三十七話 距離縮め作戦!
挿絵描いてるんだけど、投稿遅くなったらそのせいだと思ってください
今日はめっちゃ動いて汗もかいたし、たっぷりお金が入ってきたって事でフェルと温泉に来ている。
そういえば、一成に
「蒼が温泉温泉っていうから騙されてたが、あれは銭湯だろ。」
って注意されたけど、似たようなもんだしいいよね。
しっかりとシャワーで体を綺麗にしてからお湯に浸かる。
隣を見ると、フェルがくつろいでいる。
肌も一成より白いし、細いし、胸だって大きいし。だけど、一番は可愛いし。
一成より白いってだいぶだよ?
一成が好きになるのも分かるけど、でもずるい!
せっかくだし、フェルの好きな人とか聞き出したりしようかな。そうすれば一成の役にも立つし。……?
普通に一成が理由に出てきてるんだけど。
とりあえず聞いてみよ。
「ねーねー。フェルって好きな人とか居ないの? 」
「べべべ、別にいませんよ! 」
顔を赤くして、分かりやすく慌てる。
「ホントに? 気になってる人とかは? 」
「い、いないって言ってるじゃないですか。」
「そーなんだ。じゃあ、一成は私が貰ってもいいんだ。」
フェルは驚いた顔をした後に、ガッカリする。
「アオイさんってイッセイの事が好きだったんですね。イッセイはかっこいいですもんね。」
諦めるような声に応援が混じっている。
「冗談冗談。ちょっとからかっただけ。……でもガッカリしてた? 」
本当に冗談なら良かったのに。
「そ、そんなことありませんよ。」
フェルはあんなにガッカリしていたのに認めようとしない。
頑固なんだから。
「あのねぇ、フェルなら知ってると思うけど、好きな人はアピールしとかないと気づいたら他の人に取られるよ? この人は私が好きだから告白したらダメ!って言うようなもんだもん。」
「みんなの恋バナにそんな意味があったんですか……。」
目を丸くして驚いている。
え? 知らなかったの?
「で? 好きな人は居ないの? 」
「イッセイの事が……好き……です……。」
顔を真っ赤にして俯いて答える。
なんでこんな告白シーンみたいになってるの?
「やっぱり? なんで好きになったの? 」
「それは……。初めて会った時から、少しカッコイイなと思っていまして、助けてくれた時に……その、完全に……。」
私はなるべく相槌をうって話しやすい雰囲気にする。
「うんうん。それでどこが好きなの? 」
「助けてくれるような優しいところや知的なところですね。後はカッコイイですし、時々見せる可愛いところもです。」
アニメ話をする時の一成みたいにスラスラと話してくる。
好きなものを話す時って普通こうなるのかな。
「告白とかはしないの? 」
「む、無理ですよ。私なんて。」
両手を顔の前で振って否定する。
なんでこんなに自分に自信が無い人が多いの?
「自信が無いなら私が手伝ってあげようか? 」
「いいんですか? ! 」
「別にいいけど、告白するのはフェルだからね? 」
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銭湯から二人が帰ってくるのを待っている。
特に時間潰すものが黒本しかないし、魔法の種類でも考えとこうかな。
うーん。氷と火で水作って、高温の火と大量の水で爆発魔法!とか出来ないかな。後は空間魔法だって投影した武器を貯蔵庫から飛ばすとかしてアーチャーになりたいし。
……あの世界だとなにか飛ばせばアーチャーだからね。そのうちガン飛ばすからアーチャーとか出てこないかな。拳でセイバーとかもいるしいけるかも?
そんな益体もないことを考えているうちに二人が帰ってくる。
扉が開く。天使がいる。俺が死ぬ。
実際にそれぐらいなんだよ!
少し湿っている髪の毛のカピュアも可愛いし、それとパジャマっていうのがなんとも言えない風にマリアージュってるし。
何故か、蒼は黄色いマウンテンパーカーを着ている。
「お前は月の型系ヒロインか! 」
最近このタイプのネタが多いから気をつけないと。
「待って? 月の型系ヒロインってなに? ! 」
「剣からビーム出すか、赤い線や点が見えるやつだな。ちなみに線や点をなぞったり突いたりすると、死んだ状態になるな。」
「そんな物騒な人と一緒にしないで! 」
物騒とか言ったらダメです。人気度高いんです。厨が多いんです。叩かれるんです。
蒼は補足する。
「単純に寒いかなと思って着てるだけだし。」
カピュアが置き去りになってる! 大変だ!
なんかテンションがおかしいんだけど。
この日はこれ以上特に何もなく終わった。
強いていえばカピュアが魔力回収に来たことぐらい? 後ろから抱きつく形で吸収されて、黒本の内容が全く頭に入ってこなかったね。マジ天使。
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「かくれんぼしよ! 」
「脈絡どこ行ったんだ。自粛中なら引っ張り出してくれ。」
蒼が何故か脈絡もなく、かくれんぼをすることを提案してくる。
かくれんぼなんて子供っぽい遊びしたくないんだけど。
「だって一日中暇じゃん。」
「かといってなんでかくれんぼなんだ。暇なら狩りにでも行ってくれ。遊ぶならカピュアも他の遊びがいいだろ? 」
俺はかくれんぼ反対勢力を増やすためにカピュアに同意を求める。
「かくれんぼ……。楽しそうですね。私もしたいです。」
うん。かわいい。かくれんぼをしようとする無邪気さがかわいい。
仕方ない。カピュアに合法的に触れることができるし (触れるところには細心の注意を払え、命令)。
「二対一で俺の負けか。隠れ鬼ごっこでも問題ないか? 」
かくれんぼには嫌な思い出が……ないね。かくれんぼをそんなにしたことないから。
でも! でも、見つかることなく鬼が帰ったら……。……うん。監禁罪で訴えよう。
「なにそれ? 普通のかくれんぼだって。ルールは鬼がドアの前で30数えたら探し出して、最初に見つかった人が次の鬼。それでいい? 」
隠れ鬼ごっこを知らないの? 後ろから触ってアウト!って言うと鬼が次の鬼をする。
このルールだと俺の気配の薄さが際立つからね。
カピュアは頷いて肯定している。
「それで良いが、鬼は俺からでいいか? 」
二人から良いと返事が返ってきたので、ドアの前でカウントを始めた。
これで音もなく背後から近づいて気づいたら死んでたなんて事ができる!
30秒を数え終えた俺は蒼を探す。
もちろんカピュアも探すよ? 蒼を見つけた後に。
とりあえず、この中だけだからしらみ潰しに探そうかな。
いや、その探し方はこのゲームの趣旨に反する!
かくれんぼというのは見つける側と隠れる側に分かれてするもの。
それをヒント無しで見つけるということは相手の心理を読み、居そうな場所推測することで思考力を鍛えようとする大人達の思惑があってこそ生まれた遊びってことと考えられる。
なら、その思惑通りに動くのが世の常というもの。
蒼が居そうなところかぁ。蒼は俺の裏をかいて案外簡単なところ? いや、裏をかくのは場所的なものだけかも。てことは案外近くで平凡的なところ。
俺は一階のキッチンを探しに行く。
途中で綺麗な緑色のものがチラッと見えたが気にせずに突き進む。
えーと、蒼だしその辺歩いてたらエンカウントしないかなぁ。
真面目に考えたら棚の中とかだろうけど、そこではないかな。音とか聞き取りやすくて見えない場所は……。
俺は予想した場所まで移動して、音もなく蒼の肩を触る。
「えっ! 」
肩を大きく震わせて驚き、慌てて振り返る。
いやぁ、棚とかは自分で閉められないからね。……工夫すればできないことは無いけど。カーテンの裏とか思わないじゃん普通。簡単すぎて。
「みぃつけた。でいいか? 」
俺はホラー感を出すために耳の後ろで低音の囁きをする。
「怖すぎだって! 影薄すぎ! 」
影薄い事で定評のある朝霧一成だぞ?
「そりゃあな。過去にとある建築という機能があるバトロワゲームで自動徘徊型botがいた時に頭に?が出たままでぶつかっても! にならなかったからな。」
「もはやバグ! チート! 」
蒼を見つけたことで、チラッとみえた天使を見つける。
「見つかっちゃいましたね。初めに見つかったアオイさんが次の鬼ですね。」
そうして、次のゲームが始まる。
なんだろう。ものすごく嫌な予感がしてきた。




