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くだらない言動

「ねぇ、なんで、あんな男が好きなの?」


もう何十回目かになるその問いかけ。


友人達がそう聞いてくる。


私が、彼の事を好きなのが、どうしても理解できないのだろう。


それこそ、暴走してまでも。


だけど


「それは秘密。私だけの大切な思い出だから」


教えてあげない。


本当の彼を知ろうともしない人に教えるなんてもったいなさすぎる。


そりゃ、彼は大して頭がいいわけじゃない。


容姿だって、平均並だし、運動神経も並だし、家も平凡のサラリーマン家庭。


目立つ要因はない。


いや、最近は、私に感化されたせいか、すこし壊れ気味だけれど。


この前も、壊れたような笑い声を上げてたみたいだし。


それを思うと、本当に申し訳ないと思う。


彼の心はそんなに強くない。


理由は分からないけどそう思う。


なのに、周りからはやっかみを受け、私からはしつこい、それこそストーカーや性犯罪者と変わらない事をされたら、そうなってもしかたない。


だけど、そんな事が分かっていても止められない。


それどころか、どんどん想いは強くなっていく。


今では、少しでも離れると耐えられないほど寂しくなる。


「それじゃ、私は都君のところに行くね」


だから、私は友達と別れて彼のところに行く。


本当なら、こんな事はしちゃいけない。


自分の恋に頭一杯になって、友達の事をないがしろにすることなんて。


だけど、それは、その友達が本当の友達だったらの場合だ。


もし、その友達が単なる形式的な友達だったら、関係ない。


女子同士の関係は非常に淡白だ。


そして、それと同時に残酷だ。


表と裏を使い分けて、交流を深める。


彼女達だって、裏では、私のことを笑っている。


趣味が悪いとか、単なる淫女とか、精神がいかれているとか。


まぁ、自分だって、自分のしている事がおかしいことぐらい分かっているから、言われても仕方ないとは思っている。


ただ、そんな事を言っている人を本当の友達とはやはり思えない。


それに、見る目のない人と付き合うなんてナンセンスだ。


以前、都君を騙すために、伊集院君の周りをうろちょろしている頃があった。


その時、彼女らは、ようやく自分のレベルに見合う男を選ぶようになったんだね。


そう言った。


自分のレベル?


思わず、それを聞いて、心の中で笑ってしまった。


彼女達が言う同じレベルと言うのは、容姿や成績、運動神経、家柄の事なのだろう。


だけど、私から言わせて貰えば、くだらないとしかいいようがない。


恋をするのに、そんなものが必要だとはどうしても思えないからだ。


もちろん、全く必要ないとは言わない。


私だって、子供じゃない。


ある程度の現実は見てきた。


だから、愛だけではどうにもできない事ぐらい十二分に分かっている。


だけど、だからといって、そんなものがないと絶対に恋が出来ないなんても思わない。


そんなものに頼り切った恋では、おもしろみがない。


打算だけの関係で、恋愛感情が芽生えるわけがないのだ。


もし、打算だけの関係のくせに、それを恋と呼ぶ人がいたら、私は笑ってやろうと思う。


それは、恋ではないと。


いや、違うか。その人を恋しているもではなく、自分に恋している。


そういう事だと。


そして、その恋人の事をアクセサリーとしてしか見ていないのだと。


自分をより良く見せるためのアクセサリーとして。


だけど、私は違う。


彼の事が本当に好き。


それは、彼をアクセサリーとして見ているからではない。


そもそも、そんな価値が彼にはない。


ただ、彼は私を満たしてくれる。


そう思うから、恋している。


この満たされない想いを満たしてくれる。


渇ききった心を潤してくれると。


それに、だいたい、伊集院君の価値はそういった先天的なものじゃない。


以前の交流のおかげで、彼の人となりが分かった。


彼は本当に良い人だった。


私の内心に気付いたのだろう。


私の作戦に手伝ってくれた。


だから、彼の本当の価値はその優しさ。


心の広さだ。それに、気付かない人達に、笑われるつもりはない。


「み・や・こ・くぅ~ん」


そして、私はいつもどおりに彼に抱きついた。


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