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この世の朝は未だ遠く 〜Zwischen Traum und Erwachen〜  作者: レンリ
一章 三千大異世界

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二十六話 諦めの悪さ世界一

実は、前回の投稿で読んでくれる人が減ることを心配してた。

 





 ――ッ!


 意識の覚醒とともに目を開ける。


「2、3、5.、7――」


「あっ、もういいから。」


 俺のモーニングルーティンを蒼が中断させる。


 むっ……。せっかく素数に変えてたのに……。


「それより、フェル取られたけどいいの? 」


あれ? 俺またなにかやっちゃいました? (ダメなタイプの事件)


「いいわけないだろ。」


 カピュアとは絶対に同じパーティに居たい。だって、あんなに癒される存在いる? いるならそれはもう猫ぐらい? いや、猫ですら勝てないね。


「やっぱり、好きだから? 」


「性格を好意的に思えるのと、これからまた新しい人と関係を作り上げないといけないとか無理な気がしてな。」


 引きこもってないからまだ初対面との距離の詰め方は分かるけど、実行に移すのが難しいからね。一度仲良くなれば余裕なんだけどなぁ。


「そうそう。そういえば一成が気絶したあとでみんな悪口言ってたじゃん? そのときにフェルが文句言ってたよ。

「どこがカッコ悪いんですか! 何もせずにただ事を受け入れるよりは、それに抗って、自分の意見を通そうとする方が、よっぽどカッコイイじゃないですか! 勝てないからしない方がいいって言うんですか? そうやって自分を危険から守って、安全な生活だけを求める。そんな人よりはずっとずっとカッコイイですよ! 」って。」


 蒼が似ていない声真似をしながら言う。


 声真似するなら、もっと寄せて! (声優好きの切実な願い)


「そうか。なら取り返さないとな。」


「でももう負けたじゃん。」


「いや、前回はパーティがこっちだったからな。向こうのパーティの今でも俺が所有権を主張する権利はあるはずだからな。」


 そして、前回は相手の得意な実戦形式だったからね。今度は俺の土俵で戦ってもらおう。


「でも、負けたじゃん。もう会えないってわけじゃないんだから、諦めた方がいいんじゃない? 」


「俺を誰だと思ってるんだ。自称最弱の生ぶt……物体。もとい自称最も諦めの悪い男だ。」


「なんでだろう。カッコイイシーンのはずなのに、ものすごくダサい。」


 俺は雪辱を果たすため、立ち上がる。その手には一つのカードゲームが握られていた。


「ちょっ、待って一成。」


 蒼の制止を振り切り、ドアを開けて外へと踏み出す。


「いや今、夜だから。」


 窓の外は満点の星空だった。


 きれいだなぁ。フリートさんと一緒に見たかった。




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□


 夜中にギルドに行きそうになった翌日。俺はギルドで気怠い系女子の先輩ととあるカードゲームをしようとしている。


「はぁ? なんでアンタとまた戦わないといけないわけ? アンタはもう負けたの。分かるでしょ? 」


「それはパーティ登録がこっちにある状態だっただろ。今回はパーティはそっちにいる。それでだ。前回は先輩がフリートさんを求めてただろ? それと完全に逆の状況だ。俺がフリートさんを求めてるんだ。なら、それに答えるのが筋ってものじゃないのか? 」


 デタラメでめちゃくちゃな理論なのは分かってる。けど、取り返すためには仕方ない……。


「アンタねぇ、負けたのわかってる? しつこい男は嫌われるよ? 」


「大丈夫だ。俺がモテたことなんて一度もないからな。それに、俺はフリートさんが魔術師役をしていることを望んでるだ。他の人じゃ嫌だからな。」


 チラッとフリートさんを見るが、ずっと俯いたまま一言も喋らない。


 もしかして嫌われてる? やばい。分からない……。

 心当たりが多すぎて。

 なんで? フリートさんの手料理をお代わりしなかったから? それとも興奮していた決闘でカピュアって呼んだから? それとも何度も不安にさせたから?


 こう考えるとかなり心当たりがあるんだね。俺ってかなりの酷い男だね。


「なら、なにで勝負するわけ? また決闘? 」


「いや、前回は先輩の得意分野だったからな。今回は俺の得意分野のこのカードゲームで勝負してもらおうと思ってるが。」


「カードゲームなら得意だし、まぁ、アンタがそれでいいならやってあげてもいいわ。」


 そういうことで、フリートさんを争う戦いの二度目が始まった。

 これが俗に言う第一次カピュア大戦。第二次カピュア大戦である (大嘘)。




 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「ルールは 『月見花見有り』 『七点以上なら得点二倍』 『こいこいで相手の得点二倍』でお互いに20枚ずつ持っているこのコインを全て集めれば勝ちでいいな? 」


「説明ありがと。さっそくはじめよ。時間ないんで。」


 まず最初に親を決める。今回は先輩が梅の2月。俺が紅葉の10月で先輩が親になった。

 次に場に8枚、手札に8枚ずつ配ってあとは山札を置く。


 さぁ、試合(デュエル)スタートだ!


 これいつから月刊花札誌になったの? というか、今どきで花札のルールを知ってる高校生ってなんなんだろう。まぁ、中学の頃から知ってたけど……。なんならアプリでしてたけど……。

 そんなこと考えずにとりあえずは場を見なきゃね。


 手札には酒と桜がある。まずは酒を出してから、月見と花見の飲みを完成させようかな。


 相手はカス菊で青の短冊を取っている。


 さすがに自信があるだけ、酒潰しをしてくるかぁ。


 仕方なくここは花見の桜とカス桜を取る。

 運がいいのか悪いのか、ここで山札からカス菊が出てくる。


 これを潰せるかどうかだけど、どうやら持ってないっぽいね。


 そのまま残った菊を酒で決めて、花見で一杯の役が完成する。


 これで、俺と先輩のコインは25:15になった。


 次のセットはあまりいい札がなかったのでカス11で2点取った。

 そして現在。俺は相手がこいこいした状態でタネ5枚が揃っている。


 ここで引いたら2点……。いや! いまの手札ならいける!


バーサーカーソウル(こいこい)! 」


 相手の役を見るに、したいことができそうで良かったよ。ありがとうございました。ぺこり。


 相手の役が出来ていないところたす鹿を出す。


「ドロー! モンスターカード(鹿)!」


 これで、4点。いや、まだいける!


俺は止まらないからよ(こい)止まるんじゃねぇぞ(こい)


 そして、また役が出来なかったところに渾身の一撃を叩き込む。


「ドロー! モンスターカード(イノシシ)! これで蝶、鹿、猪が揃った。つまりこれで猪鹿蝶で5点。それに合わせて猪鹿蝶の追加効果により、タネ4枚……つまり4点追加! 9点に合わせてこいこいの2倍と7点以上により、4倍になる。つまりは37点で俺の勝ちだー! 」


 相手、13しかなかったのになんというオーバーキルなんだろう。

 まぁ、一回で取るにはどうしてもこうなったけど……。


 相手の完敗と言うことで、俺の勝ちになった。


 ちなみに、その後まだ1と1で引き分けと言い出して、リバーシ(オセロ)で勝負することになったが、過去に友達としてパーフェクトで勝った俺に勝てるはずもなく、パーフェクトとまではいかないが47:19と圧勝で終わった。

 そのため、フリートさんを取り戻すことが出来た。


 諦めの悪ささまさまだね。

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