咽ぶ灯と契り花
三年前、姉は、地図にない山に消えた。
理由も痕跡も、なにも残さずに――ただ、祠だけがそこにあった。
姉の背中を追って山に向かった灯野澪(ともりの・みお)は、祠の前で“記憶にないはずの景色”と再会する。
自分はこの場所を知っている。けれど、思い出せない。
その胸の奥には、“もう一人の自分”の声が眠っていた。
失われた記憶。
中途で断たれた祈り。
そして、人ならざる“何か”と交わされた契りの痕。
これは、怪異を祓う物語ではない。
怪異と共に歩くことを選んだ者の、契りの記録である。
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