14話 サバイバルバトル 中編
私がルールを聞きに真ん中へと、集まっていた時、ラミアが私達の方へと歩いてきた。
そしてラミアは私達の近くで止まると、私に話しかけてきたのである。
「あ、忘れていたけど、私はエンジェラちゃんの相手になる先生チームに出るから宜しくね!」
「へぇーそうなんですか。だったら本気でやっても問題なさそうですね!ふふっ」
「あらこわいわねえ。私も本気で行くわよ!」
まだ試合が始まってもいないのに、笑いながら睨み合うラミアと私に、上の方にいる観客とその場にいた数名がひいてはいたが、試合には出ないが審判をしてくれる先生から、試合のルールが発表される時には睨み合わなくなっていた。
「さて試合のルールを発表します!勝敗の条件は相手のチームの二人をダウンさせたら勝ちとします!そして先生チームは魔法と剣どちらでも構いませんが、魔法士クラスは魔法のみ、剣士クラスは剣のみで戦ってもらいます!ただし先生チームはどちらも使える代わりに、ハンデとして威力半減する魔法をかけさせてもらいます。さて以上となりますが、宜しいでしょうか?」
ルールが発表された瞬間、ラミアが私の方を見ると、ニヤケながら話しかけてきた。
「OK!勝たせてもらうわよエンジェラちゃん」
「OKです!私も負けませんよ!ね?チノン」
「うん!必ず勝つ!」
そして私とチノンも、ラミアへ向けて笑顔になりながら、答えた。
「よしでは第1試合 ラミア先生チームvsエンジェラチームのバトルを始めます!」
私とチノンのペアと、ラミアが睨み合う中、審判の先生から、試合順番が発表されると、他の選手は控え室や、観客へと散らばり、私達とラミア達も、立ち位置へと移動しあうのである。
そして私達とラミア達が、立ち位置へと移動すると、お互い向き合い、チノンは低姿勢で後ろに刃を向けるように片手のみ武器を構え、私は立ってる状態で、体のすぐ手前に武器を構え、ラミア達は杖を前へと立て、構えた。
そしてそんな私達とラミア達を見た、審判の先生は、大声で観客へと向かって声を発した。
「ではお互い準備良しと認めたので、これより始めます! 」
(ふふっひとまずエンジェラちゃんは抑えるとして、相方にはチノンを早急に狙って貰おうかしらね!)
審判の先生の言葉が、観客へと響き湧く中、ラミアは頭の中で、笑いながら作戦を考えていた。そして念で、それを相方の先生へとラミアは伝えると、その先生は無言で頷いた。
だが、エンジェラ達も頭の中で、考えつつまだ少ししか使えないが、念で会話しあっていた。
(多分チノンが先に狙われるわね!)〔チノン多分そちらに先に攻撃が行くわ!用意しときなさい〕
〔うん!分かった〕
私達がお互い意思疎通できたその時、審判の先生から大声で試合の開始の合図がかかったのである。
「ではスタアアアートオオオオ」
審判の先生の合図と同時に、私は砂ぼこりが舞うぐらいに床を蹴ると、ラミアへと走り込むと上から下へと、ラミアへ向け、声を出しながら斬撃を飛ばした。
「はぁああ!せいや!」
「相変わらずのいい太刀筋ね!でも舐めてもらっちゃ困るわ!」
しかしラミアは私の斬撃を、笑顔になりながら簡単に魔法で、硬くした杖で弾いて見せた。
そして私へと笑顔のまま、軽めの魔法を撃ちながら、答えてきた。
「舐めてなんかいませんよ。でも多分貴方は負けますよ!センセイ!!」
私はラミアが放ってきた魔法を、剣で打ち消すと、勢いで魔法が煙へと変わってしまった。そして煙が晴れたと同時に、私は笑顔でラミアへと答えながら、ある方向を指さした。ラミアは私へ答えつつ、私が指さした方向を向くと、驚きな目をして、言葉を失ってしまった。
「へぇー言うじゃないって え?」
「ぎゃああああ」
私はそんな、ラミアを見ながら少し微笑していた。そのラミアの視線の先では、相方だった先生がチノンによって、声をあげながら、ダウンさせられていたのである。
私はラミアから、視点を離さず武器を構えたまま、チノンへと喜びが感じれられる声で、声をかけた。
「よくやったわ!チノン!」
「えっへん!頑張ったよおお!エンちゃんも頑張ってねえ!」
チノンは、私へとピースを出しながら笑顔で答えてきた。私はそれを片目でチラりと見ると、少し微笑してしまった。だが、そんな時にいつの間にか落ち着いていたラミアが、杖を構え私へと話しかけてきた。
「さすがにチノンの強さを見くびってたみたいね 少し舐めてたことは認めるわ!でもねまだ私は負けないわ!」
「さすがに良い構えですね先生。でもね先生はまだ見くびってますよ!!」
そう言うと私は構えを解き、ラミアに近付いていった。
そしてそれを観客席の上の方から見ていたシキとマメとラピスは、真顔で試合を見ながら、呟いていた。
「もう決まったな。」
「そのようね。」
「そうだな。だって···」
「え?」
ラビス達が呟いた直後だった。ラミアは声をあげながら、驚いていた。自分が飛んでたことに自覚出来ていなかったからである。仕方ないのかもしれない。いつ斬られたのかも分からないぐらいの、速さで腹に傷を付けられ、私に足蹴りで空中へと飛ばされたのだから。
私はそんなラミアを、下から見上げる感じで見ていて、そのラミアへと声をかけた。
「先生はもう私が斬りました。あなたの負けです!」
「え?いつの間に。。。。グハッ」
そしてラミアは空中で声を発した途端、口から軽く血を吐き、床へと落下してから倒れ、私のチームが勝利したのである。
だがその時、私は腑に落ちいていなかった。
(斬ったはずなのに手応えがなさすぎる。なんでだろう?)
「さすがのエンちゃんだね!私達の勝ちだよ!」
私が少し考えてることもいざ知らず、チノンが私へと駆け寄って来て声をかけてきたのである。
私はそんなチノンの、言葉を聞いた瞬間、考えるのをやめ、チノンへと答えた。
「そうね!さて次の試合が、始まるから外に出ましょうか!」
(まぁいいわよね。気のせいと思いましょう。)
その異変に私は追及するべきだと後ほど後悔することにはなるが、それは当分先の話。
そして私達の試合が終わったと同時に、審判の先生が観客へと向け、大きな声を発したのである。
「さて一試合目は見事にエンジェラチームの勝利でしたが、二試合目はぜひ先生チームに勝って欲しいものです!では第二試合目スタート!!」
そして私達はそこから移動をし、ラミア達が自分達で、傷を癒すと外へと出ていった。そして2試合目の選手達が、真ん中へと集まっていたのである。
そしてその二試合目では、審判である先生達への応援が届いたのか、先生チームがギリギリで勝ちをもぎ取った。
「さて見事に二試合目は先生チームが勝利しました。では第三試合目の二チーム準備してください!」
2試合目が終わった瞬間、審判の先生から少し元気な声で、3試合目のシキとマメ達と、相手の2人へと準備するよう、声がかかったため、控え室にいた私は、試合会場へと行こうとしていたシキとマメへと声をかけたのである。
「シキとマメ頑張りなさいよ?決勝まで勝たなきゃ許さないわよ」
「シキくんとマメくん頑張ってねえ〜」
私の背後にいた、チノンも割って入ってきて、シキ達へと応援した。そんな私達の応援に、シキとマメは少し呆れながら、試合会場へと歩きだし、手をグーにして上へと掲げながら、真剣な表情で答えてきた。
「エンジェラよ。まだ分からんだろうが、まぁ頑張るさ!」
「頑張ってくるわあ」
「では第三試合目 シキチームvs魔法士クラスの対決です!レッツスタート!!」
そしてシキ達と、相手の2人が試合会場の中央で向かいあうと、審判の先生から合図がかかったのである。その頃、私達は試合が始まる前に、観客席の一番上の所へと、向かっていた。反対側の観客席の所には、ラビスともう1人がいたが、私達はその時は気づいてはいなかった。
そしてシキとマメのことを知ってる人達はシキ達の勝ちを予測していたが、シキとマメの相性があんまし合わず、軽い言葉ゲンカを最初は行っていたが、少しずつ噛み合ってきた時、シキがマメへと言葉を飛ばした。
「くそっおい!マメそちらは任せても良いか?」
「仕方ないね 今回はシキの言葉に従おう!」
そしてずっと苦戦状態だった試合が動き、シキとマメがなんとか勝利したのである。そしてそんな2人は、試合会場を控え室へ向け、ゆっくり歩きながら、お互い顔を合わさず話し合っていた。
「全くもうこの大会以後は組みたくないぜ!」
「俺もだ!だが次の試合もある。次もシキに従うよ!」
「お、おう!」
マメの意外な言葉に、シキは驚きつつ、焦る感じで返してしまった。それにマメは軽く不満な感じでシキへと返した。
「なんだ?その心抜けた返しは?」
「いやまさかマメからそんな言葉が来るとは思っても見なかったからよ!」
シキは少し大きめな声で、マメへと返した。それにマメは少し恥ずかしそうになり、焦る感じで答えた。
「俺だって試合には負けたくないからね。仕方なくです!」
そんなマメとシキが控え室へと、向かいながら話していると、そこには私とチノンは、いつの間にか観客席から、控え室の入り口まで降りてきており、シキとマメの話し合いを、ニヤニヤしながら、見ていた。それに気づいたマメが、私達へと少し不満な感じで話しかけてきた。
「な、なんだよジェラとチノン」
「いやあ初めてマメのその顔が見れたなあってね?チノン」
「うんうん!マメくんもそんな顔するんだね
え!」
私達は、少しニヤケながらマメへと返した。するとマメは私達に背を向け、さっきまでいた試合会場を見ると、3人へと答えた。
「あ、ほら次の試合が始まりますよ。」
(逃げたな)
(逃げたわね)
(逃げたねえ)
マメの反応に、私とチノンとシキは、少しニヤケながらある事を思っていた。そして少ししてから、私達はラビスのチームの試合を、見ようと思ったので、マメの横へと行き試合会場の中央を見た瞬間に、見学してた人達から歓声が起きた。私はいきなりのその、歓声に周囲を見ながら、つい声を出してしまった。
「え?何?」
「エンジェラあれを見ろよ!」
そんな私に、シキは中央を見るようにと、指差しで言われたため、中央を見た瞬間、私は衝撃の光景を見てしまったため、またも声が出てしまった。
「え?ええ!?まだ始まったばかりよね?」
「ああ 早すぎる··」
私の言葉に、シキも少し驚きつつ、唾を飲みながらかえした。マメとチノンは、衝撃の光景に、言葉が出なかったのか、ずっと無言でいた。
ではなぜ、私達は驚いてしまったのか?それはラビスのチームはスタートと同時に、魔法で相手をダウンさせ、勝利したからである。そしてラビスチームがこちらへと向かってきて、私達の間近まで迫ると、私達に向け少し笑顔で話しかけてきた。
「あら相変わらずの集まりね!でも待ってなさい。特にシキとマメは先に潰してあげるわ。ふふっ」
「へぇー相変わらずの怖さねラビス」
ラビスの言葉に、シキとマメは少し顔を引き攣らせていたが、私はラビスへ向け、目は笑わず、口だけ笑顔になりながら、答えた。
私のそんな表情に対し、ラビスも同じ表情になりながら、話しかけてきた。
「それを言うならあなただってそうじゃない?エンジェラ」
「あらそれはどうも!あなたとの死闘楽しみにしてるわ!」
「ええ待ってなさい!それじゃぁ」
私は表情を変えず、答えると、ラビスは私へ向けある言葉を言い残し、控え室へと去っていった。その時、ラビスの心のひび割れが少し大きくなっていたのを、本人さえも知らずにいた。
そして私は去ってゆくラビスを見ながら、マメとシキの方をむくことなく、忠告した。
「シキとマメ気をつけなさい。ラビスは本気よ。」
「ああ。さっきの感じで分かった。あれはやばいな」
「確かにな。勝てるかも分からないな·」
シキとマメは私の言葉に、真剣な表情になりつつ、答えてきた。そんな私達に、チノンは少し落ち込みながら、ただ無言でいた。
そして私はある言葉を、少し心配する感じで、言い残しながら、チノンへと声をかけ、歩き出した。
「まぁ頑張りなさい。それじゃぁいくわよ!チノン」
「あ、う、うん!それじゃぁね二人とも!」
私の言葉に、チノンは少し焦りながら、シキとマメへと手を振り、私の後を追っかけてきた。
シキとマメはそんな私達を、無言で見送っていた。
そして第2回戦目が始まるのであった。




