5★話 豆知識
「そうそう、君って呪いのダイヤって知ってる〜? 」
おっとりとした口調で彼が話しかける。
「いいえ。そのようなものは本当に存在しうるのですか? 」
のんびりとした雰囲気で佇んでいる彼はなになら書類作業をしながら暇つぶしに、と近くにいた衛兵に質問したようだ。
そのことだけでも彼のスペックの高さが伺える。
「うんうん、あるよ〜。その話をしようかな〜
その呪いのダイヤって言うのはね〜、持つ人間が次々に死んでいく呪いのかけられたダイヤなんだよ〜。」
「…それは……。恐ろしいですね。しかし、実際にそのようなものがあるなど聞いたことがありません」
流石は何度も暇つぶしに付き合わされただけある衛兵だ。気分が良くなるように上手に話している。
「だよね〜。でも〜実在するんだよね〜。呪いのダイヤが見つかった原因はね〜。
とある農民の畑で輝く綺麗な石が落ちてたんだよ〜。農民はそれがダイヤなんて知らずに〜珍しい石だなぁって保管してたんだよ〜。
そんなある日〜、進軍しているときに家を壊されてダイヤを奪われるんだよ〜」
衛兵は、はい。はぁ。と相槌を打って機嫌を損ねないようにしている。彼はそこまで強いのだろうか。
「奪われたダイヤは王様に届けられたんだよね〜。そしてまもなくその王様は処刑されちゃうんだ〜」
軽々しく処刑なんて言葉を使うあたり慣れているのだろうか。
「王様が死んじゃったから次は女王にダイヤが渡ったんだ〜。でも〜その女王様も国民の反発で追放された後に慣れてない生活で死んじゃったよ〜。
もちろん〜、そのあとに渡った人もすぐに死んじゃったよ〜。」
彼の喋りが一通り終わったところで、衛兵は考察の答えを出す。
「……つまりはそのダイヤには持ち主が死ぬ呪いがかかっているのですか? 」
「う〜ん。それもそうだけど、もっと注目するべきところがあるよ〜」
困るような唸り声をあげる。
「もっと注目するべきところ? 」
そうだよ〜と言って彼は黙ってしまう。
しかし、いくら考えても答えに辿り着けないようでお分かりません。と声を漏らす。
仕方なくと言った様子で答えを教える、明るく振る舞ったときとは違った低く脅しじみた声で。
「ん〜〜。正解はね〜。
この話で1人だけ死んでない。つまりは一般人でも人が死ぬような呪いをかけられるって事だよ〜」




