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英雄記  作者: ターコ
4章 悲しみの戦
56/170

56話 心配と決意

どうもターコです。 今日初の感想を頂いてほんとに嬉しいです!

まぁでは今日も書いていこうと思います。では56話をどうぞ!

今回はラゼフ視点です。

今日までに14話までは修正しました。

そしてエンジェラがついに、ラミアと戦いを始めた。


その頃、ゼフ町の方では、シキはセレンのこともあったため、ずっと青空をただただ無言で見ながら、心の底からエンジェラ達の無事を祈っていた。


(チノンそして··エンジェラ··頼むから、どんな結果でも良いから、無事で帰ってきてくれ···)


その頃、シキの近くでギルドへの避難誘導をしていた、ルヴィやキュウは、シキの考えてることも知らず、ただ棒立ちしてるように、見えたため、近寄りながら、2人で怒ろうとした。


「シキくん!!な··」


「シキくん!!ちゃ···」


一瞬だった···。キュウとルヴィが、少し言いかけた時、3人より少し遠くにいた俺は、いつの間にかキュウとルヴィの背後へと、移動して、2人の口を手で塞ぎながら、シキより少し離れた所にある、家の影へと移動した。

そして移動してから、俺はキュウとルヴィの口から、手を離した。すると、キュウとルヴィは俺へ激怒したきたのである。


「いきなり何するんですか! ラゼフさんだから何か、意味があるのだとは思いますが、さすがに酷すぎませんか? 私達はただ棒立ちしていた、シキくんへと注意しようと思っただけなんですよ!?」


「キュウの言う通りです! 私達を乱暴に、ここまで連れてきたんです! 理由を教えてください!」


2人の言葉に、俺は呆れながら、ため息を着いた。

そして家の影からシキの方を、指さしながら俺は、2人へと少し怒り口調で答えたのである。


「お前らなぁ···ちゃんとシキの顔を見たのか? あの悲しい顔をお前らはちゃんと見たのか? ちゃんとシキのことを考えて怒ったのか? そしてお前らには、家族同然のやつが、死ぬかもしれん戦いに、行ってるからこその心配する気持ちが、分からないのか? 少しは考えろ! 」


その俺の言葉に、キュウとルヴィは家の影から顔を出し、シキの顔を見た。

すると、2人は少し呆然としてしまった。そんな2人に俺は、ある言葉を言い残し、シキの元へと歩き出した。


「お前らはよく考えろ。そして感じろ。そして現せ!」


そんな俺の言葉に、2人はただその場に立ち尽くし、ただ俯き黙ってしまった。


俺はそんな2人を片目で見つつ、ただシキの元へとトボトボっとある事を思いながら、歩いていた。


(少し言い過ぎちまったかなあ··まぁというか、俺自身も、やらないとな···)


そして俺はシキのすぐ側へと近づくと、シキへと話しかけた。


「シキよ···エンジェラやチノンが心配か?」


その言葉に、シキは体を一瞬震わせたが、何も返しては来なかった。

それに俺は、少し微笑しながら、呟き出した。


「シキ。今から話すことは、俺の独り言だとして、聞いてくれ。

俺もな今エンジェラが不安だよ。 そりゃ家族だし、今ではギルドの大事なメンバーでもあるしからね。 でもそれだけじゃないんだよ。 俺はな多分エンジェラに、妻であるセラフィを重ねちまったんだろうな。 好意が芽生えたのが、1番だと思うんだ。 あいつは人を魅了する力があるんだとは思う、だからこそあいつの周りには、色んな人が集まるんだろうな。 でもあいつは今頑張ってる。 だからこそ俺は今できることを、頑張ろうと思う。 だから、シキも考えてな。」


俺はそうすると、多分まだ誘導出来てないであろう、町の東側へ歩きだそうとした。

その時だった。俺の左手を誰かが、ぎゅっと握って来たのである。


(え?誰だ?)


俺はそんなことを思いつつ、握られた左手の手首らへんにある、腕を辿っていくと、俺の手を握ったのはシキだった。俺は少し呆気に取られながら、シキへと問いかけた。


「シ、シキくん?どうしたんだ?」


「お、俺も同じです···」


シキは俺に、俯きながら答えてきた。俺はそのシキの言葉に少し微笑しながら、ある事を思っていた。


(やっぱり君は俺に似てるな)


「俺はエンジェラのことが、好きです。だからこそ無事で帰って来て欲しいんです! だからこそ俺も頑張ります!」


シキは俺の目を、しっかりと見ながら、気持ちをちゃんとぶつけてきてくれた。

それを聞いた俺は、シキの肩を叩くと答えた。


「ああ! 一緒に頑張ろうな! シキくん!」


「はい!」


俺の言葉に、シキは元気よく返事してくれた。 俺はそれが嬉しかったため、笑顔になった。


そんな時だった。シキの横から2人の声が聞こえた。


「あ、あのラゼフさんとシキくん!先程はすみませんでした!そして、私達も決意は決まりました。 私は、私達のことを育ててくれたリビーさんや、イアさんや、ラックさんや、拾ってきてくれたアピス様が、頑張っているのに、私が頑張ってないと、あとで怒られちゃいますから! ね? ルヴィ」


「うん! 私もキュウと同じ意見です。なので、私達も連れてって下さい!」


2人の言葉に、シキは何のことか分からず、唖然とし、ラゼフは少し微笑していた。

その俺の状態に、キュウ達は少し嫌な顔になった。 そして俺は、少ししてからキュウ達へと声をかけた。


「キュウそして、ルヴィ。お前達の決意は大したものだ。よし、全員で、まだ出来てない東の区画へと行くぞ!」


「はい!」


ラゼフの言葉に、シキも含む全員が返事をし、ゼフ町の東方面へと、いざ進もうとしたその時だった。


「え···?」


俺は声を出しつつ振り返り、他の3人は同じく振り返ったが、言葉を出せずにいた。


そう、エンジェラ達が戦っているであろう、西の方面で、地面が震えるほどの爆音とともに、黒い煙が上がったのである。



今回は以上となります。

ではまた次回〜

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