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過去編 機械皇帝アンドロイド・ナオト

2069年8月、日本、東京都千代田区、旧皇居で国ノ宮は皇居内の木に囲まれた外のテラスで椅子に座り、コーヒーを飲みながら音楽を聞いていた。

「陛下、おくつろぎの所、申し訳ありません。」

スキンヘッドの中年のアンドロイドはスピーカーから流れるクラシック音楽を鑑賞している国ノ宮にかしづきながら話しかけた。

「何だ?人が楽しんでいる時に?」

国ノ宮はスキンヘッドの男に向かって言った。

「シアトルの壁の外で待機中のシアトル攻略部隊から出撃準備が完了したとの報告がありました。」

「そうか。では午後1時より空中からシアトル襲撃を開始するようにと司令しておきなさい。」

国ノ宮は面倒くさそうにスキンヘッドの男に言った。

「了解しました。・・・・それとももう一つご報告が。種子島の研究所から例のレベル9アンドロイドが約一年後に完成予定との報告がありました。」

「そうか、一年か。早くコータの奴に彼女と会わせてやりたいものだ。」

国ノ宮は先程のスキンヘッドの男の報告を聞いた時のような退屈そうな表情とは打って変わって、悪意のこもった笑みとスキンヘッドの男に気づかせないような美しい微笑をした。

「恐れ多くもお聞きしたいのですが、陛下とその機野コータなる人物はどのようなご関係なのですか??」

スキンヘッドの男は国ノ宮にへりくだりながら質問した。

「コレキヨ、お前にはまだ話していなかったか。産まれてからまだ半年経っていないのだったな。そうだな、側近として開発した以上は話しておく必要があるかもな。」

国ノ宮は自分にかしづくスキンヘッドの男、コレキヨを上から見ながら言った。

「そうだな、ある意味兄弟かもしれないな。作った親が同じという意味では。」

「それは・・・黒岩ルイコウ博士のことでございますか??」

「そうだ。私が1年前、父、ルイコウを殺した時に父は自分の研究データを全て焼却してしまってね。父の研究データはもう1つもこの世には残っていない。彼、機野コータという研究データ以外はね。我々の計画には黒岩ルイコウの唯一の遺産である機野コータが必要なんだ。」





ーーーーーーーーーコータのシアトル市到着の二年前、2068年8月10日、日本、東京都新宿区、日本アンドロイド対策基地、ヒノマルタワー

そこは日本政府軍とアンドロイド軍の一年に渡る戦争の最後の決戦の舞台となった。

ヒノマルタワー、日本政府がアンドロイド対策のために建造した最重要拠点、タワーそのものに大量の防衛兵器が装備され、仮にタワー内部で政府が重要会議をしている最中にアンドロイドの襲撃が起きても万全の対策がなされている。

日本軍の持てる技術を余すことなく用いて作られた拠点。三日前黒岩ルイコウ博士が殺害されたという情報を受けて、この日今後の日本全体のアンドロイド対策の会議をするために、総理大臣も含めた日本の全ての要人がこのタワーに集結していた。

「黒岩ルイコウ博士が殺害されてしまった以上、ルイコウ博士直々の弟子達を我等日本軍の開発局の長官として招き入れる他、アンドロイドどもに勝利する方法はないのでは??」

「しかしルイコウ博士の弟子達は所在が不明だと聞いています。その国内のどこかにいる弟子達を探し出すことに労力を使うくらいならアメリカ等の軍事同盟国以外の中国、ロシア等の高い技術力を持った国々から軍事支援を求める方が先決では??」

「亜武総理大臣、ご意見を聞かせて下さい。」

タワー内部の国会で、国会議員達はそれぞれのアンドロイド対策の意見を出し合っていた。

「テレビの前の皆様、只今新宿、ヒノマルタワー内部、国会議事堂で生中継でお送りしております。ご覧ください。今日本の全要人を招き入れた、日本の命運を決める会議が執り行われております!」

テレビ局のレポーターがカメラに向かって、ヒノマルタワー内部の状況をテレビの前の全国民に説明していた。



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