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大切なもの大切にしたいもの

ぼんやりと僕は手のひらに転がる物を眺めていた。


それは光を浴びると、きらきらと輝く。


目下のところ、今、僕の命の次に大事なものだ。


とりあえず、誰にも見せたくはない。


例え、それが僕の友だろうが盟友だろうが。


ふと、思い立って、周りを見回す。


けれど、僕の不安とは裏腹に、周りには誰も居ない。


ほっと一安心する。


だいたい、こういう時に限って、あの悪魔は出てくる。


あの神出鬼没さは恐ろしさを通り越して、ある種尊敬する。


とりあえず、僕の警報センサーに引っかからないわけだし。


それとも、あれだろうか。


某砂漠の何でも屋さんの小説のようにスケルトン仕様にでもしているのだろうか。


それを考えると、彼女の装備は恐ろしい。


ビームサーベルとビームライフル装備はもちろんの事。


対艦刀も装備しており、核エンジン搭載に、遠隔操作ビーム砲搭載。


挙句の果てには、鎮魂曲なんて言う兵器やらをぶっ壊した流星って言う兵器を装備可能。


そんなフル装備の上に、スケルトン仕様。


もうほとんど反則だ。


とりあえず、誰も倒せない。


というか、戦意喪失だ。


しかも、パイロットは第一世代で、種割れしてるし……


もうここまで来たら、人間じゃない。


とりあえず、あれだ。


神様だ。


運命計画を出した議長さんも勝てるわけがない。


全く恐ろしい。


と、話がずれてきているか。


とりあえず、僕は、その光り輝く物を握り締める。


こいつは、物凄く大切なもの。


何があっても、守りきらないといけない。


僕は、その場を飛び出す。


そして、駆け出した先は、購買部。


僕は、そこのおばちゃんに向かって……


「アンパンひと・・・「ありがとう。彼女がお腹すかせてるのを見るに耐えて恵んでくれるのね」


言おうとしたその瞬間、その言葉をさえぎるようにして声が振りそそぐ。


振り返れば、そこには奴がいた。


あの悪魔のような笑顔を浮かべる奴。


奴は、僕の手から光り輝く僕の命の次に大切な物を奪い取る。


そして……


「メロンパン一つ」


絶望的な言葉を一つ。


そんな光景をまざまざと見ながらも、購買部のおばちゃんは、彼女にメロンパンを渡す。


僕はその場に崩れる。


終わった。


そう全ては終わった。


僕の手には何も残らなかった。


ただただ、絶望のみしか……

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