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グラビティ コントローラー  作者: ぴっぴ
第1章 王立学園編
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第9話 Cクラス

 中間試験が終わった後の発表で俺はCクラスへと上がった、2回級特進は素晴らしい成果だった。発表の後俺はCクラスの宿舎に引っ越して普通の生活って奴を満喫している。


「うお~すげ~、朝飯にオカズが付いてる!」


 Cクラスの朝食は豪華だった、スープに浸さなくても食べられるパン。肉片の入ったスープ。それにオカズ。どんだけ貴族的な朝飯なんだと思いながら俺は感動しながら食べていた。でも周りは普通に食べていたな、もしかしたらこれが普通なのかな?


 そして午前中の講義に行って驚いた、教室には椅子と机が有ったのだ。それも人数分。Eクラスは床に直に座っておっさんが喋っていただけだった。そして一番驚いたのは講師がタメになる事を話していた。Eクラスの講師は昔話をするオッサンしか居なかったのにな。

 だから俺は毎日講義を受けた、自分の為になりそうだから。そして午後からは戦闘訓練を真面目に受けた。絶対に休んだりサボったりしなかった。戦闘教官が戦い方を教えてくれたからだ、そして俺は学園が休みの日だけオーク狩りに出かける事にした。普通に飯が食えるので焦って金を稼ぐ必要も無かったから。

 そう言えばクラスや寮の人間とは話をした事が無かった、なにせ元はEクラスの落ちこぼれなので無視されていた様だ。でもこの学園では周りが全部ライバルなので当然って思っていた。俺が話すのは暴力姫と今はDクラスになった拳闘士だけだった。試合のあとEクラスからたった2名昇格したお祝いに2人で飯を食いに行ったのだ、相手は金を持っていなかったので俺が奢ってやったら喜んでいたな。


「あら、お久しぶり」


「?・・ああ、あの時はありがとうございました」


 足の骨折を治してくれたBクラスの治療師に昼休みに偶然会った。この人には恩が有るので俺は愛想良くするのだ。まだ借りを返してないからな。


「ハワードをやっつけたそうですね」


「いや~、まぐれです」


 その後色々聞いて見たらハワードはあの後Cクラスへの降格が決まって学園を辞めたそうだ。まあ確かにEクラスの魔道士に大剣使いが大剣で負けたら学園には居られないだろうとは思う。それに心を完全に折ってやったから死の恐怖に負けたのだろうな、俺みたいに何度も死にかけた人間と貴族のボンボンとは根性が始めから違うのだ。死ぬのが怖ければ剣等持たなければいい話だ。


 可愛いシスターと話が出来て俺はご機嫌な気分で午後の戦闘訓練へと向かう。今日は剣技を教えてもらうのだ。そしてチョット変わった戦闘教官なのだ。何が変わっているかと言うと女性なのだ、戦闘教官にも女性は居るが魔道士やシスターであって剣の戦闘教官はこの女性だけだった。そして使ってる武器がレイピアなのもこの教官だけだった。


「Cクラス集合!」


 教官の号令で俺達Cクラスの全員は綺麗に整列する。俺達Cクラスは取り立てて優秀という訳でもなく無能でもない微妙なクラスなのだ。AクラスやBクラスは癖のある生徒が多かったが俺達のクラスは癖が無い大人しい生徒が多かった。だから俺達のクラスは素直に教官の教えを守る生徒ばかりだった。


「よ~し、2人ひと組で訓練開始。5分ごとに相手を入れ替えて戦え!」


 戦闘訓練は最初は剣、次に槍と時間毎に決まっている。俺は魔道士だが職種に関係なく全種類の武器の使い方を教えられてゆく。全ての武器の特性を知るためなのだそうだ、武器の特性を知っていると戦いやすくなるのだそうだ。つまり俺達は魔道士でも一応武器を持って戦えるのだ。この学園の卒業生が優秀と言われる所以だな。

 そして俺は弓と大剣以外の訓練ではボコボコにやられていた、俺の能力が生かせないからしょうがない事だが少し悔しかった。普通の件や槍が軽くなってもスキル持ちの攻撃の方が早いのだ。大剣だけは軽くすると俺の方が速かったってだけだった。


「コウ。こっちへ来い!訓練をしてやろう」


「ありがとうございます教官」


 訓練の仕上げは教官が直接相手をしてくれる。レイピアを使う教官はとても素早い攻撃をする現役のBクラスの冒険者なのだ。そして大剣を振り回してもスピードで負けて、弓で攻撃をしても簡単に躱されて俺は何時も簡単にボコボコにされて終わりなのだ。


「ありがとうございました、教官!」


「うむ、大剣を振り回すのは良いが、当たらなければ意味はないぞ。弓もそうだがな」


「はい。教官殿。質問して宜しいでしょうか?」


「良いぞ、何だ?」


「教官殿は何故威力のないレイピアをお使いなのでしょうか?」


「簡単な事だ、私は力が弱いから大剣なぞ振り回せんからだ」


 戦闘教官は確かに細っそりして小柄だった、だが小柄故に動きが早く攻撃が当たりにくかった。そして教官は俺に急所について話をしてくれた。


 人間でも魔物でも急所と言うものがあってそこを攻撃すれば死ぬって事だった。レイピアは威力が無いようだが実は使い方次第でフルアーマーの騎士にも勝てるって話だった。


「教官殿、フルアーマーの騎士は普通の剣や槍は跳ね返すと思うのですが?」


「ふふふ、鎧の無い所を狙えば良いのだ。例えばフルフェイスでも見る所は穴が開いているだろ?」


「そりゃあ空いてます、見えないと戦えませんから」


「その穴からレイピアで相手の目を狙い脳を破壊するのだ。相手は即死だ」


「へ~、そんなやり方がるのですか・・」


「人間もドラゴンも脳を壊せば両方死ぬのだ、相手の構造を知ると効率よく壊せるぞ」


「ありがとうございました教官殿!」


 それまで俺は何となくオークの頭や胸を狙っていたが、その奥の脳や心臓を攻撃しているという考えは無かった。それから俺は毎日図書館に行き解剖の勉強を始めた。最初は難しかったが体の中身について色々な知識を得ることが出来た。なんだか少し賢くなった気がしたもんだ。


 そしてそこで学んだ事は脳はとても柔らかくて破壊しやすいって事だ、弱い器官だから硬い骨の中に有って守られてるって事を学んだのだ。それは心臓も同じ理屈で弱くて重要なので体の奥にあり骨で囲まれているって事だった。つまり俺は人間や魔物の効率的な攻撃の仕方を学んだのだ。

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