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暖かな冬

「はふぅ」


僕は、身体をちぢこめて、手をさすりながら、息を吹きかける。


季節は冬。


毎年毎年、今年は暖冬だとか、言うけど、こちらとしては、毎年変わらず寒い。


しかも、うちの高校は公立の高校のせいか、服装に関しては無駄に硬い。


おかげで、コートの着用が認められず、寒い中、薄着で行くしかない。


まぁ、そんな事言って、男子は、まだ楽なほうだと思う。


とりあえず、僕は、ズボンの下に更にジャージをはいてる。


上は、詰襟の下に、長袖のティーシャツ、ブラウス、セーターと着ている。


まぁ、おかげで、そんなには寒くない。


それに、比べて女子といえば、基本的に、下はスカートなので、かなり寒そうに見える。


たまに、スカートの下にズボンを履くと言うつわものがいるが、とりあえず、それは見苦しいから嫌いだ。


それなら、スカートを脱いでしまえと言いたい。


それで、ズボンだけにしろと。


ホント、もう少し周りの事を考えて欲しいものだ。


それに、ついでに言えば、無駄に短いスカートもあれだ。


とりあえず、見苦しい。


まだ、足が細いなら、許せる。


僕だって、男だ。


短いスカートからすらりと細い足が見えるのは、好きだ。


だけど、だいたい、短いスカートの人に限って、太いのだ。


もう見ているだけで、腹立たしい。


とりあえず、もう全く許せない。


絶対に許せない。


今すぐ、ミニを脱がせて、ズボンを履かせてやりたいぐらいだ。


まぁ、それはいいとして、この寒さはどうだ。


本当に、腹立つぐらい寒い。


とりあえず、暖冬だと騒ぐなら、薄着ですむぐらいになれって言うんだ、ホント。


かなり寒さに弱いんだから、どうにかして欲しいものだ。


「み・や・こ・くぅ~ん。寒いよぉ」


なんて事を心内でぼやいていると、不意に声がした。


いや、きっと悪魔の声に違いないだろう。


そして、今、身体にかかっている重みもまたあの悪魔なのだろう。


ついでに言うと、すりすりと身体を寄せてくるのも悪魔なのだろう。


きっと、寒さだ。


寒さにやられているんだろう。


まぁ、その気持ちも分からないでもない。


僕だって、寒いし。


でも、本当は、こんな事をしていちゃいけない。


気を持たせるようなものだ。


だけど、この温もりが気持ち良すぎて、もうどうしようもない。


だから……


だから、もうここは、諦めて


「あったかい」


されるがままになって置こう。




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