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ハイデンハイムのローレライ  作者: 樹本 茂
第二章 Besucher -訪問者-
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会敵00-1 シュバルツバルト撤退戦 2

本編の2年前の話です。


不定期更新、会敵00シュバルツバルト撤退戦開始。




いつもと違う時間ですので、初めての方もたくさんおられると思いますが、本編もぜひ読んでいってください。

 俺は、俺達4名は、ライン川を望む崖の上でピクニックをしている。前方500mに掛かるライン川にかかるコンクリート製の斜張橋。その橋を望む崖の上で哨戒兼休息中で時間は1600時過ぎ、夜陰に紛れあの橋を渡るつもりで、人員の動きを見ながらタイミングを検討している


前方にかかる橋は、川幅200mほどのライン河に掛かり、川向いはすでに敵に落ちたとはいえ、数日前まで自国領だった場所だ。しかし、今は奴らの勢力内にあり、奴らの重要な補給路のはずだ。そして、それを示すように橋には、防御の為の簡易的な陣地を俺の国に向けて構築していた。


大尉(キャプテン)、あそこを通るおつもりですか?」


おつもりだ、敵勢の配置が丸見えのこの崖の上にあって、およそ20名の中隊規模で重機関銃を中心にした防御陣地を二つ構築していた敵情を見て、俺の隣の指揮官付きが相変わらずの無味乾燥のやり取りを始めようとしていた。言いたいことは分かっている。


「お前らしくないな、言いたい事があるなら言え」


「それでは、申し上げますが、あそこを私達4名で突っ切るのは不可能です。凡そ7.5%の成功確率と申し上げます」


何処から引っ張り出してきたかわからん数字を俺にぶら下げてきた。チームZ(ツェット)指揮ユニット4名。隊長、指揮官付き分析担当専任補佐官、通信使、忍者。

この、4スキルで真正面から、あの防衛陣地を突破するには、無理が有ることぐらいわかっていた。


「忍者の伏兵スキルを使ってだな……」


俺が場を和ませようとしたが、冷たく“ゴミ”とでも言いたそうな視線を切れ長クールな瞳から俺に向けてくる。

そういえば、こいつドSだったな。


そして、忍者について触れないと最後まで触れずに終わってしまう恐れがあるのでここで触れておく。主任務は指揮ユニットの護衛と随伴斥候だ。


敵領内深く分け入る俺達のチームZにあって、更に異彩を放つ忍者、常に指揮ユニットに付き従い常軌を逸した場所からこのユニットを守るユニットの守護、近接戦闘を最も得意として、やらせれば一人でもオーダーをこなす実力を持つ闇の暗殺者、物語最初からいるが極端に話さない控え目な男で小説とはとても相性の悪い忍者、今、そいつはこの崖に至る急斜面の何処かに潜み、招からざる客の侵入に対して哨戒任務をまじめにこなしている。だろう。


話を元に戻す。

橋だ。


手持ちの子供の粘土遊び程度のC4(プラスチック爆薬)では、とてもコンクリート橋脚、鉄筋欄干、直径メータークラスのワイアで吊られた、あのご立派な橋を落とせるとは思えないし、それに命令外だ、落とす気があるならとっくにやっていただろう、俺は、宮使いとしては、その辺を汲んで行動すべきだと肝に銘じている。


それにしても、確かにこいつの、指揮官付きの言う通りなのだが……


「指揮官付き、高確率の方法を教えろ」


「ここより10km上流に流れが遅く川幅が広い箇所がありますので、そこを潜航渡河することを具申いたします」


あちゃぁ、ビショビショだよ。

切れ長の鋭い、いかにも優秀でござれと言った目線で、俺を一睨みする指揮官付きから目線を外して、橋の防御陣地を見ながらため息を、俺はついた。

月~金 17時過ぎ更新です。

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