表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/39

転んだ先の杖

「今日こそは、今日こそは一つに!!」


「なるかぁ!!」


そんな至極日常的な会話を繰り広げつつ、僕は逃げていた。


こんな日常的な会話なんて、かなり嫌だけど、もう慣れた。


それに慣れるのも嫌だけど、もう諦めた。


やっぱり人間諦めが大事だ。


とはいえ、だからと言って、人身御供になるつもりは毛頭ないけど。


とりあえず、好きでもない人とはそう言う事は出来ません。


もう少し、男心と言う物を勉強して欲しいものだ。


誰でもいいって分けじゃないし。


それにそれに、やっぱり初めてのときなんかは、お互い緊張しちゃって。


『い、いい?』


なんて、声をどもらせたりとかして、初々しくないと。


その時に、恥ずかしげで、だけどちょっとはにかむように


『う、うん』


そう言う受け答えがいいんだ。


もう、なんというか、甘酸っぱさ100%なのがいいんだ。


あんな、もう獣同士の交尾みたいなものは即刻お断りだ。


まぁ、極論で言えば、所詮は生殖行為なのだから、それはそれでありなんだろうけど、僕としてはとりあえずやだ。


何が何でもやだ。


やっぱり、男はロマンチストじゃないと!!


と、それはいいとして、校門を出ると、すぐそばに隠して置いた自転車に乗り込む。


とりあえず、最近、彼女はもう有無を言わせないと言うか、やりたい放題なのだ。


なので、とりあえず、これぐらいやっておかないと、すぐに捕まる。


男子高校生平均並みの僕。


女子高校生平均以上の彼女。


それでも、僕の方がまだ上なんだけど、周りが邪魔するから、あっさりと捕まってしまう。


なので、そのためにも、自転車が必要なのだ。


とりあえず、備えあれば憂いなし。


転んだ先の杖と言う奴だ。


これなら、確実に逃げ切れる。


ぶんぶん言わせて、走り抜ける。


そして、商店街を抜けきり、後もう少しで家だ。


そう思ったところで、いきなり黒塗りのベンツ。


しかも、リムジン仕様。


それが目の前に止まると


「捕まえました」


そう言って、悪魔が出てきた。


備えあれば憂いなし。


転んだ先の杖。


その事とは、どうやら、彼女の事だったようだ。


ぐすん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ