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とうとう俺も異世界転移

異世界転移もの始めました。

皆さんよろしくお願いいたします。


注)

鬱展開あっても短め。


ストレスフリーでいきたいと思います。


 気が付くと、そこは異世界だった。

 目の前にいる緑の体色をした醜い顔面の小人。

 ファンタジーでお馴染みのゴブリンが、その現実を俺に突きつける。

 

彼の手には俺の太ももぐらいはありそうな太い棍棒。

 あれで殴られれば、骨くらい簡単に折れてしまうだろう。

 俺をじっとにらみつけ、獲物を狩るのを楽しむ様に嗜虐的に笑っている。

 あぁ、もっと考えて行動していれば……。

 俺の背中につーと汗が流れていくのを感じながら、俺は少し前の自分を呪った。

 






 ずっと家に籠りきりだった俺は、ふと久しぶりに外に出ようと思い立った。

 理由は色々あったけれど、今はとりあえず置いておく。

 玄関に下り、ドアのノブを回して外に出てみると、その景色がガラリと変わっていた。

 不思議に思い振り返ると、そこにはさっきまで居たはずの家は無し。

 辺りには鬱蒼と茂る森が広がっていたんだ。。


 これには俺もかなり焦った。

 頑張って家を飛び出したのに、気づけばそこは知らない森だ。

 とりあえずここはどこなんだろうとうろうろしていると、茂みからガサガサと音が聞こえる。

 人かな? と思い迂闊にも足を踏み入れると、そこでアイツと出会ったという訳だ。


 二度見しましたよ。えぇそれはもう盛大に。

 知らない場所に飛ばされて、そうじゃないかなと薄々は期待してたけど、まさか本当にファンタジーと出会うことになろうとは。

 俺だけではなく、アイツも俺のことを二度見したのはおかしかったけどね。


 いやそんなことを言っている場合じゃない。

 このままでは俺は殺されてしまう。

 どうにか打開策を考えなければ。

 こういう時、どうするべきなんだろうか。

 

1、穏便に解決

2、戦う

3、逃げる

 

 うーむ。

 俺としては是非1を選びたい所だけれど……論外だな。

 奴は俺の方をじっと睨みつけて、じりじりとにじり寄ってきている。

 こりゃ3の逃げる一択かなぁ。


 2は無いな。

 こちとら5年間家に引きこもっていたただのおっさんだ。

 いのちだいじにで行かせてもらいます。

 それにさっきからなんだか気分も悪いしね。


 と言う訳で早速逃げよう。

 しかしどこに逃げたらいいんだろう。

 というか俺は彼から逃げれるんだろうか?


 まぁ何事もやってみなきゃ分からんよね。

 5年間何もしてこなかった俺の言えたセリフじゃないけれど。


 よし、じゃぁ早速逃げるとしよう。

 右だ。

 俺から向かって右に逃げよう。

 

 心に念じながら俺は左足を右に出そうとする。

 だけれど長年の引きこもり生活の影響か、出した足が右足にひっかかって盛大に転んでしまった。

 

 倒れる俺。

 

 見つめる奴。


 奴の目にも心なしか憐みの様な感情が見えるような気がした。

 くそ! そんな目で俺を見るんじゃねぇ!!


 俺の心意気が伝わったのか、奴が再び敵対モードに切り替わってにじり寄ってくる。


「ひ、ひ~~」


 あぁ、俺の人生これで終わりかぁ。

 なんて頭抱えて最後の時を待ってたんだけれど、一向に俺の終わりは来なかった。


 ……あれ?


 俺が恐る恐る頭を上げると、そこには首をちょん切られて倒れている彼の姿。


 OH……


 こういったことに耐性の無い俺は、思わず込み上げてきたものを辺りにぶちまけてしまう。

 異世界に来て早速これとはなかなかハードなスタートだ。

 しかし俺が一人で嗚咽を漏らしていると、一人の女性が声をかけてきた。


「0e80riepf kfppi pfifg@ @pigofa-39r?」


 懸命に何かを伝えようとするその女性。

 しかし何を言っているのかさっぱり分からない。


 だが、彼女が一生懸命話しかけてくる姿に、俺は思わず見惚れてしまった。

 燃えるような赤髪に、使い込まれた赤茶色の革鎧。

 背中には体の大きさと変わらない程の巨大な大剣。

 そしてなにより、彼女のこちらを射抜くような強い意志をもった瞳と、その整った顔立ちに、俺は惹きこまれてしまったのだ。


 こんな女性と付き合ってみたいなぁ。


 俺はさっきまで命の危機に瀕していたことも忘れ、呑気にもそんな事を考えていた。




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