会敵15 ミアの命綱
「レオ、このご婦人を紹介してくれないか?」
ミカドは、鏡の前で練習していたのかと言いたいくらいのいい笑顔を見せていて、とうとう待ちきれずに聞いてきた。
「ミアだ。俺の相棒。腕は確かだ安心してくれ」
「ミア、初めまして、レオの古い友人ミカドだ。よろしく頼むよ」
ミカドは良い声と決め顔で、ミアに手を差し出して挨拶をしている。好感度を上げようという作戦らしいが……
「ミカド、ごめんなさい。レオの紹介がいけなかったのね。私はマリア。ミアと呼んでいいのはレオだけなの」
右手を出してミアは笑顔で挨拶をした。
「これは失礼しました。マリア。もしよければ、背中のお荷物を私たちがお持ちしましょうか?」
ミカドはミアの答えで俺との関係を察したようだ。
ミアはいつものボルトアクションの狙撃銃と5日分の大切なものをしまい込んでる大型のシステムザックを背負っている。華奢なミアが背負うと、派手にでかく見える。それを見かねて、ミカドは手を差し伸べたのだろうが、
「気持ちだけいただきます。これは私の命綱。決して人にゆだねることは無いの。あなただからってことではなのよ。気を悪くしないで」
潤んだ碧い瞳でミカドを見つめ、答えを返した。
ミアよ。知っているぞ。携帯式クルクルカーラーと化粧セットにマニキュア。下着セットと洋服5日分。行動食なんて俺がお前の分まで背負ってるじゃねぇか。それがお前の命綱だったのか……それじゃ、是非ともクルクルカーラーで戦うお姿を拝ませていただきたいものだ。
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