表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世の朝は未だ遠く 〜Zwischen Traum und Erwachen〜  作者: レンリ
一章 三千大異世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/101

六十話 一成の中学英語講座

「そういえば、なんでこんなにBクラス試験まで焦ってるんだ? 年に何回かはあるんじゃないのか? 」


 ふと疑問に思ったことをカピュアに聞いてみた。


 だって普通に考えてBクラスとかなりたい人たくさんいるだろうし、それで年2回とかでわざわざ冒険者の底上げを阻害する必要もないだろうし。


 ……司法試験……。


「確かにBクラス試験はひと月に一回あります。でも私は今回に受かりたいんです。どうしても今回じゃないと……」


 切羽詰まったような言い方になにか不安を感じる。

 とても聞くのが躊躇われる言い方だ。


 いや! 俺は中学の頃に給食で配膳当番が男子だった時に 「通行の邪魔にしかなってない女子、なんで座らないのかな? 」って呟いたら、それを男友達に聞かれて何故か 「やめとけって。学校来れなくなるぞ」って言われた男!


 ……ほんとアレなんでなんだろ?


 そんなふうに言うとダメなことも悪意なく言える男 (余計ダメでは? )! なら聞いてみればいいじゃない。


 パンがな…………いじゃない。


 ……パンがないことを認めちゃったよ。しかも続けて言うつもりもなさそう。


「今回はなにかあるのか? 例えば……好きな人と同じタイミングで受験できるから…とかか? 」


 受験の理由はどうしても恋愛関係で考えてしまう。


 しかし、現実はそこまで甘くはない。唐辛子ぐらいは甘い(からい)

 高校に行けば俺も恋愛できるかも……なんて思っている人の希望は打ち砕かれ、生徒会なんて入った暁には学校の犬として遣われるだけだ。


 喩えるならば……現実学園系のラノベは異世界なろう系並にフィクションだ。

 中学の頃と何も変わらない。勉強が難しくなって、少し行けるところが増えるだけだ。何も変わらない。

 周りの人間がバカを繰り返すのも。あの時は大人びてみえた彼らも体験してみると猿のように騒ぐ人が何人いる?


 実際。社会もこうなのだろう。大人も騒ぐ人がいれば(ズル)をして楽をしようとする人もいる。


 せめてもそんな大人にはなりたくないなぁ。


 俺の未来像を決めていると、俺の(たと)えが悪かったのか


「イッセイだけが好きですよ。そんな心配しないでください」


 かぶりを振って、両手を振って (かわいい)慌ててカピュアが否定する。


 かわいい。かわいい。かわいい。


 俺はかわいいbotになりつつも、カピュアに疑っていると思われないためになんとか返事をする。


「いや、疑っているわけじゃない。いい例えがすぐに思いつかなかった。わるi……ありがとう! 」


 あっぶな。カピュアとの約束を忘れるところだったよ。悪いじゃなくてありがとうっていうやつね。


「ありがとう? 」


 眉をひそめて小首を傾げて困惑している様子だ。

 フクロウのようでとてつもなくかわいい。


「前約束しただろ? 悪いって謝るんじゃなくてありがとうって」


「……そうでしたね。まだ続いてたんですね」


 ハッとした表情 (かわいい)で乗ってくれる。いや、天然なのか?

 蒼と違ってツッコんでくれないのが少し淋しい。


「まぁ、ならなんで今回の試験に受かりたいんだ? 」


「それは……ちょっと言えないです」


 申し訳なさそうに頭を下げながら言ってくる。


「それならいいが……」


 と、いった様子の俺たちのある会話だった。




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「蒼。念の為英語の勉強するぞ」


 俺は蒼に何度目か分からないテンプレとなりかけている言葉を放り投げる。


「待って? また? 」


 蒼は至極当然な返しをする。そりゃ誰だってこんな反応をするだろう。前々回で内容を全て終わらせているのだから。


 まぁ、中学英語はテストに出ないだろうし蓄えていたネタを放出する時かな。


 ちなみにカピュアは少し離れたところで見守りだ。俺の近くにいるとカピュアが暴走する。


「大丈夫、今回はネタに走るだけだ。安心しろ。

 多分試験にも出ないしな」


「それ意味なくない!? 」


「まずはI(アイ) am(アム) Japanese(ジャパニーズ).

 訳が 『私はオタクです。』だな」


「日本人でしょ! 」


 蒼のツッコミが炸裂する。


 アサギリに7のダメージ。

 アオイは26の反動を受けた。


 俺が巫山戯ていると、カピュアは心に波がたったようで


「え? イッセイってウカツコ王国民だったんですか? 」


 と、驚いて反応する。


 マジか……。英語もこの世界語に翻訳されるのか……。


 ……しかも意味も少しだけ変わってるし……。


「一つ確認いいか? 」


 と問うと彼女はなんですか?と許可する。


「Japaneseってどんな意味だ? 」


「ウカツコ王国民って言う意味ですよ。あとは、今話しているこの言葉のこともJapaneseって言いますね」


 そういえばカピュアが俺の質問断ったことないなぁ。あるとしてもこっちがいいっていうやんわりとした否定……っていうか、改善案だし。


「そうなのか……。ならEnglishとかはどうなんだ? 」


「私、あんまり片語(へんご)は得意じゃないので、ちょっと正しいかどうかは分かりませんが、片語(へんご)の一部という意味だったはずです」


 ごめんなさいと謝りながら訳してくれる。


 片語……? 片方の言い分とか、僅かな言葉とかいう意味は流れ的にはなさそうかな。

 まぁ、英語のEnglishがヘンゴの一部ってことは大体外国語みたいな意味合いかな。


「いや、別に謝らなくていい。カピュアが謝るより感謝って言ってただろ」


「そうでしたね。無知な私を許してくれるイッセイは優しいです」


 自分で無知って言って謙遜しているカピュアかわいい。


「繋がりが見えないんだが……?

 まぁ、いい。次の問題だ。

 I(アイ) always(オールウェイズ) tell(テル) my sister(マイシスター) that(ザット) she(シー) is(イズ) cute(キュート)

 これは直訳すると、私はいつも姉か妹にかわいいと言っていますだな。だが、ちゃんとした日本語に直すなら、『私はシスコンです。』になる」


 蒼は何故かツボったようだが、クスクスと笑いながらもツッコミをする。


「いや、それは、おか、おかしいって! 」


 凄い! ツッコマーの(かがみ)


「イッセイは姉と妹どっちが好きなんですか? 」


 うーん。予想してたのと違うね。シスコンだったんですか? 私とどっちが良いですか? って聞かれると思ってたのに……。

 そしてカピュアに決まってるだろ。って惚気けるつもりだったのに……。


「それぞれの性格によるが、どちらかと言えば姉……か? 」


「分かりました! 」


 元気いっぱいのいい返事をする。


 ……じゃなくて!


 もしかしてだけど姉キャラとして生きていくつもり?

 君には純粋であどけなさの残る敬語キャラと素直ツンデレラがあるんだからもう増やさなくていいよ。


 ごめん。嘘。かわいいカピュア見たい。


「いや、別にお姉さん系を(えんじ)なくてもいい。今のカピュアで充分可愛いしな」


「……そんな。かわいいなんて……」


 カピュアは頬を染めて俯き、法悦にひたる。


 大丈夫かな? カピュアそろそろ浸りすぎてしわしわにならない?


「いや、イチャつくならこれの意味ある!? 」


 壺から抜け出した蒼は、この渾沌(カオス)な状況を俯瞰して一言。


 そんなこと知ったこっちゃないというように、カピュアはそのままスススーっと俺の側まで移動して頭頂部を差し出す。


 撫でろってこと? 気に入ったの?


「うん。カピュア、一回蒼の居ないところにいこうな。頭を撫でるのはそれからだ」


 彼女はしゅんと切なそうな表情をするが、すぐにうんうんと頷いて俺の袖を軽く握る。


 えっ? まって?


 この服って身体の一部だっけ? それぐらい筋肉が硬直して、心臓が社畜になっている。


 そそそそそ、そうだ。あおいにもちべぇしょんかんりをおしえなきゃ!


「最後にモチベーション管理だが勉強するところを細かく分けて達成感を得ながらしていくことだ! 」


 焦って早口言葉のようになる。


「雑! 」


 矢のように流れて行ったセリフに対しての言葉だが、俺はどこ吹く風と行った様子でカピュアと自室まで移動する。


 さてと、お仕事(おしごと)も終わったことだし、推し事(おしごと)しますか!


 話聞くだけだと完璧な社畜……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ