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狙撃手

勝負は一瞬だ。


全てが一瞬で決まる。


僕は、息を止め、瞳を閉じる。


周りを満たす、ざわめきも聞こえない。


そして、目を開ける。


もう、僕の瞳には、何も写らない。


ライフルを構えなおす。


既に、準備は万端。


だから……


全てを解放する。


「さぁ、来い!!」


それと同時に、そう叫ぶ。


途端に、数々の敵が縦横無尽にかけまわる。


僕は、それめがけて、弾を打ち込む。


そのたびに、ずしりとくる反動が、身体を満たす。


けれど、それがむしろ心地いい。


僕は、陶然としつつ、打ち込み続ける。


やがて、全ての敵が消える。


それと同時にちょうど弾切れ。


これで全てが終わった。


辺りには硝煙の焦げ臭い匂いで満ちる。


ライフルを置くと、打ち落としたであろう敵を見る。


……が


「どうやら、賭けはあたしの勝ちね」


背後から、悪魔の声が聞こえた。


そして、それと同時に、地面に転がる敵……


的を見る。


そこには、原形をとどめたままの的がほとんど置いてある。


つまり……


「さぁ、デートに行きましょう、デートに!!」


僕の負けという事。


しかも、負けたので、今日一日は彼女のいいなりに……


やはりのせられてしまったのだろう。


だいたい、的を全部打ち落とせるはずがないのだ。


そんなの僕にだって分かっている。


なのに……


なのに、僕は、全部倒したら解放してくれるって言う、甘言に騙されるなんて。


あぁ、今でも悔やまれる!!


「えへへ。とりあえず、今日は朝帰りかなぁ。両親にはなんて誤魔化しとこうかなぁ」


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