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ハイデンハイムのローレライ  作者: 樹本 茂
第二章 Besucher -訪問者-
24/68

会敵24 捜索対象者

「それで、ミカドいたのか?」


俺達は広場に戻り、大勢が尋問の為に集められている村人を見て聞いた。例のお客さんとかいう奴についてだ。


「それが、空振りだったようだ。また、出直しだな」


少しおどけて表情を緩めるミカドに俺は、


「何した奴んだんだ?」


少し見上げる程度のミカドの顔を見て行きがかり上、聞いているのだが、興味も特別ないし。ミアに至っては広場の井戸の傍でクルクル中だ。


「悪い、それは言えないんだ。機密扱いでな」


「ふ~ん。そうなのか」


俺はどうでもよかった。そいつが、何者でも。別に興味もない。


「若い女性なんだよ」


ミカドが周囲を伺い俺の耳元で呟いた。


「若い女性なぁ」


俺のオウム返しに、


「ああ、20代中盤くらいの女だ。そいつを探している」


俺はピンときた。まずいぞ。あの逃がした女だ。


「ミア! 何してんだ?」


俺はとりあえずこの場を離れてミアとフェーズ合わせしなければならなかった。幸いクルクル中のミアを咎めるが如く、その場を離れ、クルクル中の髪をさわりながら耳元で、


「こいつら探しているのはお前が逃がしたあの女だぞ」


呟いた。


「うそ!」


声でけぇよ。

ミアが目を丸くして驚いている。まずいなって顔を露骨にしているが、そのことは言うな、秘密だと言い含め、ついでにクルクルを続けろと置いてきた。


くそ、少し具合が悪くなってきたぞ。なんだろう胃のあたりが……まじめなだからな、俺は……


月~金 17時過ぎ更新です。

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