15話 サバイバルバトル 後編
私とチノンが2回戦目の準備を、雑談をしながらしている時だった、私達の目の前をラミアが、冷たい表情をしつつ、何も言わず通り過ぎて、試合会場とは違う方向へと向かった。私はラミアに少し違和感を覚えた。
(あのラミア先生が一言もかけずに、通り過ぎるなんて、珍しいなあ)
「エンちゃん? なんかあったのお? 顔少し怖いよお?。。。」
私が考えごとしていると、チノンが私の顔を下から、覗き込む感じで心配そうな、顔で話しかけてきた。私はそんなチノンに、少し驚いてしまったが、すぐ笑顔になると、本当のことを隠しながら答えた。
「え!? 怖かった? ごめんねチノン。なんでもないわよ! (ごめんねチノン 少しラミアが気になるのよ)」
「大丈夫だよおお! さて2回戦目頑張ろうね!(やっぱりエンちゃんなんか嘘ついてる。)」
「うん! 頑張りましょ! (まぁまたあとで考えましょ)」
私の言葉に、チノンは1度笑顔になりながら答えてきたが、すぐ目を細め、私の嘘を見抜いてきたが、私は見抜かれたことに気づかず、チノンへとかえした。
そしてそんな私達は、ラミアが柱の影からこちらを、見ながら笑ってることに気付かず、会場へと向かった。
そして私達が会場へとでて、風が少し吹いている試合会場の真ん中までいった途端、1回戦目の比にならないほどの、大きな声で色々な声援が観客から飛んできた。 シキ達も声援してくれたが、先生側を応援してる1人の生徒が、シキ達に被せてきた。
「エンジェラ〜チノン〜頑張れよおお」
「先生チームエンジェラを倒しちゃええ!!」
その声援を私は無言で、少し冷たい表情でただ前をみながら、聞き流していた。私の目線の先にいる、先生達やチノンは手を振り、観客へと返していた。
私は目線の先にいる2人の先生へと、微笑しながら、声をかけた。
「いやあ全く色んな声援が飛びまくってるわねえ ねえ?先生方?ふふっ」
「エンジェラさん私達も見くびらない方が良いですよ?」
私の言葉に、先生達はすぐ真剣な顔になり、こちらを向くと少し圧力を加えながら、答えてきた。
私とチノンはその先生達の圧力を耐え抜き、チノンは真剣な顔になると、私の言葉に、チノンも覆い被せる感じで、先生達へと返した。その私達の言葉とともに、私達の後ろから先生達へ向け、私達の髪を靡かせながら、吹いていった。
「えぇ! 見くびってはいません! ただ勝ちに行くだけだ!! ね? チノン」
「うん! 勝って決勝行くの!」
「では両者揃いましたね。では始め!!」
私達の様子をキョロキョロしながら、見ていた審判の先生が、掛け声をかけつつ試合を始めた。その掛け声に観客が、声をかけながら試合へと集中をした。
そして試合が始まった瞬間、私達はすぐに後に下がり、先生達から距離をとった。それは先生達の攻撃を見極め、簡単に倒す というチノンが初めて私に提案してきた作戦である。
(ホントにチノン成長したわね まさかチノンの作戦で、戦うことになるなんて、夢にも思わなかったたわ)
「いつでも大丈夫ですよ。先生方!」
「私達が攻撃するまで待つ作戦なんでしょ?ふふっそっちから仕掛けてみたら?私達が怖いのかな?チノンさん?エンジェラさん」
私がチノンを片目で見ながら、ある事を考えつつ、先生達へとむけ、話しかけた。そしたら、先生達は少しニヤケながら、問いかけてきた。
それを聞いた私は、ため息をし、チノンは驚きながら頭である事を思いながら、たどたどしく先生達へと答えた。
(え?嘘!?バレちゃったの?)
「ち、違いますよ汗 い、今から攻撃しようかななんて思ってただけです。」
(チノオオン嘘がバレすぎよおお はぁー仕方ないわね){チノン 作戦変更よ。貴方は敵に攻撃を仕掛けに行きなさい!サポートするわ}
私はチノンのあまりにも、下手な演技に少しため息を出してから、チノンへと近づくと小声で話しかけた。
その様子を先生達は、ドヤ顔してみていたが、私はそれを無視していた。そんな時、チノンが小声で問いかけてきた。
{え?いいの?作戦バレちゃってるよ?}
{ええ バレてるからこその正面突破よ}
私達が小声で、話し合っていたその時だった。先生達が私達へと話しかけてきたのである。
「あら?どうしゃったのおお?早く来たらどうなのお?チ ノ ン さん笑」
「お望み通りいってあげるわ!」
そう言うと私はチノンの背中をおした。
チノンは少し戸惑ってはいたが、すぐに敵へと突っ込んでいった。先生達が、チノンに集中して、視覚から一瞬外れた私は、姿を消した。
その時、相手の1人である先生が、少しニヤケながら、チノンへと話しかけた。
(ふーんチノンってホントに容易いわね。)「私はここよおお チノン」
「はああぁぁあ!!!!(ホントにこれでいいエンちゃん」
その時、チノンは私のことを、少し考えつつも見抜かれていることを知りながら、先生へと攻めに行った。
そんな先生達はチノンのことを見くびり、チノンの攻撃にのみ集中していた、先生は次の瞬間驚きながら、言葉を呟いた。
「え?なぜ私は倒れてるの?」
「だから見くびってはいないと言ってるんですよ先生方 チノンを見くびり過ぎましたね。だからさようなら!」
私は先生方へと話しかけながら、1人の先生を吹き飛ばした。
もう1人の先生は、飛ばされた先生へに呆気を取られてる間に、チノンが無言で倒した。
そして先生チームを下し、私達は決勝へとコマを進めた。
そしてそんな私達を見ていたマメとシキは、喜びながらも、控え室から声を上げていた。
「うおぉぉ!! さすがのエンジェラだぜえ!」
「くぅ〜やっぱり強いかあ!」
そんな2人が呟いた直後だった。
私は観客席の方向をむくと、声の音量を上げて、話し始めたのである。
「歓声の人達聞きなさい!!!」
「え、エンちゃん!?」
「私達は優勝するわ!だから見てなさい!」
私は私の行動に驚いているチノンを無視し、私は観客席を見ながら、指差し話した。
そしたら次の瞬間、観客が今までにないほどのボリュームで湧いたのである。
そして私の様子を控え室で見ていたシキとマメは笑いながら、話していた。
「あはは さすがのエンジェラだな!あの歓声を自分の物にしたぜ。」
「そうみたいだな!うちらも負けてられんな?シキ」
「ああ、行くぞ!マメ」
そしてマメとシキは片手を手を握った状態にしてから、お互いにその手を合わせ、集中を高めていた。その頃ラビスはというと、控え室でハクラを探しながら、ウロウロしていた。
「あれ? ハクラどこなのお? 始まるわよお?」
「ああすまんなラビス! トイレいってたわ!」
ラビスの呼びかけに、ハクラは控え室から観客席側へと通じる通路から、微笑しながら、戻ってきた。
そのハクラの状態に、ラビスは問いかけた。
「余裕そうじゃない! 相手は今回は強豪よ?」
「余裕じゃないさ! 分かってる! でも勝ちに行く! (ふふふ 近くで戦い方を見せてもらうよ。あいつがいってた、ラビスさん)」
そのラビスの問いに、ハクラは外見は、普通だが、内心は少しラビスに対し、笑みを浮かべながら返した。そしてそんなハクラを見つつ、ラビスは笑顔で返した。
「ええいくわよ!」
(さてあの方も無事変身できたし、あとは戦い方を見るだけね。ね?···様)
その頃ラミア?は、観客席の2階の遠くの方で、笑みを浮かべながらある方へ思っていた。
そして2回戦目 第二試合の選手達が、審判の先生の号令により入場を開始した。
「それでは両者入場!!!」
「東側 シキとマメチーム!西側 ラビスチームです!!」
そして入場したと同時に、両者とも睨み合いそして、シキがラビスへと話しかけた。
「よう! さっきは潰す宣言をどうも。」
「あらシキじゃない! 今回は貴方が私の相手かしら?」
「いやあ今回はマメがお前の相手だ!」
シキがラビスの問いかけに答えると、横にいたハクラがシキに話しかけてきた。
「へぇ〜じゃあ僕の相手がシキくんなんだね」
「お、おう。そうなるな! てか君の名前は?」
少し焦りながらのシキの問いかけに、ハクラは軽い自己紹介をした。
「あ、ああ僕はハクラだよ!一応これでも魔法士クラスナンバー2だよ!」
(へぇーナンバー2か 厄介だなあ)
ハクラのことを聞いたシキは、少し警戒した。そしていよいよ審判の号令によって試合が始まろうとしていた。
「さてそれでは両者準備良しと見なし、始めます! では 始め!!」
試合が始まったと同時に、ラビス達よりも先に仕掛けたのはシキとマメチームだった。
「行くぞお!マメ!」
「おう!」
マメはシキの声掛けに頷くと、砂ホコリをだしつつ、地面を蹴ってラビス達へと突進した。シキも同様に向かった。だがそんな2人をラビスは分析しながら見ていた。ハクラはニヤケなが、何かを思っていた。
(へぇー先手必勝と見たってわけね。でもさすがね 普通なら突進すれば隙があるのに、二人ともほとんどない)
(ほう。これがこやつらの戦いか、ふーん面白い!)
先に仕掛けた二人だが、ラビス達の魔法によって簡単に防がれてしまう。そしてそれからというもの、ハクラとシキ、ラビスとマメはお互い1歩も引かずに、均衡していた。その中シキはハクラへと話しかけた。
「さすがナンバー2なだけあるなハクラ! (やばいどんどんと体力を減らされてる)」
「いえいえ 貴方の方こそ強いじゃないですか!(弱いな さすが下等種族だ)」
シキの言葉を聞いたハクラは、ハクラの方ではシキを賞賛しつつも、ハクラ?の方ではシキをかなり下に見ていた。
そしてお互い戦っている時に、マメからシキへと念が飛び交った。
{おい、シキ今のままだとウチらの負けだぞ}
{分かってるよ ただ攻撃が当たらねえんじゃどちらにしろ無理だ}
そしてそんな2人の焦り具合を、ラビスは少しにやけながら、見ていた。
(ふふっ焦ってる焦ってる。そりゃあただ私達の隙をヤろうとしても無駄よ。わざと隙を見せてるんだから。)
(やはり、この少女はなかなかやるな さすがのラミアの選別通りだ)
ただその時ハクラ?はそんなラビスのことを、片目で見ながら、ニヤけていた。
そしてラビスはシキ達へと声かけした。
「どうしたのよシキとマメ 早く来ないとやるわよ」
(くっ調子に乗りやがって!!) 「行ってやるよおぉ!!」
ラビスの言葉に、シキは焦ってるせいか、冷静さに掛けてしまい、ラビスの元へと向かった。
そんなシキをマメがとめようとしたが、止めることができなかったため、マメはシキの援護に向かった。だがそのマメの援護さえも、ラビスの作戦の範囲内だったのである。
「おい! シキ!! 敵の挑発に乗るな! くそっあのバカシキ」
(やはり貴方は追い込まれると調子に乗りやすいわね!)
「シキくんマメくん貴方達の負けよ!」
次の瞬間、シキの前からとマメの後から炎の波が迫り、二人は飲み込まれた。
そしてその炎の横へと2人はでたが、疲れか倒れてしまった。そして炎の影響か、服は少し焼けて、髪も少し焼けていた。そしてマメは床に倒れたまま呟いた。
「くそっ後ろからの攻撃は予想出来てなかったわ。」
「ゲホゲホ すまねえマメ」
そんなマメに対し、シキは少し咳込みながら、返した。するとマメは呆れながら、空を見つつシキへと返答した。
「ホントにもうお前とは組みたくないぜ」
「それは俺も同じだ。だが楽しかっただろ?」
「ま、まぁ少しはな。」
「ニシシッ」
二人が倒れながらも楽しく話していると、シキ達の横へとラビスが迫りながら、話し掛けた。
「やっぱり変わらないわね。シキとマメ! でも楽しかったわ! お疲れ様!」
「全く相変わらず強いなラビスは! 決勝頑張れよ 相手は··」
そんなラビスの方にしきは顔を向け、話しかけた。そして最後の言葉を言い切る前にラビスが、シキへとニヤケながら返した。
「ええ分かってる。必ず勝つわ!」
「おお怖い怖い。まぁお疲れ様〜うちらは引かせてもらうぜ!」
そんなラビスを見たシキ達は、少し苦笑しつつも、返した。するとラビスは、別れをいうとハクラをつれてその場から立ち去っていった。
その時ラビスに魔の手が忍び寄っているとも知らずに·····
「ええまたね!ハクラ行きましょ!」
「ああ」
ラビスを見送ってから、シキ達もその場から立ち去ったのである。
「ほらマメ行くぞ!」
「はいはい」
そして二試合目は、結果的にラビスチームが勝ち、ついに決勝戦が行われるのであった。そしてその時ラミア?は、心の中で、笑いながら思っていた。
(ふふっさぁ決勝戦がどんな惨事になる事やら ふふふあはははは)




