二十四話 魔法練習
俺はココ最近、フリートさんと魔法の練習をしている。
もちろん、イノシシ狩りもしている。
……このイノシシの正式名称なんなんだろ。
1日目
今日は火魔法の初級魔法の練習
「――『火炎玉』」
フリートさんの手助け有りではかなりしっかりとうてるようになった。
2日目
今日もフレイムボールの練習
「――レイムボール! 」
フリートさんの手助けなしではあまり安定してうてないということで、何度も練習した。
「――イムボール! 」
「――ムボール! 」
「――ボール! 」
「――ール! 」
「――ル! 」
「――u! 」
「――ッ! 」
3日目
昨日の練習の甲斐があったようで、安定してうてるようになった。だから、他の技も試して見ることになった。
「今日は火魔法の他を試してみましょう。お手本を見せますね。 『火炎弓』」
空中に炎で作られた矢が出来て、放物線をえがいて飛んでいく。
電気属性が出来たら超電磁砲とか出来のかなぁ。
「さぁ、アサギリさんもやってみて下さい。」
いつもの体勢で魔法の準備に取り掛かる。
あの、いつになっても慣れないんですが……。それより日に日に想いが強くなってるから、だんだん緊張するようになってきているんですが。
頭から煩悩を追い払うようにかぶりを振り、詠唱を開始する。
「光の速さで進み、岩をも貫くその威力。遠くからの攻撃で、全てを焼き尽くせ。永劫とも思えし時間の中で、受け継がれ、永らえる存在の炎よ――」
「毎回思うけど、大袈裟過ぎない? ! 」
「放て心の熱を、その熱を生み出した夢を、放物線を描き、射線にあるもの全てを焼き貫け! 『火炎弓』」
なんか、レールガンに引っ張られた気もするけど、気のせいだね。うん。そういうことにしておこう。
超電磁砲に引っ張れたせいか、またも発動しない。
おかしい。フリートさんの手助けあるのに……。
「アサギリさん。術に込める魔力量が少なすぎます。発動までの途中過程で全部使い切ってしまって、発動出来てません。」
「だから、発動しなかったのか。」
「もっと多く込めてください。」
「把握」
スライムの塊 (イメージ)を大きくして、再チャレンジする。
「パチパチして、めらめらってなる、がんがんグツグツしてるやつ。――」
「いや、語彙力どこいったの? ! 」
仕方ないじゃん。日々の詠唱で案がなくなったんだから。
「――バッとしてボウってなって燃えろ!『火炎―― 」
「待ってください! 魔力が多すぎます。暴発します! 」
フリートさんの慌てた声を聞いて、詠唱を止める。
「そんなに魔力量が多かったのか? 」
「はい。特級魔法から極魔法ぐらいの魔力量でしたよ。フレイムアロー自体は中級魔法なんですからもっと少なくしてください。」
極魔法って……神魔法の一歩手前じゃ……。
「少ししか増やしていないんだが……。これも制御器官があまり働いてないのが原因か? 」
「そういえばそうでしたね。中級は諦めて、特級魔法の練習をしますか? 」
特級魔法……。なんか、大魔法な感じがするなぁ。近距離……もはやゼロ距離でそんな魔法をうつと味方とか自分に当たりそうで怖い。
「なんか、自爆と、巻き添えしそうで怖いな。それに数回しか使えないよりは、何度か使えるものの方がありがたいな。」
「なら他の属性の練習をしますか? 」
「空間とかやってみたいな。」
空間を操って、ぐにゃぐにゃって曲げたり、空間隔絶とかで守ったりしたいし。なによりは移動が便利そう。
「空間は……基礎魔法が空間指定。初級魔法は空間を繋ぐ、空間接続等ですけど、難しい事で有名ですよ? 無属性の身体強化や闇魔法のデバフとかどうですか? 」
「その方がいいか。」
出来れば闇魔法で魔眼とか邪眼とかしたいけど、無理だろうなぁ。
「じゃあ、始めますよ。」
フリートさんがそう言うと、重力が弱まったかのように身体が軽くなる。
「感覚は分かりますか? 」
「身体が軽くなった程度だな。具体的には分からないな。」
「ならもう少し強めますよ。」
さらに身体に力が漲る。
感覚的にはEを細胞に纏わせて、強化している感じ?
……まだEって設定あったんだ。
「なんとなくは出来たが、詠唱はどうするんだこれ。」
俺がそう言うと、魔法が切れるのがわかる。
「無属性初級魔法 『身体強化』に付け足してください。」
「やってみるとするか。
人智を超えた存在よ。これより執り行うは古来より行われていた儀式。体の強化により、人の限界を超える。咎めるべからず。これは人を守るため。ただ暴虐行為をするためでは無い。されば、共に歩もうぞ。無属性初級魔法 『身体強化』」
先程までではないが、体は軽くなっている。
イメージとしては、胸から発生したEを体に行き渡せる感じかな。
試しに大剣を持ってみると、教科書がたくさん入っているカバン程度には軽く感じる。
この日はひたすら、身体強化を続けて発動して、慣れることにした。
4日目
「身体強化もいいんだが、闇魔法で魔眼とか邪眼って使えないのか? 」
「使えますけど、少し難しいですよ。目に魔力を込めてデバフをかける要領です。一度発動させると解除するまで使えるので、アサギリさんと相性はいいかもしれません。」
そうなんだ。赤い線や点が見えるかな。
「ちなみに種類って分かるか? 」
「多いですからね。全部は言えないかもですけど……。確か、素早さ低下の 『重圧の邪眼』体力減少の『衰亡の邪眼』幻を見せる 『幻視の邪眼』攻撃力を下げる 『非力の邪眼』防御力を下げる 『惰弱の邪眼』……あとは、空間との合わせ技で対象を曲げる 『歪曲の邪眼』時との合わせ技で未来過去を見る 『未来視の邪眼』などもありますね。どれにしますか? 」
「とりあえずは幻視と重圧がいいな。」
今、幻視を使った時のネタを思いついたからね。
これしかない! ってのが。あとは当てにくい大剣だから動きを鈍くしたいって言うのが本音だね。
幻視も当てやすくなるし。
「なら、まずは幻覚をかける感覚と素早さを下げる感覚を掴みましょう。」
フリートさんの手助け有りで行った幻覚・デバフをかけるのは、なんとも言い難い感覚だった。
5日目
今日も邪眼の練習中。昨日のおかげで使えるようにはなったが、まだ安定して打てない。
それと、片目でひとつずつとかいう蜘蛛とかでやればチートでは? みたいなことも扱いが難しくて出来ていない。
「幻覚を見せるのは成功していますから、あとは邪眼の練習だけで使えるようになりますよ。先に重圧の邪眼を完璧にしましょう。」
ごめん。俺は数学の休憩中に国語の勉強をやるような人なんだよ。
だからどうしたって言われても、何も無いけど……。
とりあえず詠唱をして、発動させる。
「世の中の全ての物には重さがある。物体の重さを上げ、重力を強くし、鈍化させたもう。生物よ。空間という名の監獄に閉じ込められたくなくば、その命を生贄に捧げよ。 『重圧の邪眼』! 」
そこら辺のイノシシに向けて放ってみる。
ごめんイノシシ。お前だけは絶対にこの邪眼で倒すんだ! 特に恨みはないけど……。それに足止めだけだけど……。
歩いていたイノシシは突然重力が強くなったかのように動きが鈍くなり、足を曲げる。
「うまく発動できてますね。あとは幻視の練習もしましょう。」
その後は、重圧と幻視の邪眼の練習をして帰った。




