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この世の朝は未だ遠く 〜Zwischen Traum und Erwachen〜  作者: レンリ
一章 三千大異世界

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二十二話 日常会話で3000を超える俺たちは一体……

「あっ、大剣忘れてたんだった。どうしようか。」


「それはもう、今すぐ取りに行きましょう。」


 フリートさんに言われるがまま、大剣を取りに行くことになった。


 いや、もうフリートさんは俺にとっての脊髄かな。だって、なくなるともう生きていく自信が無いもん。それに、行動の半分以上はフリートさんの言うことになってるし……。あれ? 脊髄反射でうごきすぎでは? これはもう脳の方がいいのかもしれないなぁ。


 大剣を取りに草原に向かうと、しっかりと突き刺さっている。


 よし、ここを原点Aとしよう。

 点Pがここから、点Bを通って点Cまで移動する時、AB間の式を求めよ。

 ……絶対求められないなぁこれ。


 なんとか引き抜いて、引きずりながら移動する。


 大変なんだよ! 自分の身長よりも長いから引き抜くにも柄持って引き抜けないし……。誰だよこんなことにしたやつ。もうフリートさんと付き合えよ。


 引きずっている大剣を見て、フリートさんは感心している。


「改めて見ると、アサギリさんの大剣……すごく…大きいですね…。」


「やめてくれ。分からないだろうが、その文字列で言い方は問題があるんだ。だから、やめてくれ。」


 それと、俺の心臓が持つかどうかも怪しいんです。なんか敬語になってしまうぐらいにはもう限界なんです。


「……すごく…大きいです…? 」


 フリートさんは首を傾げながら、そのセウト(セーフ&アウト)の単語を繰り返す。


「とりあえず、男の前では言わないようにしてくれ。男の前だけは絶対にやめてくれ。俺も含めてな。」


 このすごく○○です自体は問題ないんだけど、大きいですになった途端にかなりの問題発言になるからね。


 そして、大剣を交換してから宿に戻った。

 宿に戻ると


「遅いけど、また迷ったの? 」


 と蒼に心配されていた。


「いや、大剣を取りに行っててな。あぁ、あとついでに決闘に巻き込まれてたな。」


「待ってついでで言っていいレベルの事じゃなくない? ! 」


 あぁ、このツッコミが落ち着く。実家のような安心感。


「大丈夫ですよ。私が全部魔法の無効化をしましたから。」


「いや、怪我とかそういう心配じゃなくて! 」


「怪我してたら大変じゃないですか! 」


 うん。フリートさん。それを言いたい気持ちは分かる。俺もよくあるから。けどね、それをフリートさん以外がやると、何言ってんだこいつってなるんだよ。

 フリートさんは可愛いから何やっても許されるけど……。むしろ、天然な方が可愛いまであるけど。


「まぁ、怪我してても大変なんだが、蒼が言いたいのは俺がついでで言った事に対してのツッコミだから心配は別って事で合ってるか? 」


 蒼はうんうんと頷いている。


 これが幼馴染の固有システム外スキル 【共感覚もどき】だね。このスキルは相手の考えていることが何となくわかるっていう。だけど、俺の考えが奇想天外すぎて、蒼には伝わってないから完全なる一方的な 【思考盗聴】になってるけど……。なんでこんなに集団生活向いていないんだろ。


「いや、そんなことよりお腹空いたんだけど。一成早く作って。」


「料理が出来ないのは仕方ないが、もうちょっと頼み方があるだろ。」


「よかったら私が作りましょうか? 料理は少し自信がありますから。」


 フリートさんが料理を作る係に立候補してくれる。


 これで、メシマズ属性だったら泣くよ? 泣いてでも美味しく食べるよ? 手料理ってだけで死んでも食べる価値あるよ? ……蒼のは……ね? ……ね?


 フリートさんの料理を待っている間に蒼の料理の活用法を話し合う。


「そういえば、気絶料理で上手くいった方だったんだろ? なら上手くいかなかったときはどうなるんだ? 」


「上手くいかなかったとき? 前に電子レンジが壊れたことはあったけど……。なんか火が出て、放っておいたら壊れたよ。」


 あっ、察し。


「それ、金属製のもの入れたな? 」


「なんで分かったの? ! 」


 逆にこの仕組み知らないの?


「電子レンジの仕組み的にそうなるんだ。マイクロ波で温めているからな。金属がマイクロ波を反射して、結果的に放電して火花が散るからな。後は卵とか中が液体で密閉されているものとかなら爆発するぞ。」


 追加で言うと水分の含んでないものだと全く温まりません (幼い頃の経験談)。


「卵もやったことあるんだけど……。」


「卵でやろうとした理由を教えてくれ。」


「いや、それならゆで卵出来るかなって思ったんだって。」


「焼きそばパンを温めようとして三分ぐらい温めた俺が言えることじゃないが、常識を知らないのか? ちなみにその焼きそばパンは――」


「待って、その焼きそばパンが黒焦げになったでしょ。私だって分かるんだよ。」


 蒼が俺の言葉を遮り、答えを予想する。


「いや、途中で水分が全部無くなってあんまり温まってなかったのに加えて、水分が無くなったからカリッカリに乾燥してたな。小6の頃だったはずだ。」


「小6でそれはおかしくない? 三分は普通しないって。」


「どこぞの一成は常識知らずだしな。そもそも、常識を守らない蒼に言われたくないんだが。包丁で炭を作る蒼には。」


 本当になんで包丁だけで真っ黒になるの?


「あれは仕方ないじゃん。料理が下手なんだから。」


「料理が下手な人でも気絶はしないと思うんだが……。それより、かなり話を戻すが本当に失敗した時はどうなるんだ? 」


「知らないし。でも食べたら爆発したりするんじゃない? 」


 あっ、自分で認めるんですね。


「食べたら爆発することを認めていいのか? 」


「だって、食べたら気絶だもん。有り得ないことではないでしょ? 」


「いや、蒼の事だから意地張って下手でそんなことありえないって言うと思ってたんだが。」


「仕方ないもん。料理下手だもん。」


 あの、気絶はまだ分かるとしても、ギリギリで分かるとしても、百歩譲って分かるとしても、爆発は下手では片付けられなくない? だとしたら爆発事故だって下手だったで済ませられるようになるよ?


「狙って作るとか出来るか? 」


「わかんないけどできるんじゃない? 」


「後で使えなくなった食材を貰ってきてやってみるか? 」


 ほら、残飯とか生ゴミとか黒歴史のノートとか貰ってきてさ。


「いや、私だって爆発させたくないよ! 」


 せっかく蒼の料理下手が人の役に立てると思ったのに。いや、説得すればいける!


「何言ってんだ。料理は爆発だ! 」


「それはおかしくない? ! 普通爆発しないって。」


 粘土で料理作れば爆発するかな (小並感)。今どきの小学生分かるかどうか知らないけど。


「美味しい場合は比喩的な爆発で、蒼の場合は物理的な爆発だな。」


「だから私は美味しい爆発をしたいの! 」


「それは難しいな。」


「下手って言いたいの? 」


 今までにはなかった怒りが言葉に混じっている。


 なんで? だって難しいじゃん。


「いや、だって美味しい状態で爆発するんだろ? 爆発の原理を解明した後に、その料理を美味しいしないといけないからな。難しいとしか言えないだろ。」


「そっちじゃない! 例えの爆発! 」


「あっ、そっちだったのか。」


 いや、あの流れだと物理的な爆発を極めた後に味を極めると思うよね、普通。


「一成、天然って言われない? 」


 呆れたのか、蒼はため息をついて話題を変える。


「よく言われるが、身に覚えがない。」


 かなり言われるけど、理由が分からない案件。


「いや、それで? ! 」


「脈絡を掴めないのは分かってるんだが、それで天然になるのか? 」


「なるの! 自覚してなかったことに驚いたんだけど。」


「えっ? そうだったのか。つまりこれで俺も天然系ヒロインの仲間入りか。」


 これからは天然を売りにしていくべきなのかなぁ。でも天然とかわかんないし、うん。今まで通りでいいや。


「一成は確かに女子っぽい所があるけど、さすがにヒロインは無理じゃない? 」


「いや、分からないだろ。世の中にはおとこの()っていう属性だってあるんだからな。まぁ、初めからヒロインになるつもりは無いが。」


「ないならなんで言ったの? ! 」


「いや、天然で思いついたのがそれだけだった。後は自然に出来たとか、天然記念物とかか? 」


 そういや、天然な女子って本当に天然記念物らしいね。だいたいが養殖っていう俗に言うぶりっ子? らしいね。……天然系好きだったのに……。


「いや、いっぱいあるじゃん! 」


 そうだ。天然直せばいいじゃない。


「蒼の知り合いで天然な人っているか? 出来ればこの異世界に来てからで。」


「どうするつもり? 」


「天然のお勉強をするつもりだが。これからは天然発言しないようにな。」


 そういえば自然な方の天然を人工物に直す場合ってやっぱり加工? 俺は加工系男子になるの?


「いやでも一成は天然なところも合わせて一成だし……。私は気に入ってるよ? 」


「からかいやすいからか? 」


「そうだけど。」


 からかわれるの嫌だから直したいなぁ。


「まぁ、少しは直したいから今から過去にあった事を言うから天然かどうか言ってくれ。」


「なにこの漫才みたいな流れ? とりあえず分かった。始めていいよ。」


「よく、チャック付きのカバンを開けっ放しにする。」


「天然だね。」


 そうなのか。ただうっかりだと思ってたんだけど。ならこれもそうかな?


「よく言い間違えるが、人に指摘されるまで意識しないと気付けない。」


「天然だね。」


 待って? 俺の生活全部が天然だったりする?


「なら、テスト勉強していないのに上位20位以内に入る。」


「それは一成のスペックだね。ていうか、天然みんなそれが出来てたらおかしいでしょ! 」


「いや、最近は天然が少ないってネットで見たから……。違うのか? 」


 あのネットの記事は嘘だった? !


「確かに天然が少なくなってるのは事実だけど、順位と関係ないって思わない? 」


「思わないが。なんなら、他の二つも今までの関連で俺の体験であったってことぐらいしか関連ないしな。」


「そうだった。天然なんだった。」


 蒼の発言から推測したら、突飛な発言をするうっかりしていて常識を知らない人ってことになるね。あれ? どうやって直せばいいの?


「つまり天然は常識知らずのうっかりって事でいいのか? てことは……スナップボタンの表裏をよく間違えて付けるのも天然か。」


 なんでか分からないけど、凹凸の場所を間違えるんじゃなくて、凹凸はあってるけど、その裏表が間違えるんだよなぁ。


「そうかも。」


「勘違いしてるかもしれないから言っておくが、裏表って場所じゃなくて向きだな。」


「えっ? つまり、くっつかないように縫ってるってこと? 」


「そうだな。何故かは分からないが、毎回そうなるんだよな。縫い直した時も。」


 もはやそういう呪いにかかってるんじゃないかっていうぐらいには。


「待って? え? それ天然なの? わざとやってるとかじゃなくて? 」


「もちろんだ。わざとならもっと面白いふざけ方するしな。」


「それは違くない? ! 」


 かなりズレてしまった話し合いをしていると、フリートさんの料理が完成したようだ。

呪いの原因多分これだ。

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