例えばあなたが悪魔でも、例えば未来が暗くとも
「うふふ。今日こそ、都君の貞操をいただくわよ」
前回と全く同じような状況に僕はおかれていた。
とりあえず、前回はなんとか逃げ出した。
鳴りだした携帯を理由に、だ。
おかげで、変なところで常識的なところがあるので、なんとか逃げ切れた。
けれど、今日もまた追い込まれてしまった。
何が何でも、既成事実を作ろうと言う魂胆なんだろう。
正直言って、勘弁して欲しいものだ。
とはいえ、それでも、未来は明るい。
なんと言っても、僕の手には文明の利器、携帯がある。
これを使えば……
使えば……
「何故に圏外?!」
使えば、逃げ切れるだろうが、なぜか圏外。
以前は使えたはずなのに、圏外となっている。
「うふふ。もう前回とは同じ手は食わないために、この部屋いったいにはジャミングをかけてるの。だから、電波は届かない」
「はう?!そこまでするか?!」
しかし、僕の疑問に、彼女はあっさり答えてくれた。
ただ、その答えは非常に頭が痛いが。
とりあえず、かなりやばい状況だ。
目の前には悪魔。
しかも、完全に追い詰められているため、未来はかなり暗い。
とは言っても、やはり諦めるわけにもいかない。
さぁ、どうする、僕。
どうするよ、僕?!
て、だから、それはライフ○ードだって!!
もう、どうして、こんな大事な時に限って、そんなくだらない事ばかり考えるかな……
まぁ、現実逃避がしたいだけなんだろうけど。
「さて、それじゃぁ、いただきま~す」
なんて、そんな間に、じりじりと間を詰めた彼女は、いっきに詰め寄ってくる。
あぁ、このまま、餌食になってしまうのだろうか。
そう思いつつも、必死に抵抗した僕だった。
まぁ、そのおかげで、とりあえず、貞操は守れた。
守れたけど……
上下の下着以外全部取られてしまった。
彼女は、僕を凍死させる気なのだろうか?
まぁ、僕が逃げるために、それを使ったせいなんだけど。