わたしを見て
夕暮れの黄昏時。
僕は、窓の外を眺めていた。
とりあえず、なんとか今も貞操は守りきっている。
いつもいつも、済んでのところで、守りきっている。
どうやら、僕と言う人間は逆境やらピンチには強い人種のようだ。
とりあえず、二死満塁バッター四番で一発さよならのピンチの場面に出たら、きっと活躍するんだろう。
ということは、完全無欠の鉄壁のクローザーと言う事か。
虎のJFKやアヒルのYFKなんて怖いものじゃないな。
とりあえず、大魔神二号と言ったところか。
どんな場面でも抑えてみせる。
「なぁ、最近俺の出番ってないよな。頼むから出してくれよぉ。なぁ」
「悪いが、貴様のような、外道は知らん」
とりあえず、リビングデットが現れたが、一刀両断にする。
まぁ、一部の慈悲とて見せるのがもったいない。
「そ、そんなぁ!!なんだよ、俺たち、あんなに愛し合ったじゃないか!!あの美しい日々は幻想だとでも言うつもりか!?」
けれど、なおもしつこく食らいつくリビングデット。
かなりレベルが高いらしい。
「知らん。興味ない。とりあえず、消えろ」
ならば、一撃必殺の技を繰り出す。
これならば、致死のはずだ。
「ひ、ひでぇ!!頼むから、俺を見てくれよぉ。頼むから昔みたいに見てくれよぉ!!」
しかし、それでも、倒れない。
なんと言う執着心だろう。
これはかなりのレベルだ。
どうしたものか?
いや、ここは、一気に勝負を着けたほうがいいだろう。
とりあえず召喚魔法だ。
かなりのリスクが伴うが、そんな事も言ってられない。
「いやぁぁぁ!!都の貞操が奪われるぅ!!」
しなを作って、詠唱を唱える。
「都君の貞操はあたしのものよ!!」
途端に、それに反応するように現れる一つの人影。
言わずと知れた悪魔の化身。
「誅殺!!」
そして、彼女は一撃のもとに、リビングデットを切り捨てる。
さすがは、最強の召喚獣だ。
「さぁ、これで邪魔者はいなくなったわ。今こそ、二人でめくりめくる快楽の日々を!!」
けれど、だからと言って油断はしていられない。
代償を取ろうとするのだから。
とはいえ、こちらとて、それは予想済み。
悪魔がリビングデットを討ち取っている間にこっちは逃げる準備は整えていた。
なので、
「さらば!!」
颯爽と、教室を去ったのだった。