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ラブハンド  作者: hisasi
22/37

 展開していってます

 どんどん話が膨らんで、自分の世界から飛び出していきました。


 一体どこまで良くのだろう?


 誰か教えてくださいね!迷子になったかも

僕は勢いに任せて次の返事を読んで見ました。

次の返事はなんと「セルロースハム」さんからでした。


「カイザーの称号ありがとうございます。もう発表がいつになるか待ちきれなくて、ずっとパソコンの前にいました。あなたなら僕の「ラブ・ハンド」の好さを判ってくれると思っていました。あれが撮れたのは奇跡としかいえないし、そのときの喜びようといったらありませんでした。それはあなたなら分かってくれるはずです。とにかく、初代カイザーとなったからには、これまで以上にいい腰を発掘していきたいと思います。次は今までに見たことないような「ラブ・ハンド」を送りたいと思います」



確かに、あのお腹を見たときには、「セルロースハム」さんの「ラブ・ハンド」に対する情熱を感じました。だからこそ「カイザー」の称号を与えたのですが、こんなに喜んでくれているのを見ると、僕も胸が熱くなってきました。

僕は震える手でマウスを操りながら、次の返事も、また次の返事も読んでいきました。皆投稿に採用した人達からなのですが、皆一様に喜んでくれていて、始めは僕に冷たい態度をとっていた人も、「脂肪男爵」さんのように僕に心を開いてくれていましたし、それに加えてみんながみんな「セルロースハム」さんのように次の開催を期待していました。   

と言うより、当然次もやるような感じで返事を返して来ていたので、僕としてはなんともいえない満足感を感じました。

僕は早速作者コメント欄に、今回の「ラブ・ハンド写真投稿大会」、題して「ラブ・写」の次回開催を宣言しました。

こうなると、僕の勢いは止まらないし、そして、ブログ内の勢いもそれについてくるかのように乗ってきました。

彼らが何回も僕のブログにアクセスしてくれたおかげか、「ラブ・写」も四回目になると、飛躍的にアクセス数が増加していきました。

明らかに、「女性の評価論塾」の住人以外の人達もこのブログを見ていて、「ラブ・写」も六回目になるとぜんぜん知らないような人達からも投稿が送られてきて、その数はなんと六百通を越えていました。五回目が二百通で、しかも同じ人からの重複も結構あったのに比べて、六回目は重複もあったのですがほとんどの人が新参者で、それに加えてみんな僕の趣旨を理解してくれているのか、まさに「ラブ・ハンド」といえるものを送ってきてくれていました。

正直、これだけの量になると見るだけでかなりの重労働です。

僕は六回目の「ラブ・写」の審査に一ヶ月もかかってしまいました。

僕も皆の情熱は分かっているので手を抜けませんでしたし、何しろ時間もなかったので仕方ありませんでした。

ただその間も、色々な人からメールが送られてきました。

「女性の評価論塾」の面々はもとより、初めてこれを見て「ラブ・ハンド」の存在を知って面白がってみている人や、友達に進められてこのブログに投稿してくれた人、たまたま検索に引っ掛かって見てくれた人、中には批判的なご意見を送ってくる人もいましたが、おおむねは僕の考えを理解してくれていて好意的でした。何ヶ月前に比べたら考えられないくらいの反響に、僕は踊りたくなるくらいうれしかったのですが、一人での作業にかなり苦労していました。バイトに行かなくてはならないし、そのころにはバイト先でも色々な事を任されるようになって、なかなか思うようにブログに向き合えない日もあったからです。

でも、何とか六回目のランキングを作って、七回目の「ラブ・写」の応募を募りました。

こうなれば行くとこまでいくしかないでしょう!

僕はそう思いながら、ブログを更新したのです。

それから三週間後の締切日、僕がブログを開いてみると、「ラブ・写」の投稿数はなんと千件を超えていました。

これには僕も喜びと同時に、溜息が出てしまいました。

こんな数の投稿を一人でさばくなんて、一日中パソコンと向き合ってもかなりの時間がかかってしまいますし、現実的に無理がありすぎます。どうしようかと悩んで、正直な気持ちをコメント欄に乗せました

。すると、思っても見ないことに、皆からの励ましのメールが何通か届いてきて、「女論塾」の面々からも応援されてしまいました。

その中でも一番嬉しかったのは、そのうちの一人、初代カイザーの「セルロースハム」さんからは貴重な意見を貰えた事でした。

それは、今までは僕一人が審査してコメントも書いてランキングを作っていたのですが、それを皆の投票で決める事にしようという事でした。

要するに、何枚かの作品を僕が選び、その後はみんなの投票でランキングを作っていくという事です。

皆からの投票数が多い人が、カイザーになれて、コメント付で投票すれば僕が書くよりもっと多くの人の意見も聞けますし、送った側も皆から認められるなら喜びも大きいだろうという事でした。

もちろん、これまで送ってくれた人は僕の事を信用してるので、これまで選んできた投稿に文句はないし、皆も僕のセンスは認めるところだけども、こう規模が多くなっては僕の負担も大変なものだし、もし僕の意見を乗せたかったら、皆が選んだ後に自分の意見を載せればいい、そうすればこれからもうまくいくだろう、と「セルロースハム」さんは意見を送ってきてくれたのです。

加えて、初めからこの「ラブ・ハンド」主催の「ラブ・写」に参加出来て、それがここまで大きくなった事が、自分の事の様に嬉しい旨を伝えてきてくれました。

僕はこれを見て、即決で「セルロースハム」さんの意見を取り入れることにしました。

この人なんて頭がいいんだろう!

この意見を見ただけで、僕はこの人はすごい人だと思いましたし、何しろ文面から滲み出てくる「ラブ・ハンド」への愛を感じました。

もしかしたらこの人は、今や僕以上に「ラブ・ハンド」を愛しているのかもしれません。

それからは、「セルロースハム」さんや他のメンバーからやり方、表し方などを相談していき、投票方式の「ラブ・写」の準備を進めていきました。なので、すぐに「セルロースハム」さんに言われたとおりに、投票方式にする旨をブログに書き込み、二十作品に投稿を絞り込んでから掲載しました。

そして、一週間の受付期間、そして五日間の僕のコメント作成時間を経て第七回目の「ラブ・写」のランキングを発表するにいたったのです。

作成期間から感じていたのですが、この企画はかなりの成功を収めていました。

何しろ、七回目のシーザーの称号を受け取った作品の投票数が二百人を超えていて、全体では二千人以上の投票があったからです。要するに、この投票に二千人以上の人が加わったと言う事になり、それだけの人が僕のブログを見て「ラブ・ハンド」の存在を知ったと言う事なのですから。

これは今まででは、考えられない事でした。

それに加えて、「セルロースハム」さんの意見を取り入れたおかげで僕の負担も一気に軽減したので、僕自身も余裕を持つ事出来ました。

それは、やはりいい結果をもたらしてくれて、今までは「ラブ・写」だけにかなりのことを費やしていたおかげで、ブログ内の充実は置き去りになっていたのですが、今度はこれにも力を入れる事が出来ました。

歴代のシーザーの作品や、自分自身の作品、僕の「ラブ・ハンド」論、そして、投稿者同士で意見を交換できる場も作れるようになりました。

すると、投稿者同士の意見交換の場が出来ると、皆色々な考えを書き込むようになり、それにはもちろん僕自身も加わり、しばらくしないうちに様々な意見交換をするようになりました。皆がそれぞれ色んな「ラブ・ハンド」にコメントを言い合って、楽しんでいるのと平行して、僕はそれとは別に「ラブ・ハンド・パーティ」と銘打って、僕と直接ディープな「ラブ・ハンド」論に着いて語り合う場を作りました。

要するに、ただ「ラブ・ハンド」を見たり、探したりして楽しむだけではなく、僕の長年の夢である、いかにしてこれを広めていくか、と言う事について話し合う場を作り、それを実現するためのメンバーを集めようと思ったのです。

僕のブログは、もちろん誰でも参加できているのですが、「ラブ・ハンドパーティ」だけはパスワードを知っている会員だけが参加できるようにして、一般の人達は参加できないようにしました。

こういう事は、多くの人間が参加してはうまくいかない事を、長年の経験が伝えていましたし、初めてこんな事実行したいと僕が相談した「セルロースハム」さんの意見でもありました。

僕がこの人ならと思えた人は「セルロースハム」さんしかいなかったので、真っ先に彼に相談したのですが、彼は見事に僕の力になってくれました。

その頃には、彼とはお互いのアドレスを交換し合っていて、二人だけのやり取りをしていたので、僕がこの話を持ちかけると、何の疑いもせずに力になってくれると言ってきてくれたのです。不思議なもので、顔も年齢も職業も、家族構成すら知らない、ただ「ラブ・ハンド」が好きであるというだけの間柄でしたが、僕はこの人のことを信頼し、好きになっていました。不思議な事ですが。

とにかく、彼は僕の訴えかけた事に的確な答えを返してきますし、そこに現れる彼の世界観は途方も無く大きく、パソコンの画面に現れる文字からは愛情溢れる人柄が滲み出ていました。

そして、なにより物事をよく知っているのです。

僕は、直接彼のプライベートな事は聴きませんでしたが、それでも信頼していましたし、本当の気持ちは伝わってきて、理解できていたのでそれだけで十分でした。

そんな「セルロースハム」さんに相談しながら、僕は秘密組織とでも言うべき「ラブ・ハンドパーティ」の準備を始めました。

まずはメンバーを集めなければなりません。

やはり、初めの頃から僕のブログにかかわっている「女論塾」のメンバーから集めようと言う事になりました。

こちらに関しては「女論塾」でも初期メンバーである「セルロースハム」さんに人選をお願いしました。

彼はかなり「女論塾」で多くの人達と関わっているらしく、信用の置ける人間をピックアップしてくれるとのことでした。

何しろ、今度はただ見せて面白がるのではなく、世の中を変えていかなければならないのですから、それにはあまり公には出来ないし、変に騒がれるのも都合が悪いので、慎重に事を進めなければなりませんでした。それに加えて、組織を作る時にメンバーの気持ちが揃っていなければ志がいくらあってホットでも、うまくいくものじゃないと言うことを「セルロースハム」さんが強く言うので、僕はそれに従いました。

それから、二人で相談して、「ラブ・ハンド・パーティー」のメンバーは十人にする事にしました。

なので、僕と「セルロースハム」さんの他に、八人の人を集めなければなりませんでしたが、彼の働きかけもあってか「女論塾」から五人はすぐに決める事が出来ました。

彼からそれとなくこの五人にその旨を伝えてもらい、アドレスを聞きだして、後は僕が直接交渉に当たりました。

慎重に僕の気持ちを切り出し、僕の熱い気持ちをぶつけると、皆面白がってくれてすぐに話しに乗ってきました。皆、何か秘密結社的な感じと、こんな事を広められるのかという当たり前の不安があったようですが、僕が心を開き、そして純粋な気持ちを訴えかけると、皆理解して、面白がってくれて、僕に力を貸してくれると誓ってくれたのです。

後はもう三人集めるだけでしたが、「セルロースハム」さんの話では、「女論塾」で信用できて、計画に力を貸してもらえそうなのはこの五人位だと言う事なので、僕は自分自身で残る三人を見つけなければなりませんでしたが、目星をつけている人達はいました。

その人達とは、この頃にはもう十回目を迎えていて、投稿者は二千名、観覧者にいたっては五千人に達していた「ラブ・写」の歴代のカイザー、その人達にに当たってみようと思ったのです。

今までカイザーの称号を持つ人は六人。

初めの頃は決まったメンバーが送ってきていた投稿も、今では色々な人が送ってきていましたし、投票形式にしてからは初期のメンバーでもランキングに乗る事はなくなるほどでした。

まあ、様々な僕の知らない人がカイザーになっていたのです。

その内の一人は、今度のランキングでもグランプリをとり、第五回でもグランプリを取っていて、二冠を達成していました。

この人なら、僕の気持ちを理解してくれそうです。

僕は早速、この人にコメントを送り、直接交渉する事にしました。

「プチ・ラブ」と言うハンドルネームのこの人は、明らかに僕の問いかけに疑いの念を持っているようでした。まあ、回りくどく探りを入れながら親しくなっていこうとしたのですが、どうも反応が芳しくありませんでした。

あまり、僕と係わり合いになりたくないようなそぶりをしてくる一方、向こうからメールを送ってきたり、少しプライベートな話などには気持ちよく乗ってきてくれるのですが、これが「ラブ・ハンド」の事になると、彼は打って変わったような反応をしてきました。

とは言え、彼の作品の完成度はやはり他とは抜きん出ていましたし、かなり光るセンスを感じていましたから、僕としてはぜひメンバーに加わってほしかったので、かなり必要に説得していきました。

まあ、最終的には(「セルロースハム」さんには時期早々といわれましたが)自分の胸のうちを正直に訴えたのです。

すると、「プチ・ラブ」さんは始めかなり困惑していたようでしたが、かなり強気に僕が頼み込むと、一転力になってくれると言ってくれました。

これで、残るはあと二人と言う事になりましたが、この二人は案外すぐに決まってしまいました。

それというのも、どこから聞きつけたのか、直接僕のアドレスにメールが来て、ぜひ仲間に加わりたいと言うことを言ってきた人がいたのです。


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