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英雄記  作者: ターコ
4章 悲しみの戦
54/170

54話 覚悟と戦い

あまりの衝撃音に、私は目をずっと瞑ったまま、耳を塞ぎながら、少し俯いてしまった。

私の後ろにいたチノンでさえ、耳塞ぐほどの衝撃音だった。そして、その音は空へと広がりながら、徐々に消えていった。そして、私が耳を塞いでから、少し経った時私の後ろへと、耳からいつの間にか手を離していたチノンが、駆け寄り私の肩に手をかけながら、寄り添ってくれた。

チノンのおかげか、私の体の怯えは、少し軽くなり、私はチノンへと声をかけた。


「ち、チノン!?ありがとうね、駆け寄って来てくれて。」


「んーん、逆にごめんねエンちゃん···すぐ来れなくて···」


そしたら、チノンは少し申し訳なさそうな声で、話しかけてきたのを私は感じた。私は肩にかかっていた手に、自分の手を添えると、目をゆっくり空けてから、チノンの方をむくと、笑顔になり答えた。


「ううん。チノンは私の所へと少し遅くとも、きてくれた。それだけで私は嬉しいよ?だからありがとうね!」


「エンちゃん···ぐすん··」


チノンは私の言葉に、涙を浮かべながら、私の背中に寄りかかると、そこで少し泣いてしまった。そんな私は背中で、感じながら、少し俯いた。そしてそれから少し経つと、チノンは私の背中から、離れると上を向いて、私の前にいる人へとお礼をした。


「ヒロさん、本当に助けてくれてありがとうございました。」


「え!?ヒロさん!!?」


そのチノンの言葉に、私は驚いた顔をして、上を向いた。そしたら、そこには背中に片手で剣を構え、その剣でマメの剣を余裕で、抑えているヒロがいた。

私達が気づいたのを確認したヒロは、私とチノンの額へと手を伸ばすと、デコピンをしてきた。

それに私達は痛がってしまった。


「いたい···」

「いたいよおお···」


「お前達なあ··ここは戦場だぞ?甘ったれてんじゃねえよ!戦場はな!死ぬことが普通にありえんだぞ?それにお前らが戦おうとしてるのだって、このマメとかいうやつと同じ知り合いなんだろ?だから怯えてんじゃねえよ!何のためにここへ来たんだ?弱い覚悟できてんなら、帰れ!弱い覚悟のやつが、1人でもいると邪魔なんだよ!」


私達が痛がっていた時、ヒロは私達へと怒鳴ってきた。私達はそのヒロの言葉と同時に、私達が向いてる方向から、吹いてきた風が私達の中にあった、弱い所を取り去ったのを感じた。

私はそれを感じた後、鼻で笑うと、チノンの方を向き、ヒロとチノンへと答えた。


「ヒロさんすみません!少し皆さんの手助けが欲しくて、わざと怯えてました!ふふっ

そしてチノン、今からやる事分かってるよね?」


「うん!ヒロさん私からもごめんなさい!エンちゃん行くよ?」


「うん」


そしたら、ヒロの目の前で私達は、お互いに殴りあったのである。

その状況を見ていたヒロは、一瞬驚いたが、鼻で笑うと、後ろに構えて剣に、力を入れマメを、後方へと押したと同時に、ヒロは私達へと背中を向け、大声で私達に向け、声を発した。


「チノン!エンジェラ!行ってこい!お前らの覚悟が強いこと見せつけてやれ!」


「はい!」


私達もヒロさんに背中を向け返事をし、耳を手で抑えた時に、落としてしまった武器を拾い、前へと歩いた。

そんな私達とヒロの状況を戦いながら、見ていたアピスは軽く鼻で笑い、脳裏である事を思っていた。


(ごめんなさいねヒロ··あなたにひどい役目任して·!でもさすがね!ヒロに任しておいて良かったわ。)


「ふふっヒロさんでしたっけ?ふふっアハハハハハハ。なんですか?あの茶番!もうあのジェラとチノンは負けたも同然ですよ?あなたは何も分かってませんねえ?ふふっ」


アピスがそう思っていた時、マメはヒロへと笑いながら、話しかけてきた。

それにヒロは笑いながら、返した


「フッお前こそ、あいつらのことなんも分かってねえな!?負けたも同然ですよ?っかアハハっ勝負も始まってねえのに、勝手に決めてんじゃねえよ!」


「あなたも馬鹿だったとは!本当にすみません!ここであなたを速攻消して、あの二人の所へ行く前に、俺が彼女らを消すとしましょうか!」


「やってみろ!」


そんな言葉を、怒った顔で言い合いながら、2人はぶつかりあった。そしてマメとヒロがぶつかりあったと同時時刻、私とチノンは目の前の、魔物の奥に見える、ラミアとラビスへ向かって大きな声で、言い放ったのである。


「ラミア!いや、ラミア先生!あなたは私が元に戻してやるから、そこで待ってやがれぇぇえええ!」


「ラビスぅうう!あなたは私が相手するから、覚悟してそこで待ってろぉぉぉぉ」


私達が、そう叫んだその時、奥の方で笑い声が聞こえた。そして少ししたら、大きな笑い声と怒鳴り声とともに、ラビスが空へと飛ぶと同時に、チノンへ向け、炎系の魔法を放ってきたのである。


「アハ、ハハハハハハハハハハハっバカじゃないの?何よそれ!ハハハハハッ!私の相手はエンジェラだと思ってたのに、まさかあなたが私の相手だとは思わなかったわ。でもまぁあなたみたいなバカは、私が消し炭にしてあげるわよ!チノン!」


それに対し、チノンは何も答えず、その炎を剣で、振り払いラビスを驚かせるのであった。






以上となります。

次は来週になります、ではまた次回〜

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