42話 頼み 後編
どうもターコです。
ではご覧下さい。
私とチノンは部屋の外へと出ると、誰かが用意したのか、さっきまでの会議前にはなかった青いベンチがあった。
二人とも驚きはしたが、部屋で寝てるはずの二人を起こさないため、無言でそのベンチに座ることにした。
「え?え?何?」
「何が起きてるのおお?」
私達がベンチに座った、その時だった。ベンチが急に光出したため、私とチノンはつい言葉を出してしまった。
そしてその光は少しずつ眩しくなってきたので、私とチノンは片腕で目を覆った。
そしてそれから数分後、先ほどまで聞いてた声が聞こえたのである。
「二人とも目を覚ますと良い。安全じゃ」
その声に、私達は腕をどかした。するとそこにはアピスとリビーとシャケがいた。
私達はそれにテンパってしまった。するとシャケが口を開いた。
「すみませんね二人とも。ベンチを置いたのは私で、ここへ呼んだのはチノンさんの話の内容についてです。」
シャケがそういった時、チノンはなにかに気づいたかのように少し体を引くと、少し落ち着くを取り戻し、俯いてしまった。そのチノンの様子とその周りの状況が気になった私は、シャケに問いかけた。
「あ、あのおシャケさん?チノンの様子も変なのですが、なぜリビーさんとシャケさんとアピスさんという、重役の方達の所に私達は呼ばれたのでしょうか?」
それに対してシャケが答えると思いきや、リビーが答えた。
「その答えは多分そこのチノンとやらに、聴いたら分かるわよ。(全くなんで私が···)」
それを聞いた私はチノンの方を見た。そうするとチノンは私の方を向き、頷くとその場に立ち、私の方を向いて、話し出した。
「エンちゃん頼みってのはね、実はこの方達も関係してるんだ。どんなことかというとね、もし今度ラビスちゃんと争うことになったら、私にラビスちゃんと戦わせてほしいの!お願い。アピス様もお願いします。」
その言葉と同時に、チノンは私とアピスへと頭を下げた。
それにアピスは即答しつつ、私へと問いかけてきた。
「私は構わない。どのみち、レナはシャケが、パスティは私が、ラミアはリビーが戦う予定で、ラビスはそちらに任せる予定だったからな。だが、エンジェラはどうなんだ?ラビスはチノンでも大丈夫なのか?」
それを聞いた私は手を顎に添え、考えた。チノンは私に対し、期待と不安と心配が含まれた微妙な目で、見ていたが私はそれを無視しながら、分析しながら考えた。
(アピスさんの言う通り、ラビスは強い。武器とかは多分チノンのが上だけど、魔法の面でみたら、正直チノンに任せて勝てるかもわからない。もしかしたらどちらかが死んじゃうかもしれない。けど私はチノンの覚悟を踏みにじりたくもない··。私はどちらを優先すればいいのよ····)
私が頭の中で悪戦苦闘していた時だった。子供の頃にセラフィが私に言ったある言葉が、頭の中に蘇ってきたのである。
ー回想ー
これはまだ私がまだ、7歳頃の話である。
「ママー私どちらを選べば良いのかなあ?」
私はラゼフとの訓練のため、小さい剣を持ってくべきか、杖を持ってくべきか、悩んでたため、セラフィに聞いたのである。そんな私に、セラフィは笑顔になり、答えた。
「まずどちらか悩むんじゃなくて、どちらかが信頼出来るのかを選びなさい。そして信頼出来る方を選んで、それからはそれをずっと信頼していきなさい。それが失敗だとしても、成功だとしてもそれはあなたの経験になるから!ほらパパを待たせたらダメよ!行きなさい!」
「はーい。なら剣にする〜」
ー回想終了ー
(懐かしいなあ。ありがとうママ!)
私はその言葉を思い出した時、笑顔になった。
そして私は決め、アピスの方を一度見て無言で頷き、そしてチノンの方を向くと、答えた。
「チノン。あなたにラビスをお願いするわ!ただ危なかったら助けるからね?何がなんでも。」
「ありがとう〜エンちゃん!」
私の言葉に、チノンは喜び、私に抱きついた。それを見た、アピスとシャケは笑顔になり、リビーも少し笑顔になった。そして私は抱きついたチノンを一度どかし、リビーな方へとむくと、アピスとリビーへ向け、言葉を発した。
「ごめん。チノン少しどいててね?さてとアピスさんそしてリビーさん。実はあなた方に提案があります。」
それに二人は私の方を向き、聞き返した。
「なんじゃ?エンジェラちゃん」
「なんですか?」
その返答に私はニヤけながら、答えた。
「えっとですね。さっき考えて決めたんですが、私も元先生であるラミアとやり合いたいので、リビーさんとの決闘を提案したいと思います。」
その提案に、リビーとチノンが動じて、チノンは裏から心配してきてくれた。
「エンちゃん本気なの!?相手は幹部なんだよ!?」
それに私はチノンの方を向くと、真剣な表情になり、答えた。
「本気だよ。チノン!勝てるか分からないけれど、やり合いたいんだ。幹部の1人と、そしてラミアも」
それを私が言った瞬間、動じてはいたが、言葉を発しなかったリビーが笑いながら、私を罵倒しながら答えた。
「ふふふっ私と決闘ですって?あなた本気なの?私は幹部、あなたはまだ素人よ?あなたには勝ち目なんてあるわけないわ!」
それを聞いた私も、笑いながら答えた。
「ふふっ幹部だからなんです?確かに私は素人ですが、試合をしない前に結果を決める方こそ、素人のやることだと私は思いますよ?ふふふっ」
リビーは私の言葉に、苛立ちを隠せずにいた。そしてリビーが私めがけ怒鳴ろうとした時だった。アピスが割って入ってきた。
「リビーよせ!そしてエンジェラもそのぐらいにしよ。さてまぁこの際だ。明日決闘を開催しようじゃないか。勝った方が文句なしに、ラミアと戦う。それで良いな?二人とも。」
それに私は真剣な表情のまま、答えた。
「私は構いませんよ。」
「アピス様。決闘をやる意味なんてありません!私の勝ちは見えてます!あなたも本当はわかっているんでしょう?」
そうリビーはアピスは進言した。それに対し、アピスは冷たい表情で答えた。
「先ほどエンジェラがいってましたが、勝敗はやってみなくては分かりません。それともなんです?私にたてつくとでも?ねえリビー?」
それにリビーは完全に怯えてしまった。そして体を震わせながら答えた。
「は、··はい。やります···」
「うむ。よろしい。ではエンジェラよ。そなたの所には明日、イアをお迎えにいかす。迎えがきたらそれについてゆけ。いいな?」
リビーの返事を聞いたアピスは、私の方へと問いかけてきた。それに私は即答した。
「はい。大丈夫です。」
「うむ。よろしい。では明日としよう。リビー含め明日のために、もう寝るが良い。」
私の返事を聞いた瞬間、アピスは私達とリビーへと進言した。そしてそれに私達は頷いた時、シャケとアピス以外の全員は光に白い包まれ消えた。
「まさかエンジェラがあんなことをいうとは、驚いたのお。」
「本当は分かっていたんでしょう?」
アピスは消えたことを確認したと同時に、体から力を抜き、私のことについて話したが、それにすぐシャケが覆い被せてきた。アピスはシャケの言葉に、肯定しつつ反論もした。
「完全に分かっていた訳ではない。可能性があったから予測したのは事実なわけじゃが、まさかその予測があたるとは思わなかったのだ。」
「そうですね。まぁ明日のこともありますし、流石に私達も寝ましょう。」
アピスの言葉に、シャケは肯定しつつ、ある事を提案してきたため、それに無言で頷くとアピスは寝ることにしたのであった。
そして一方私とチノンは部屋の前へと飛ばされた。そして飛ばされた同時に、チノンが私を心配してきた。
「まさかあんなことエンちゃんが言うなんて、思わなかったよ···あんま無茶しちゃダメだよ?エンちゃん」
「ありがとう〜でもそれはチノンもだからね?まぁもう遅いし寝ましょう!」
それに私は頷きながら、チノンも心配しつつ、提案した。そしてそれにチノンは答えた。
「うん!もう流石に眠いし、ねよう。」
そして私達やギルドの全員が寝たのであった。
私達はその時、ある僅かな変化に気付かずに···
以上です。
まぁまた次回〜




