59話 アピスの戦い
今回はアピス視点です。
シャケが私の横の数メートル離れた所で、戦っていた。
私は、そんな戦いながら、戦いを楽しんでるであろう、笑顔のシャケの方を見ていた。
(シャケ···やはり強くなったわね 良かったわ本当に)
「なぁアピス。お前は仕掛けてこないのか?」
私がそう思っていた時だった、前の方から、懐かしい声で、話しかけられた。私はそれに微笑しながら、答えた。
「ふふっ本当に声は変わらないのね。。。これが訓練なら良かったんだけど」
「訓練ねぇ〜何馬鹿な事言ってんだ? お前も分かってんだろ? だからここにも来たんだろ? 」
アピスの言葉に、パスティは激怒してきた。
私はそれさえも、懐かしく思えた。
(昔は本当によく、共闘して、訓練して、怒りあってたわよねパスティ)
「アピスよぉー。仕掛けにこねえのなら、ここからお前を消すぞ?」
私が思いに浸っていたら、パスティは抜けた感じで答えてきた。さすがのその言い方に、私も少しイラッときたため、答えた。
「いつ私が戦わないと言ったかしら? 戦うために、ここへときたのよ。 だからあんまし油断してると、コロスワヨ?」
「やっぱりそう来なくっちゃな! あの方によって、この魔人の力を得たとはいえ、記憶はそのまま、だからこそ、ここでこの槍で、元嫁であるお前を倒してやろう。」
(元嫁ね···)
パスティは私に話しかけながら、まるで血のようなどす赤黒い槍を構えた。
私はパスティのある言葉に、引っかかりながらもまるで、筆のような大きめの杖を構えた。
先に仕掛けたのは私だった。
「行け。銀花の光」
私がそう唱えると、杖の先端から、綺麗な銀色の花が、いくつも空へと杖から生み出され浮かんでいった。
この技はまだ、パスティにも見せたことがなかった私が作った技だったため、パスティは言葉を出しながら、警戒した。
「へぇー初めてみる技ね〜」
(やはりこの程度じゃ、驚かないわよね。まぁじゃなきゃ、これから耐えれないんだけど ふふっ)
私はパスティの反応を見ながら、頭の中で考えていた。
そしてそれから、技を解放しだした。
「開け花よ。唱えよ花よ。そして撃ち抜け銀花よ」
すると花は少しずつ、開き出したと思ったら、全ての花の中央が、パスティの方を向き、全部の花から、種のような物が弾丸のようにパスティへと放たれた。
パスティは、自分の前で槍を両手で回転させて、防御体勢をとり、弾丸の雨を全て受けたのである。
(全て受けた!? てっきり全て受け流すかと思ったんだけど···)
私がそう思っている時、目の前では弾丸で起きた、煙でパスティは完全に隠れてしまった。
だが、次の瞬間、目の前から槍が私の顔目掛けて飛んできたのである。
私はそれを、驚きながらも避けると、私の背後から声が聞こえたのである。
「あの程度か?アピス」
私はその言葉に、ただ無言で驚きながらも後ろに振り向くとそこには、服は少し汚れているが無傷のパスティがいたのであった。




