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ハイデンハイムのローレライ  作者: 樹本 茂
第二章 Besucher -訪問者-
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会敵16 ミアの野外シャワー

 まず言っておくわ。5日間シャワー無しとかほんと無しだから!


もう見てよ周りの連中、むさくるしい筋肉よ。30人。筋肉フェチにはたまらないんだろうけど。私、その性癖ないから、しんどいだけ。もう臭い臭い。オス臭い!!


ちょっと国境から奥に入った廃村でキャンプ中。


さっきも酔っぱらってあいつら私の事胴上げして喜んでた。“女神様を胴上げしろー”だって。何処の奇祭よ。広場を三周して解放されたわ。今度やったら12.7mm弾くらわしてやるから。


まだ、3日目。残り2日。

何でこうなった?


レオのご友人ミカド。ミカドがオーダーしたっていう作戦をレオが見つけて飛びついたの。別にレオの友達なら良いよって私も同意はしたけど、5日シャワー無しとか知らなかったし、ほんと勘弁してください。もう、そこの井戸で水浴びしちゃおうかな?見られてもいいや。でも嫌……


そのくらい追い詰められてる。自分で臭いのわかるし、頭かゆいし。ちっさい虫乗ってたらって思うとおかしくなりそう。


それに、この30人の自称精鋭部隊の奴ら、事あるごとに上半身脱いで私に筋肉を見せつけてくるの。


“上腕二頭筋がビッグバンしてるっ!“


とか言えば良いの?いや、そんな事言おうものなら30人列を作って一人一人に言わされそう。


だって会話のネタがプロテインの味の話だもの。


“マリア様、好きなプロテインはなんですか?”よ。


知らないよ。あんたら……まじか……大豆でヨーグルト風味とか言えば、いなくなるかな……


何だっけ?そう、シャワーよ。


「ねぇ、レオ。私シャワー浴びたいんだけど」


ミカドと酔っぱらって盛り上がっているレオに言ったの。


………………


何でこうなった?


筋肉野郎30人が何故か上半身裸で後ろ向きで円形に井戸の周囲を取り囲み、お互いが腕を組んで壁を作って、


「マリア様、どうぞ」


副官が手を取って、筋肉の檻の中に私を誘ったの。なんか違う。こんなんじゃない。

……でも、もういい。頑張って洗うわ。


なんかありがとうございます。もう、わがまま言いません……


月~金 17時過ぎ更新です。

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