60/101
5■話 処刑
今日はあの日が終わった日だ。久しぶりにカイラと会える。
まぁ、そのカイラは今目の前にいるんだがな。
「アンラ様。どうか私をあなたの経験値にしてください。それでアンラ様の役に立つのなら私、悔いは残りません」
「覚悟は決まっているようだな」
俺は静かに、正確に首を心臓を狙う。
「一応聞いておこう。なにか言い残すことはないか? 」
「でしたら、貴女の仕える方はとても優しく慈愛に満ちた人であった、と伝えてください」
「分かった。なら始めるがいいな? 」
カイラはもちもんですと答えて、瞼を閉じて俯く。
本人の覚悟が決まっているとはいえ、かなり心が痛むな。
「安らかな眠りにつけますように」
音もなく的確に急所を斬る。
スキルで火力を底上げしているため、もともと少ないカイラの体力では刹那の時で削りきれる。
返り血を浴びて黒い服が赤黒く染まる。
俺以外でここに残るはここで動かなくなった配下の死体だけだ。




