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そんな風に月日が流れていくうちに、いつのまにかヒヨコの身体は大きくなっていました。
……コケッ、コケッ、コケコッコー。
ヒヨコはある日、声変わりをしました。また、その容姿も様変わりしています。頭には鶏冠と呼ばれるものもありました。それはもう、立派なニワトリへと成長した証です。
けれどもニワトリには一つだけ、今でも変わっていないことがありました。
それは、ニワトリはいつも、ロボットのそばを離れなかったということです。
ニワトリは今日もロボットの後を追いかけていきます。
その短い両足で、ロボットの背中を見失わないようにとニワトリは必死で歩いています。
ロボットが手で追い払おうとしても、ニワトリはめげずに後をついていきました。
ロボットが立ち止まり、後ろを振り向くと、ニワトリは「コケッ」と一鳴きして、足を止めました。ロボットが何も言わずに前を向いて再び歩きだすと、ニワトリもまた静かに後を追いかけていきます。
その気配に気づいたのか、ロボットがまた立ち止まります。振り返ってみると、ニワトリもまた「コケッ」と鳴いて、足を止めていました。
どうやらニワトリは『だるまさんがころんだ』をして遊んでいたようですが、ロボットはそのことに全然気づいていないようでした。