四十六話 テンプレはどこに行ったんですか?
「イッセイ、今日とあることをしてみませんか? 」
うん。なんて? そしてなんで?
「だから、遊びませんか? 」
返事がなかったことを聞こえなかったと捉えたのか、分かりやすく言ってくれる。
「いや、いくらあの報酬が高かったからって遊び続けてれば、足りなくなる思うんだが。」
「そうですか……。楽しみにしてたんですけど……。」
やばい、カピュアが悲しんでるよ! これは阻止しなきゃ!
「まぁ、明日から頑張れば良いんじゃないか? 俺も遊びたい気持ちはあるしな。」
「それじゃあ……あっ。イッセイがそこまで言うなら行ってあげてもいいですからね! またまた暇だったから誘っただけですからね! 」
思い出したように小さく声を漏らして、セリフを修正する。
それにしても…
「なんで急にそんな口調になったんだ? 」
ツンデレのカピュアも可愛いけど。ツンデレヤンデレクーデレデレデレ全てが可愛いと思うけど!
「アオイさんに言われたんですからね! 」
ん? ツンデレにしてはやけに素直だね。
まぁ、これは蒼が諸悪の根源って分かったね。
「そうなのか。ところで、遊ぶって言っても何するんだ? 」
「ちょっとした心理テストですからね! 勘違いしないでくださいね! 」
あの、勘違いする要素がどこに……。
勘違いしないでっていうセリフで思わず呟いてしまう。
「ん? デレた? 」
あ、このセリフ良くないやつだね。好感度のない人だと引かれる確定演出だよ?
「べ、べ別にデレてないことないんですからね! 」
なんか、案外感触悪くないのかな? 違和感はあるけど。
「イッセイなんて、別に嫌いじゃないですからね! 」
そこに畳み掛けるようにツンデレ?発言が炸裂する。
え〜と、嫌いじゃないだから、二重否定になって、好きってことかな。でも、ツンデレの法則を考えると逆になるから……。うん。うぅぅ。
なんか、涙出てきた。うるうるする。
カピュアのツンデレの真理に気づいてしまった俺は自然と目に熱い液体が溜まる。そして、頬を伝って流れていく。
「ちょっと、大丈夫ですか? ! これ使ってくだ……イッセイが涙流してると私が惨めに見えるんですからね! これでも使えばいいじゃないですか! いつもより醜くなってるんですから。」
やめてください。これ以上傷を抉らないでください。ここに来てツンデレ性能高くならないでください。そして、ハンカチをありがとうございます。
素直にハンカチを受け取り、涙を拭う。
うぅ。そういや、今日3日目なんだよね。うん。今日入れて後5日で告白しろと? 無理だよぉ。うぅぅ? 泣けない……。なんだろう。カピュアに嫌われた以外で泣く理由がないよ。
とりあえず涙を拭いて深く落ち着いて呼吸すると、少し気分が良くなる。
「心理テストってのはしないのか? 」
「もう大丈夫なんですか? べ、べ別に安心してませんからね! 途中でなにかあったら大変って思っただけですからね! 」
このツンデレに見える素直っぽいのなんなの? 素直ツンデレなの? 素直クールの反対なの?
カピュアが新ジャンル開拓したの? それとも嘘をつけないようなカピュアの性格がアダとなってるだけなの?
「恐らく大丈夫だ。早速心理テストを始めてくれ。」
「そう言うなら始めますよ。」
カピュアのキャラが迷子! 天然で純情なキャラでいいんだよ?
カピュアはポケットから取り出した紙を読み上げていく。
「まず1つ目は好きな人……。好きな人と海外旅行?に行くなら次のうちのどこですか?
A秘境
B遺跡
C大都会
D南の島」
好きな人で照れて、海外旅行で疑問詞つけて、読み切る。
そっか、ここだと多分島国じゃないから海外旅行っていう文化がそんなにないのかな。
まぁ、そんなの南の島一択かな。南の島だともしかすると水着みれ……拝めるかもしれないし。崇拝できるし。
「南の島だな。秘境は迷子になりそうだし、遺跡は興味無いし、大都会は苦手だしな。」
「私も南の島ですね。海水浴とかしてみたいです。
えーと、これは恋に夢中になる度らしいです。南の島だと、100%みたいです。周りが見えなくならないように注意ですよ。」
好きな人って時点で嫌な予感はしてたけど、やっぱり恋愛系だよね。これも蒼が黒幕だよね。まぁ、カピュアのタイプを知れるならいいかもだけど。
「2つ目は相手にバラの花束を贈ります。白と赤を何本ずつ入れますか? バラの数は合計で20本にしてください。」
うーん。赤薔薇も綺麗だけど白薔薇も良さそう。確か白薔薇の花言葉が 『永遠の愛』だったはず。なら白薔薇と赤薔薇半々かな。
……いやでも待てよ? 赤薔薇と白薔薇の組み合わせた花言葉は 『打ち解けて仲が良い』 『温かい心』だったはず。ならカピュアに贈る時は全部白薔薇にしようかな (自然と贈る相手がカピュアになっている恐怖)。
「俺は白薔薇だけで20本だな。……別にいいんだよな? 」
「書いてませんし、いいんじゃないですか? 私は10本ずつですね。その方が綺麗に見えそうです。
今回は、好きな人に尽くす度らしいです。白薔薇が多ければ多いほど尽くしたくて、赤薔薇は尽くされたい見たいです。」
俺は完全に尽くすタイプだし、合ってる。2次元に尽くすとか完璧にそれだもん。尽くされないもん。
……言ってて悲しくなってきた。
「3つ目は恋人が魔法をかけられてしまいました。何に変身させられましたか?
A犬
B馬
C牛
D鹿」
猫やウサギがないのがものすご悔やまれるね。俺にとってのカピュアって猫とかの愛玩動物と似たよう扱いだから。まぁ、強いて言うなら犬かな。
「俺は犬だな。恋人が馬や牛、鹿になるところを見たくないという願望が強いが。」
「私は……。これってキメラはダメなんでしょうか。犬と牛迷っていまして……。」
「別に良いんじゃないか? 心理テストならどちらかに傾けておいて、2つ選んでおくって方法もあるだろうしな。」
「なら私は牛です。
これは恋人に求めるものらしいです。犬が愛情、牛が誠実さです。確かに両方欲しいです。」
うん。けど、カピュアが牛になってる所を見たくない (カピュアを勝手に恋人にしている恐怖)。
「最後は草原で四つ葉のクローバーを探しています。いくら見つけることが出来ましたか? 」
四つ葉のクローバーか。うーん。根気よく探してせいぜい2個かな。
「俺は2個だな。俺の運の悪さからすると、2個見つかるだけでも奇跡に近いが。」
「私は5個ですね。
これは自分のことを好きな人の人数らしいです。
私、こんなにモテないんですけど。おかしいですね。」
え? カピュアを好きな人が5人もいるの?
俺とあのスメイト以外に3人も居るの? 抹消する?
それに、俺のことを好きな人が2人いるのがおかしいよ? せいぜい1人だよ。しかも2次元で……。
なんだろう。心理テストしてるはずなのに心を抉られてる気がする。
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「ねぇ、一成? 大丈夫そ? 」
心理テストをした日の夜、カピュアが居ないときにまた聞いてくる。
毎回思うけどこのタイミングなんなの?
それと、女子の言葉でよく聞くそのセリフなんなの?
「クラスの女子がよく使ってたが、なんなんだそれ? 」
「えっ? 知らないの? 流行ってるよ? 」
「今の流行りってタピオカじゃないのか? 語尾にタピ〜ってつけないのか? そだね〜じゃないのか? 」
ナタデココじゃないの()? チョベリバじゃないの()?
チョベリバって超バッドを超えた意味合い。超ベリーバッド……つまりはさいあく〜ってことらしいね。
少々歳を重ねたネタい手がネタとして使ってたからしれたんだよね。
「いちいち古い!し語尾にタピ〜はおかしいでしょ! なに? それいいよねタピ〜って言うの? 」
「いやその場合はよねが語尾だから、それいいタピ〜だな。」
「だからおかしいって! 古いけどぴえんとか指ハートは分かる? 」
「指ハートは何となくは分かるな。ぴえんは曲なら分かるが。」
「逆に知らないんだけど?! ぴえんに曲なんてあるの?! 」
蒼のせいでこんなことになっているのに、かなり呑気だなぁと思った会話だった。
クスリとでも笑った方、鼻で笑った方は是非、
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