表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グラビティ コントローラー  作者: ぴっぴ
第1章 王立学園編
4/12

第4話 成長

 次に日、俺は足を引きずりながら食堂へ行った。誰も俺を心配したりはしない。当たり前だ俺はEクラスの落ちこぼれで親無しだからな。もちろん俺も学校の誰が死んでも気にしない、どうでも良いからな、いやライバルが減って嬉しいかも知れないな。


 Eクラス用の硬いパンと野菜のクズが入ってるスープを食べて教室へ、3流のゴミ教師の下らない講義を聞いて午前中を過ごした。そいて午後からは何時もの様に森の傍の川に行った。足を引きずって歩くのも大分慣れた様だ。足は結構腫れていたが変な方向に向いてないから多分大丈夫だろう。

 その日は何時もとは比べ物にならない程魚が釣れた、なにせ俺の能力を使えば好きな所に餌を投げられるのだ、何時もは届かない場所にも餌を投げられたし、大きな魚が掛かっても魚を軽くすれば糸も切られないのだ。同時に俺の体を軽くして魔力を極限まで使って訓練した。スキルは使うほど進化し強化されるし、魔力量は成長するって話を聞いていたのだ。


「あら、今日は大漁じゃない」


「まあな」


 俺が魚を焼いていると何時ものタカリ勇者がやって来た。俺の魚を取りに来たのだ。金持ちのAクラスの癖に貧乏な俺の魚を取って喜んでる性悪の小娘だ。


「魚よこしなさいよ、レベルアップに付き合ってあげるから」


「魚はやる、レベルアップは足が折れてるから無理だな」


「足が折れた?何でよ?」


「昨日崖から落ちてな・・」


「ふ~ん」


 俺の魚を2匹食って満足したのか、女は森に入っていった。何時か必ずあいつを殺そうと俺は思った。しかし今は無理だ俺は弱いからな。だがいつの日かAクラス最強と言われる勇者をズタズタに引き裂いて笑ってやるのだ。そして俺は魔力が無くなるまでその場で訓練した。

1週間程足を引きずって学園内をウロウロしていたら、Bクラスの女に呼び止められた。


「脚どうしたの?」


「崖から落ちて折れたんだ」


「痛くないの?」


「そりゃあ痛いさ、俺だって馬鹿じゃないからな」


「ヒール!」


 その親切な女は俺に回復魔法を掛けてくれた。協会所属の僧侶で回復魔法のスキル持ちなのだそうだ。何故学園の保健室に行かなかったのかと聞かれた。俺は行ったがEクラスなので無視されたって言ったら信じられない様な顔をしていた。だからこの学園では人間扱いされるのはCクラスからって事を教えてやった。Eクラスはゴミ扱いって初めて知ったらしい。まあ世の中なんてそんなもんだ、エリート様には分からない事だからな。


「ありがとう、この恩は必ず返すよ。俺に出来ることが有ったら言ってくれ。まあEクラスだから魚釣位しか上手く出来ないけどな」


「気をつけて下さいね」


 この学園にも親切な人間がいてびっくりした、あの人が困ってたら助けてやろうと思う。ほかの連中が困ってたら無視するけどな。自由に動ける様になった俺は図書館に入り浸り自分のスキルについて調べたがやはり無かった。これはレアなスキルなのか若しくは持ち主が秘密にしてるのかどちらかだ。勿論俺も誰にも教えない。スキルがバレると対策を練られるので自分が不利になるのだ、敵には何も教えないのは学園の基本だった。


 俺のスキルは発動しても誰にもばれないので講義中も体を重くしたり軽くしたりしてスキルを磨いていたらその甲斐が有ったのか僅か1週間でスキルのランクが3つも上がって魔力量も増えてきた。俺のランクはモンスターを倒してないので已然として一桁の雑魚だがスキルは着実に上がっているのだ。そして今日は新しい攻撃を試す日だ。


「お~!!!すげ~!!」


 俺が放った矢がすごい速度で木に刺さった。普通の矢は弓なりって言葉の通りに山なりに飛ぶのだが俺の重さのない矢は一直線に飛ぶのだ。自作の玩具の様な弓から放たれた矢でも強弓並の威力が有った。そして30メートルを超えると勢いを無くし地面に刺さるのだった。つまり俺のスキルの範囲は30メートルって事だ。

 そしてそれから1週間立ってスキルレベルが又上がってレベル5になった。そして弓の射程が50メートルに伸びた。俺のスキルの攻撃範囲が50メートルになったって事だ。


「さて行くか」


 弓の攻撃に自身を持った俺は森に入る様になった。ゴブリンやオークを見つけて狩るためだ。魚を売っても大した金にならないがゴブリンやオークの魔石は金になるのだ。それに狩れば狩るほど経験値がたまり自分のレベルが上がるのだ。今は一桁レベルだが、直ぐに自分の年位には上がって人並みになるはずだ、いや人並み以上になってやる。目標は勇者のレベル30だ。


 毎日ゴブリンを狩っていたらある日オークが現れた、何時もの様に弓を引いて放ったが威力不足で倒すのに5本も矢を使ってしまった。今のままではオークを狩るのは難しいので貯めていた金を持って矢を買いに行った。今までより太くて重い矢だ、ついでに自作の弓をやめて市販の弓に変えた。有り金全てを5本の矢と弓に変えた俺は又森の中へ入る。今回の矢の威力は凄まじくオークの背中から矢尻が飛び出す程の威力だった。ゴブリンからオークに狩りの対象を変えた俺は1週間で2ランク上がりレベル10になった。待望の2桁レベルだ。


「さて、また矢の威力をあげるかな。金も溜まったしな」


 自分のレベルが上がることにより筋力が強化されてきた俺はオーク位なら矢1本で倒す事が出来た。だが俺はこんなものじゃ納得しない、俺のスキルはこんなもんじゃ無いはずだ。俺はもっと上を目指すのだ、そして全ての人間を見下してやるのだ。

 そしてオーク狩りで稼いだ金で買ったのが金属製の矢だ、これは元々金属製の強弓用に作られた矢で大型の魔獣に使う奴なのだ。これを使える冒険者はクラスで言えばBクラス以上の弓スキル持ちにしか使えない奴だったが俺は構わず買った、使う人間が居ないので安かったからだ。これの威力は凄まじくオークの体を簡単に貫通する程だった。この矢を買った俺はこの森では無敵の状態になったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ