一話 真・異世界転移
一週間を守れなかった。
二人のスキルが決まったので神にとある気になった事を聞いてみる
「そういや、俺たちはなんのために異世界に行くんだ?」
「そんなものない。どんな行動をするのか観察するだけだ。お前たちも虫に対してしておるだろう。それとおなじよ。」
当たり前の事のように言う。
当たり前じゃないです。ボクソンナコトシナイヨ。虫なんてあんな目が多くて (偏見)、素早く動いて (偏見)、噛んだり刺したりむしゃったり鎌で斬ったりしてきて (事実)、言っちゃ悪いけど見た目気持ち悪いし (事実)、飼う人の神経を知りたい。
神は続けて言う。
「力が上の者が下の物を好きなように使うのは当然のことであろう? それともなんだ。貴様らがこのルールを変えるとでも言うのか? 」
あまりにも勝手過ぎるだろ。そんなやつらがいるから世界が汚れるんだろ。
そういう俺もまぁ、虫が嫌いという意見を押し付けてるから人のこと言えないけどなあ。
「だから我は貴様の住む世界を変えるだけだ。本当は貴様らがスキル選びに失敗して、詰んで悔み絶望するところを見る予定だったのだがな。」
こいつ、悪魔だ。神じゃないじゃん。いや、もしかすると邪神か? なら神だな。
「ま、スキルを正しく選べたから特別にその世界の通訳能力をつけてやろう。」
あ。やば、異世界ものが勝手に通訳ついてるから意識してなかった。忘れてた。もう、神様マジ天使 (どっちなんだ? )。慈悲の塊。
いや、手首にベアリング付けておいて良かった。じゃなきゃこんなに早く手のひらを返せなかった。手のひらくるっくる。
「最後に見た目を変えよ。黒髪黒目は目立つのでの」
と神様が続けて言った。
ゲームかな? キャラメイキングできるMMORPGかな?
フルダイブ技術まだですか? はやく完成すればリアルな二次元キャラの姿が観れる!
と、目の前にキャラメイクするときの設定画面が空中に浮いた状態で出てくる。
え、待って。ホントにMMOゲームかな?
隣を見ると蒼が早速髪型を弄り始めていた。
画面を見ると体型や体重、身長は弄れないが目の色は弄れて、髪だけでアホ毛有り無しや髪色、髪型はもちろんのこと髪の太さや硬さ、本数まであった。
ちょっと細すぎません? 最近のゲームでもこんなにないぞ。
とここであることを思いつき、なんとなく、本当になんとなくアホ毛を付けて、長さを一番長くして、髪質は細く硬くして、ついでに色は金髪にする。
くらえ、《ついさっきの理由無しはおかしいと思うアターック》 (技名)。いや、なんでもないです。ほんと。
やっぱり礼儀って大事だと思うんだよね。
だから俺は、神に向かって頭を下げる。そして静かに言う。
「《エクスカリバー》」
攻撃は神の右肩に吸い付くように向かっていく。俺は頭はそのまま動かして目だけで神を見てみる。すると、まるでアホ毛の方が避けるように神の左側に外れる。
なんで左に外れてるの? 右肩に当たりそうだったよね。右上から斜めにいったのかな。振り下ろしたはずなんだけどなぁ。
にしても《エクスカリバー》だったからダメだったのかな。だとしたら《エクスキャリバー》とか《エクスカリボール》とか《カリバーン》とか《黄金の剣 (ただの金でできた剣)》とかなら良かったのかな。
と、急に全身の筋肉が固まって動けなくなる。
その直後冷や汗が止まらなくなり、とてつもない重圧が体を襲う感覚があり、頭が回らなくなる。
気付けば遠くに居た神様の姿が消え、首に短剣が当てられていた。冷や汗が止まらない。
多分、神様がしているのだろう。背後からは気配らしきものがくる。振り向いてはいけないような気がして後ろに向くことが出来ない。
「自分よ…在を敬えよ。無駄な勇…な。命を…しろ。勝て…にだけ、勝…込みのある…に力を…、勝て…手にはプラ…て何とし…き延びろ。お前が最…希望なんだから。」
神が何か言っているが内容が頭に入ってこない。
すると、今までの圧や恐怖、緊張が嘘のように消え、元居た位置に神様が戻っていた。
「なんだったんだ。いまの…。」
あれはやばかった。どれくらいヤバいかっていえば俺でも分かる喋ったら駄目な雰囲気の時に、大勢の人の前で発表する時に追加で、フルコン手前の難しい音ゲーしてるときぐらい緊張した。
こんなことを考えられる程度には思考能力が戻っているらしいね。
「あの状態になると会話が出来なくなることは困るのう。」
何事も無かったかのようにまた、偉そう (失礼)な口調で喋り始める。
「さぁ、一成も早く見た目を決めよ。隣のあやつはもう決めておるぞ。」
神様は言いながら、視線を左に向ける。
それと同様にして俺も右を向く。
――するとそこには金髪赤目の美少女が居た。肩甲骨辺りまで伸びた後ろ髪はポニーテールにされていて、左右の前髪は顔に沿って少しカールしていて、その金髪の中で一際目立つ赤目はアクセントになっていて、可愛い。
だが、まな板な部分は変化してない。
いや、待てよ。こいつ蒼だよな? じゃあ少し可愛いってことにしようそうしよう。ていうか髪と目変えるだけでこんなに人って変わるんだね (まな板以外)。
蒼が既に外見を変更しているので俺も急いで薄めの茶髪と灰色の目にする。
髪型はもう変えなくていいよね。うん。面倒だし。
「決まったようだな。なら簡単に説明するぞ。今から送る異世界には魔法やレベル、HPなどのステータスがあって、魔王とかエルフとか獣族など色々な種族がおる。目的は先程言ったようにない。だから魔王を倒しても、魔王になっても、ハーレムを作ってもよい。ここまでは良いな?」
俺と蒼は黙ってうなずく。
ハーレムを築いて楽しめるのはヨウの陽の者だけなんですよ神様。・・・①
つまり、スクールカーストのどこにも属さない (自称)この俺は楽しめないし、むしろ窮屈なんですよ。そして、ハーレムものってどう足掻いても勝手にハーレムになるんですよ神様。・・・②
でもまぁ①②を知ってるのはラノベを読みまくってる俺みたいな人だけだと思うんですよ神様。・・・③
①②③より、神様≠ラノベ読みではないと思うんですよ神様。・・・④
だけどハーレムを知ってる辺りで少しは二次元について知識があると思うんですよ神様。・・・⑤
④⑤より、蒼のような人だと推測する。
QED証明終了。
神は俺の神 (これをxとする)の正体の証明の思考を無視して話を続ける。
「よし、後は貴様らで頑張れ。これ以上一成と居ると命の危険がありそうなのでな。」
神は右手を自分の身体の前にかざすと、ここに来る転移の時のような輝く魔法陣が現れ、最後に
「達者でなぁ〜。」
と言い俺たちを送り出す。
輝きが一層増し、光が俺たちの身体を包み込む。
――黄緑の空間に行く時には無かったジェットコースターで下る時の内臓がふわっとする感覚の後は気がつくと草原にいた。
神様、最後の最後でふざけないでください。ふざけるならもっと面白くふざけてください。
隣では蒼が圧から解放されたかのように深呼吸している。そして、服装がこの世界に合わせたような感じに変化している。だが俺たちはその事は気にしない。
「ふわぁ〜、ふぅ〜。なんで一成、初対面でしかもあんなになんていうの? 圧? がスゴい人とあんなふうに喋れるの? 」
「だからあんなコミュ障みたいになってたのか。いや、別にそこまでの圧はなかっただろ。俺が死にかけてた時以外。」
「待って死にかけたの? いつ? 」
「ほら、神が唐突に消えた時の。」
「あー。あのときはほんと死ぬかと思った。」
「まぁ、あれは俺が神様に向かってドライヤーをすべき黄金の髪 (剣)を振り下ろしたからだな。」
「待ってあれ一成のせいなの? 」
「まぁ、うん。やっぱり礼儀って大事だからな。」
「確かに大事だけど、それでなんで死にかけるの。」
「そりゃあ剣でぶった切ろうとしたからな。」
「え? 礼儀って言ってなかった? 」
「礼儀で切ろうとした。」
「え? どゆこと? まぁ、いいや。 ところで地面になんか置いてあるけど、これなに? 」
いつもの会話をする。そして、床をみると《大剣》と初期武器にありそうな《ピストル》と《黒い本》と《紙切れ》が2つと《小さな袋》あった。
紙切れの大剣に近い方を拾って読んでみる。
『君は大剣しか使っちゃだめだよ! それ以外を使うとボク、怒るからね…』
なんだこのおとこの娘みたいなセリフ。
レビュー、ブックマーク登録、感想お願いします。




