抑えながら起き上がると私の方を見て、無言で頭を下げてきたのである。
私はそのいきなりのことに驚き、ラミアへ言葉をかけたのである。
「な!? いきなりどうしちゃったんですか?ラミアさん!」
私の言葉も聞こえたはずなのに、ラミアは土下座のような格好のまま固まっていた。
そんなラミアの状態に、チノン達はラミアのことが心配のため、声をかけたがそれにも反応することなく、ずっと固まっていた。
だが次の瞬間だった。ラミアが顔を上げると私へと声をかけてきたのである。だがラミアは目から涙をだし、悲しい顔をしていた。
「ずまながった···みんなほんどにずまなかっだああぁ···。わだしはあやづられていたとはいえ、やっではいげないことをみんなにしてしまっだ···。ほんどにずまなかった··」
「ラミアさん···」
ラミアのその反応に、チノン達さえも悲しい顔をしてしまった。
だが私はそのラミアとチノン達を1度見てから、ため息をつくと答えた。
「はぁー なんだそんな事っすか! 全く驚かさないでくださいよ!」
私の言葉を聞いた瞬間、ラビスが立ち上がり、私の目の前までくると、私の頬を無言で殴ってきたのである。
私はその影響で、地面へと倒れてしまった。
私はそのラビスへと怒ろうともう1度立ち上がり、ラビスの目の前に立つと、ラビスは私の胸ぐらをつかみ、逆に怒ってきたのである。
「おいエンジェラ! お前ラミアさんの言葉聞こえなかったのかあ!? ラミアさんは私達へと悪いと思った気持ちがわからないのかあ? お前はなんであんなこと言ったんだあ? あぁ!?」
「怒ってきたと思ったら、その事かよ。なら言ってやるよ。裏にいるラミアさんもだが、チノンとリビーもラビスと同意見なら、お前らこそなんもわかってないよ。
ラミアさんあんた。まるで私らがあなたを嫌いになったから、あなたはそれを前の元の仲に戻したいって思って、さっきみたいなこと言ってたなら、あなたは馬鹿ですよ。
あの状態になったら、誰もが同じことをするだろうね。確かに罪悪感が生まれるのは分かるし、それに対して謝るのも仕方ないのかもしれない。でもなもうラビスは決めたのかもしれんが、ラミアさんあなたは謝るよりも今やることがあるはずなんじゃないですかあ?」
私の長々の答えに、ラビスは黙り私の胸ぐらから手を離した。そしてラビスの裏にいた3人もすぐに下を向いて落ち込んでいた。私はチノン達やラビスに背を向けて、少し遠のき、近くにあった岩に座り、シャケ達の戦闘を見ていた。
私がシャケ達の戦闘を見てさ、少し時間が経った時だった。私の横に戦闘を終えたのか、イアが転移してきたのである。私はイアに驚き、岩から落ちてしまった。 イアはそんな私を見ると、問いかけてきた。
「何遊んでんの? エンジェラ」
「遊んでませんよ! イアさんがいきなり現れたから、驚いて落ちてしまったんですよ!」
「あはは!それは悪かったのおお!」
私はイアに対し、軽く怒りながら答えるとイアは苦笑いしながら、答えてきた。
そしてイアは苦笑いからすぐに真顔に戻ると、私へと後ろを指さしながらまた問いかけてきたのである。
「あのままでいいのか? ラックが向こうについたが、このままだと···」
イアがそこまで言いかけた時、私は即返したのである。
「分かってますよ。まぁそろそろ戻る予定でしたし、それではまた。」
「そうだったのか。分かってるならいいよ。いってらっしゃい(ふふっ相変わらずまだ子供たちね本当)」
私はそういい残し、ラビスの所へと歩き出した。
ちなみに私が岩で座って戦闘を見ていた時、チノン達はずっと黙ったまま、その場で固まっていた。
そんな時、ラックが突然その場に現れると、チノン達を見て話しかけた。
「不貞腐れてんなあお前ら! お、ラミア戻ったんか。(まぁイアにこちらに来るよう言われたが、これは少し強く言われたなあエンジェラに)」
ラックの言葉に、ラミア達はすぐにラックへと向くと驚く顔はしたが、何も答えずまた俯いたままだった。ラックも流石にその状態に困っていた時、私がそこに現れたのである。そしてラックは私が現れた瞬間に、すぐにイアの元へと行ったのである。
そしてその場にまた私とチノン達だけになった。私はいまだ俯いてるみんなを見てから、ため息をつくと声をかけた。
「(はぁー)先程はすまなかったな皆。私も少しは言いすぎた」
「エンジェラ···」
「エンちゃん···」
私の言葉に、なんとチノンとラビスが私へと飛んできたのである。
「え? ええぇぇ!!?」
私はそのままラビス達に倒されてしまった。
そして頭を擦りながら、2人をみると二人とも泣きながら、謝ってきたのである。
「ごめええぇん エンちゃあああん!」
「ごめええんエンジェラあああぁ」
私はそんな2人の頭を擦りながら、慰めていると立っているリビーと起き上がってるラミアが、私へとお礼をいってきたのである。
「ありがとうなエンジェラ! まさかお前に気付かされるとは落ちたもんだ。」
「ありがとうエンジェラ。これからは行動で示すよ。」
私はそんな2人の言葉に、照れながら返したのである。
「わ、分かればいいのよ。」
「「あ、エンちゃん「エンジェラ」がてれたああ!!」」
私の照れに、いつの間にか涙引いていたチノンとラビスがニヤケながら、答えてきたのである。
そしてその場に笑いが起こり、また私とラビスとチノンとラミアとリビーの間には絆が戻ったのであった。




