49話 謎の人
今回はシキ視点となります。
走っていた俺はある部屋の前についた。しかし走ったため、疲れたので少しドアの横の壁に寄りかかった。そして俺は寄りかかった状態のまま、息切れしつつも、その部屋の中にいるはずのセレンへと呼びかけた。
「はぁ···はぁ···セレンいるのかあ?いたら返事してくれえ」
しかし中からは返事はなかった。
(あれ?セレンここにいないのか?でもさっき確かにこの部屋にいたはずなんだが···まぁ部屋の中確かめれば分かるか)
俺はそう思いながら、茶色のドアについてる、黒色のドアノブに手をかけ、ドアを開けた。そして中を確認したが、誰もいなかったが、その時違和感を覚えた。
「あれ?いないのか··(でも何かがおかしい。部屋なら何かしらの物が置かれてるはずなのに、何も無い。まるで誰かが片付けたかのように···)まぁいないんなら、探すか」
俺はそのまま部屋には入らず、ドアを閉めその部屋の周辺を歩きながら、探した。そしてその部屋から少し遠ざかった。
「セレンいないかあー?」
「ん?ああシキくんじゃない?どうしたの?」
俺がセレンと呼びながら、探していると目の前から、白い長髪で赤い目の女性が現れた。俺はその人に話しかけられた瞬間、いきなりのことに少し下がり、腕を前に構えまるで格闘技する前の態勢をとった。そんな俺の状態に、その女性は少し上を向くと、何かに気づいた感じになり、苦笑いしながら俺に話しかけてきた。
「あ、ああ〜ごめんね〜話すのは初めてだよね!アハハっ 私の名前はイーフィで、幹部の中じゃ一応3階位にはいるけど、イアさんとラックさんには劣っちゃうかなあ。アハハっ」
その女性は話し終わると、俺に詰め寄って来て、理由を聞いてきた。
「それで?貴方はなぜこんな場所にいるのかしら?私になんか用事というわけじゃなさそうだけど」
「あ、ああすんません!いきなりの事にびっくりしてました。実は俺の友達というか、まぁ仲間というか、セレンという子を探してて···」
俺は少しオドオドしながら、話してしまった。それにイーフィは、口に手をやりながら微笑すると、俺に話しかけてきた。
「ふふっなるほどね〜んー知らない子がいたら私もすぐ分かるし、多分ここまでは来てはないけれど、何なら私も探すの手伝おうかあ?」
「え?いいんですか!?」
イーフィのいきなりの提案に、俺は驚きながら答えた。それにイーフィは俺の顔見ながら、返した。
「ええ!いいわよ!いつもやることはだいたい終わらせてるし、一応3階位だから感知能力使えばわかるかもしれないからね」
「本当に手伝ってくれるのなら、心強いです!ありがとうございます!」
俺はイーフィに攻めよりつつ、少し笑顔になり答えながら、頭を下げた。それにイーフィは笑いながら、聞いてきた。
「あなたって本当に面白いわよね!ふふっ
さてそれで候補とかはあるのかしら?」
「候補ですか···」
その時、俺の頭にはさっきの部屋が浮かんだ。そして俺は顎に手をやり、考えこんでしまった。
(でもあの部屋には確かにいなかった。でも怪しかったのはあの部屋しなかったし···)
「おーい!シキくーん?どうしたのおお?」
その時、俺はイーフィの顔が、間近まで迫っていたことに気づき、少し後に下がると、赤面しながらまたオドオドしながら答えた。
「しゅ、少しか、考え事してました。あ、怪しい場所がひ、ひとつあ、あります。」
「ふふっ赤面してるし、本当に貴方って面白い男性ね〜まぁならその怪しい場所に案内してもらおうかなあ!ふふっ」
(なんか遊ばれてる気がする)「あ、はい···」
イーフィは俺の状態に、笑いながら答えた。それに俺は落ち込みながら、返事をした。
そして俺はイーフィさんを案内しながら、またさっきの部屋まで歩き続けた。そんな時、俺は気になったことについて聞いた。
「そういえばイーフィさん、いつも幹部の人達は何をしているんですか?」
「んーそうねえ〜人によって違うのだけど、鍛錬したり、趣味をしたり様々かなあ〜私は花を観るのが好きだから、クレアーレとかを多用したりして、花を咲かして飾ったり物とかを、花で覆ったりしてるわ!シキくんは趣味とかはないのお?」
イーフィは笑顔で、俺に話しかけてきた。俺は前を向いたまま、少し照れながら答えた。
「趣味ですかあ…んー強いて言うのであれば、料理したり、物を作ったりですかね···(いつかエンジェラのために···)」
「(ハッハーン。多分好きな人がいるのかなこの人は)いい趣味じゃない!」
イーフィは少しニヤケながら答えた。
そして俺とイーフィが話していると、その部屋へとついた。そして俺は立ち止まると、その部屋を指さしながら答えた。
「ここです!ここから1度だけ、そのセレンの声が聞こえたんですけど、中には何もなくて··」
俺がそう話していると、イーフィはさっきまでの陽気な顔から、冷徹な顔へと変わり、部屋に向けて、冷たい声で話した。
「シキくん。ここは元々は部屋事態が何も無いわ。だから、多分誰かが造ったのね。でも中は確かに物がないわ。でもそれはカモフラージュ··ね?そうでしょ?誰かさん」
「あらら。バレちゃいましたか···キレイに隠れていたつもりでしたんですけどね。さすがの幹部とでもいいますか。」
そしたら部屋の俺とイーフィの目の前にある、石の壁から謎のフードを被った人が現れた。俺はその謎の人から感じる、雰囲気がやばいと思ったため、無言でイーフィの背後へと下がった。そうするとイーフィが、声を出した。
「シキくん良い判断よ。それであなたは何者?敵?それとも味方?」
「ふふふっその質問には答えられませんねえ〜まぁ今は争う気や、ここを荒らす気はないから、安心していいよ?ギルドの飼い犬達!いやそれとも名前で呼べばいいかしら?イーフィーちゃん!アハハっ」
その謎の人は笑いながら、答えた。それにイーフィはイライラしているのを、後ろにいた俺は感じた。そして俺はその謎の人に向け、声をかけた。
「おい!何者か知らないけど、1つ聞きたいことがある!セレンというやつを知らないか?」
「ああ、セレンね〜知ってるわよおお!ふふっ」
そしてその謎の人は俺を見ると、フードの中で、顔をニヤケさせてから、喋りながらフードを取った。そのフードの中を見た俺は、驚きに一時的に言葉が出なかったのであった。
以上となります。明日は投稿しません。そして今回髪の長さが出ましたが、設定資料集に書き忘れていました···すみません。暇な時にでも追加しておきます。ではまた次回〜




