61話 無心の刃 前編
今回はチノン視点です。
エンジェラと、ラミアが戦いに入った時、私はラビスの魔法を何度も、避けたり、剣で消し飛ばしたりなど、やはり防戦一方であった。
「あららぁ? あら? あららららぁ? チノンちゃあぁぁあん? さっきのあの威勢はどこへと行ったのかなあ? そんな防戦一方が、いつまで持つのかしらああぁ? フフフフっ」
1度攻撃をやめ、私の様子を高い位置から見下ろしつつ、確認していたラビスは、高めの声で笑いながら話しかけてきた。
それに私はただ、だんまりを続けていたが、心の中では葛藤していた。
(くっ やっぱりラビスちゃんは強いなあ···しかも私は、通常魔法しか使えんし、それに空に受けないし、どうしよう··· こういう時、エンちゃんならどうするんだろう··)
私は少しエンジェラの方を見た。するとエンジェラは、ラミアと笑いながら、戦い合っていた。
それを見た私は、少し俯いてからまた悩んだ。
(あーダメダメ。 ここは戦場なんだし、頼ったらダメだよね。 でも本当にどうしよ···)
「ねぇ。 何こんな時に考えてるわけ? それも私をほっときながら。 まぁいいわ。 もう アナタヲコロス から フォルマ 発動」
私の様子をずっとディメンションで、浮かびながら観察していたラビスだったが、いきなり冷気を私にさえ、感じさせるほどの声を出したと思ったら、私目掛け落ちながら、片手に剣を生成すると突っ込んできたのである。
私はそのいきなりのラビスの行動に、戸惑いただ言葉を出しながら、避けるしかなかった。
「うわぁ!」
そのまま、ラビスは私が元いた場所へと、爆音と砂煙を高く上げながら、落下したのである。
それを見た私は、少しある事を考えてしまった。
(まさか···今の衝撃で、瀕死になってたりとかしないかなあ··)
その思いに反し、ラビスは砂煙の中から姿を見せた。そして次の瞬間、私へと急速に接近すると、下から上へと声を上げながら、剣を振り上げたのである。
「シネェェエエ工!!」
「あっ······」
私はラビスの剣を、受け止めようと武器を構えたが、ラビスの力が強く少し呟く感じで言葉を発しながら、空へと飛ばされた。
そして飛ばされた私に、さらに追撃を仕掛けるべく、ラビスは空へと飛び、私の真上へと来たのである。
私はその時、ラビスへと懇願してしまったのである。
「ねぇ。 ラビスちゃん。お願い···もうこんなこと終わりにしよ? ね?」
「はぁ? 何言ってんのよ。チノン。 私達は殺し合いをしてるのよ。だからこそ、今ここでそんな弱い気持ちとともに、死になさい。」
そんな言葉を、ラビスはチノンへと少し怒りながら答えると、剣を高々とあげ、チノンへと振り落としたのである。
ラビスの剣が振り下ろされている数秒の間、チノンはラビスの顔を、凝視しながらある事を思っていたのである。
(私死ぬのかなあ···ラビスちゃんに殺されちゃうのかなあ··でもやっぱり強いや···でもなんでなんだろう。 なんでラビスちゃんは)「泣いてるんだろ」
ついその言葉が、心から漏れてしまい口から出てしまったその時、ラビスの剣が私の腹にあたり、私はそのまま下へと飛ばされたのである。
だが、その時私は少し感じたのである。ラビスの剣が軽くなったことに···。
「ガハッ」
私はそのまま、勢いよく地面へと飛ばされ、砂煙と地面が少し割れながら、私は言葉を出し、血を口から出すと地面に倒れてしまった。
それを遠くから見ていた、ヒロとエンジェラはお互い敵と戦いながら、私の安否を心配していた。
(チノン!!くそっ 助けたいけど、今は出来ないわよね···)
(チノンちゃん···くそっ!!)
2人がそんなことを思っていた時、ラビスが空から地上へと降りると、1度自分の剣で頭を2回ほど殴ってから、私の方へと歩きだした。
ラビスが近づいて来ているとき、私は自分しかいない、黒い空間にいた。
「あれ? ここはどこ? 私はもしかして死んじゃったの? まぁ無理もないか··あんな攻撃食らっちゃったんだから···」
私が口に出しながら、呟いていた時だった。
黒い空間の私の目線の先あたりに、白く、小さな女の子の形をした何かが、現れたのである。
私はそれに、驚き言葉を失っていた時だった。その女の子?が、私に対して、聞きなれた声で話しかけてきたのである。
「ねぇ。チノン。お願い。私を助けて··」
「え? ま、まさか···ら、ラビスなの?」
私はその声を聞いた瞬間、目を見開きながら、さらに驚きつつ焦りながら問いかけたのである。
するとその女の子は、無言で頷くと、黒い空間を見渡しながら、また喋りだしてきたのである。
「ここはね···私の今の心の中なの···私はね··本当はみんなを守りたいの···それにあなたのおかげで助けれる言葉が生まれたの···だから今なら、私を瀕死にさえすれば、私を助けれる···だからお願い···私を···助けて!!」
そのまま女の子は、その言葉を残し、黒い空間へと消えてしまった。
それを驚きながら見ていた私は、その女の子が消えた後に、軽く深呼吸すると、1度武器を置き、顔を自分の手で、2回ほど叩くと、その黒い空間で、大声を出しながらあることを、誓ったのである。
「うん! ラビスちゃん!! 私はあなたを絶対に助ける!!!」
そしてその言葉の直後、黒い空間ははれ、目の前には空、周りが戦いっている成果、爆音や、金属音でうるさい元の場所へと、戻った。
私はその時、もう何も感じてなかった、というより、あの訓練の時よりも研ぎ澄まされている、無心の状態になっていたのである。
そして私が、剣を杖とし、その場で立つと、床には少し血がたれ、服もボロボロ、腹あたりには、少し深い傷があったが、痛みも何も無かった。
そして私が立ったのを、だいぶ近くまで来ていたラビスは、少し遠くに離れてから、少し焦りつつ声を掛けてきたのである。
「へ、へぇー。まさかあの攻撃を受けても、まだ立ち上がれるとはなね〜。少しあなたのことを見くびっていたわ! チノン! でももうこれでと終わりよ!」
すると、ラビスは私に攻め寄ってきて、走ってきた勢いをのせ、自分の横あたりから私目掛け剣を振ってきたのである。
しかし次の瞬間、ラビスの剣は、ラビスの後方へと右腕と一緒に飛んだ。そしてラビスは赤い血が吹き出す腕を抑えながら、私から遠ざかったのである。
そして遠ざかり、ラビスは私を見ると、驚いた顔になった。
それは私が、自分の目の前で血がたれている刃を、斜めに構えていたからである。




