否定しあう僕ら
「ねぇ、あたし美人だよね?美人を振るなんて、変!!」
「美人でも性格が合わなきゃ、だめだって言ってるだろう!!」
もう、これで何度目になるか分からない口論が続いている。
とりあえず、二人きりでない時は、いつもこんな感じだ。
もう盛大に押せ押せで行こうとする。
周りを味方にして、何が何でも手に入れようとする。
だけど、周りは味方にはなってくれない。
まぁ、僕に取られるのが嫌なんだろう。
とりあえず、僕にとって、それは好都合だ。
「なんで、あたしがダメなのよ!!」
「だから、性格の不一致!!」
とはいえ、だからと言って、口論が止まるわけでもない。
もう、一生懸命お互いの意思をぶつけ合う。
「あたしの、何がいけないって言うのよ!!」
「とりあえず、二人きりになるとところかまわず押し倒そうとするところだよ!!」
「だって、そうでもしないと、こっちに振り向いてくれないじゃない!!」
「そんなところが引くんだよ!!」
「んじゃ、そういうところ直すから、今すぐ好きになって!!」
「無茶を言うな、無茶を!!」
「なんで無茶なのよ!!」
「むちゃくちゃすぎるわ!!」
とはいえ、とりあえず、どちらとも意思を変えるつもりはない。
そのため、話は平行線上。
とりあえず、二人して、一生懸命に、否定しあってます。