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第15話:社畜、配信の最後に飛びかかってきたフェンリルを抱っこしようとする。なお


「ふー、無事に戻ってこれた」


 フィルのおかげで俺は何一つ傷を負うことなくダンジョンの中から出ることができた。フィルがいればあのまま進んでも問題なかったのかもしれないが、何かあってからじゃ遅い。


 そもそもこのダンジョンにあんな強そうなモンスターが野生で生息しているなんて知らなかったな……フィルが来るまでしばらく入ってなかったし、もしかしたら中で何か変化があったのか?


 でも、少なくとも俺はフィルが傷つくところなんか見たくないし、俺のせいで傷ついて欲しくない。だからさっさと切り上げてきた。きっと、これをフィルに伝えたら「俺様は最強だから気にするな」と言わんばかりな表情をするんだろうけど。


 それでもみんな無事なのが一番だ。


「ワンワン」


 やっぱりフィルは物足りなかったみたいで、尻尾をフリフリしながら俺の身体に前足をタッチしてきては戻ろうと催促してくる。


「ごめんなーフィル、もっとダンジョン探検したかったよな。でもやめとこう。俺がついていけないし」


「わん!」


「ははっ、お前は本当に強くて元気だなー。俺もお前を見習わないといけないや。さて、そろそろ配信も終わろうかな。家の片付けとかしないとだし」


———

「え、終わっちゃうの!?」

「ヤダあああああああああああああああああああああああああ!」

「え、やだよ。やってよ」

「辛すぎる……」

「夢から醒まさないでくれええええええええええええええ!!!」

「金なら払うから続けてくれ!」

「社畜、お前も専業配信者になれ!」

「家の片付けなら俺がタダでしてやるから!!!」

「フィルは続けたそうにしてるぞ!!!」

「小休憩だろ? また続けるんだろ?」

「注:彼は冗談を言っています」

———


 配信終わろうかと言った途端に、コメントがドバーッと流れては終わる音を惜しむ内容があふれ出した。え、そんなに俺らの配信がいいのか? うーん、そりゃフィルは可愛くてかっこよくて最高だから見たくなる気持ちはわかるけど……。


 あ、もしかしてもう二度と配信しないとか思われてるのか? それなら確かに気持ちはわかる。俺も二度とフィルと会えないとか言われたら……号泣するし。


「安心してくださいみなさん。明日も配信やりますから。俺も配信楽しくて気に入ったし。フィルはどう?」


「ワンワンワン!!!」


「お、フィルも気に入ってくれたのか。それなら明日もやるの決まりだな!」


———

「キタあああああああああああああああああああああああ!!!」

「えー、神です」

「生きがいができたぞ!」

「社畜もフィルもまた見られるとかもう神すぎて泣く」

「やったああああああああああああああああああああああああ!!!」

「次はスパチャ用意しとくからな」

「明日には収益化決まってるといいな!」

「もう今からワクワクが止まらない!!!」

「これからフィルと社畜の伝説が始まるんだな……」

「ちな最後なんかしてくれない?」

———


「最後だし何かって……?」


———

「フィルと触れ合え」

「フィルを抱っこして!」

「それいい、社畜さんフィルちゃんを抱っこしてよ!」

「お前ら無茶振りしてて草」

「フィルを受け止めろ社畜!!!」

「しゃち×フィルはよ」

「頼む社畜、俺たちの最後のお願いを聞いてくれ!!!」

「なお明日にはまたお願いをする模様」

「抱っこはよ」

「社畜なら軽々フィルを抱っこできるだろ!!!」

———


 だ、抱っこ!? こ、この巨漢なフィルを抱っこ!? お、俺が潰される気がするけど……ん、いや待て。さっきのゴーレムほど大きくないわけだし、やろうと思えば出来なくてもないのか?


「ワンワンワンワンワン!」


「フィ、フィルお前はやる気満々なのか!?」


「ワン!!!」


 どうやらフィルは俺に抱っこしてもらう気満々らしく、尻尾振りながらつぶらな瞳で俺のことを見つめてくる。そ、そんなにフィルのやつ俺に抱っこして欲しかったのか!?


 うう……フィルに頼まれ視聴者さんたちにも頼まれたとなったら、もう断るだなんて選択肢はないようなものだよな。よし、俺も男だ。覚悟を決めよう。


「よし、いいだろうフィル! 俺の胸に飛びかかってこい、俺が受け止めてやる!!!」


「ワワワワーン!!!」


「ぶほっ?! あ、フィル、顔なめるな! く、くすぐったいって……あっははは!」


———

「あ、社畜やっぱり受け止められなかったwwww」

「おい大丈夫か!?」

「平気みたいだ。モフモフに包まれて気持ち良さそう」

「流石にフィルも本気で受け止められるとは思ってなかったんだなwww」

「おお、フィルめっちゃ社畜の顔舐めてる」

「フィルも本当に社畜が大好きなんだな……」

「てえてえ……」

「最後の最後まで神配信でした」

「ごちそうさまです」

「誰かこの尊い空間を永久保存してくれません?」

「すまん、この配信タダで見ててええん?」

———


 結局俺はこの後速攻で家のシャワーを浴びてフィルのよだれを落とした。ちなみに案外フィルは思ってたよりも軽くて、俺が努力したら本当に抱っこすることも可能なんじゃないかって思えた。


 いや、前言撤回。風呂から出て庭に言ったらすぐ飛びかかられたけど……やっぱ無理です。フィル、お前を受け止められる人間は多分いない。モフモフは最高に気持ちいいけどね。

お読みいただき、ありがとうございました!


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