68話 白と黒
ラミアの言葉を聞いたその時だった。
ラミアの後方からチノンとラビスが、少し動揺しながらも私に声をかけてきた。
「ね、ねぇエンジェラ? あなたはホントにエンジェラなの?」
「え? ええ!? 本当にエンちゃんなの!?でもさっき死んだって···」
私はラミアを少し警戒しながらも、2人に笑顔を向けながら、声をかけた。
「えぇそうよ! チノンとラビス! まぁ2人は休んでなさい!」
そして2人に言い終えた私は、腕の修復を終え、私の目の前で立ち上がったラミアを見据えながら、ラミアへ問いかけた。
「準備はいいかな?黒鬼 私はいつでも始められるのだけど?」
「ははっ 随分と余裕みたいじゃない!白鬼
鬼同士久々の出会いなんだし、もうちょい会話がしたいけど、まぁお互い中身を抑えておける時間はあんまりないはずだし、仕方ないわね。」
黒鬼は少し寂しげな表情を見せたと思いきや、すぐさまに私の目の前から、姿を消した。
消えた黒鬼みたチノンやラビスを含む周りの人は驚いたが、私はすぐさま後方を向き、頭の中で思っていた。
「え!? 消えた?」
(ふっその程度で消えたつもり、遅いわよ。)
そして私も黒鬼が消えて、5秒も経たない間に、消えた。
それにもチノンやラビスも驚いたが、さらに驚くことが直後に起きた。
それは空でいきなり、爆音が起きたと思いきや、雲が縦に割れたのである。
そしてすぐさま空中のある所に、黒い煙と白い煙を纏った2人が現れたのである。
そして2人とも大声で呟いた後、また姿を消したのである。白と黒の煙を出しながら···
「楽しいなあ!白鬼!!」
「相変わらずですね? 黒鬼。でも楽しい!」
そしてそれから煙はかすかに見えたりして、爆音は聞こえたりするが、2人の姿が一切見えないため、地上で座りながら、休んでいたチノンとラビスは、近くの岩で座って怪我を修復中のリビーの元へと駆け寄り、リビーの状態を見ながら、チノンが先に話しかけた。
「リビーさん大丈夫ですか?」
「あぁチノンか。まぁさっきよりは腕も治りだしている。それよりラビスだったな? お前はこれからはどうするんだ?」
チノンの言葉を、リビーは治りかけてる腕の方に手をやりながら、チノンへと顔を上げると答えた。そしてそのままの状態で、チノンの背後に隠れているラビスへと問いかけた。
すると、ラビスはチノンの横から姿を現し、リビーの目をしっかりと見ながら答えた。
「どうしたいのか、どうすれば良いのかは正直分かりません。ですがチノンに救われたこの命、チノンの夢を手伝うために使いたいと思います。」
「ふふっまぁいいんじゃない? まぁチノンはエンジェラ達に夢中だろうけど! ね?チノン!? 」
「ふぇ?」
ラビスの言葉に、リビーは少し笑いながら、上を向いているチノンに問いかけると、チノンは変な声を出してしまったため、その場は少し笑い包まれた。
そしてそれから少し経ち、チノンはリビーへと問いかけた。
「リビーさん。今のエンちゃんとラミアさんは本当にあの2人なんですか?」
「まぁ一応は2人よ。 でも中身は昔この世界の大半を壊して暴れたという鬼の2人。まぁまさかエンジェラの中に白鬼がおるとは思ってなかったがな。」
チノンの問いに、リビーは少し下に俯きながらも答えた。 そして少し間を開けて続けた。
「これはまだ戦闘が始まる前よ。
〜回想〜
〔そういえばエンジェラ、最終手段ってなんなの?〕
私はアピス達と走ってる間に、エンジェラに対し、念話で問いかけた。すると、エンジェラは少し間をおいて、答えてきた。
〔いずれ分かりますよ。まぁ分身のこと参考にして戦いますね! ありがとうございます!〕
〜回想終了〜
っとまぁあの時は教えてくれなかったけれど、ラミアとの戦闘前に、私に作戦と共に、白鬼だと教えてくれたのよ。」
「その作戦ってもしかして···」
「そう1度死ぬ事よ。」
リビーの長々との話の後に、チノンは少し思いわせぶりな反応をしたら、リビーはすぐさま答えた。
そしてリビーとチノンが話終わった直後だった。
空中で今までにないほどの金属音と爆音がして、チノン達やアピス達も空を見上げると、今まで上にあった青空の下に、白が大半で少し黒が水玉のような形で散りばめられたような絵みたいな光景が、空1面に広がっていた。
そしてアピスやシャケやイセスやイア達はまたすぐさま戦い出したが、リビーとチノンとラビスはあまりのことに、言葉を失って空を見上げたまま、固まっていた。
そしてその直後、リビー達の近くで、ドサッと何かが落ちた音が下のである。




