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詩集その1

言葉のある世界は・オレンジ

作者: 浅黄 悠

「言葉のある世界は」


私が生まれた場所は

言葉の雨がふりそそぐ世界だった

眠りの狭間にさえ枕元に聞いていた

いつか誰かの話しごえの合奏を


眺め 味わい 戸惑い 遊ぶ

もはや何も言うことは無いほど

雨にうたれつづけている

これまでもいまもこれからも


言葉にしないと伝わらないというのが

この世界の常識なんだそうで

私たちは手を伸ばし雨をうけ

言葉によって生きている

言葉によって活きている

わけではあるのだけれど



近頃の私によると

人を死なせてしまうような言葉が

時折降ってくるらしい


すぐに傷つき怯えてばかりの弱さに呆れて

挙げ句の果てにそれが自分なのだと

自らナイフを振り回し始める愚行

世の中ナイフの雨ばかりじゃないというのに


まるで呪いのように感じはじめた頃

優しい雨にはっと気付かされる

それの繰り返し



傷だらけの腕を降る雨に翳して

「それがどうしたっていうんだろう」

そう笑えるあの人みたいになりたいし

絶対になりたくないような気もする





___君は今 どんな世界にいるのだろう

前に言っていた、その

言葉のない世界には行けた?




________


「オレンジ」


起きて階段をおりると

朝日の差し込む台所で

君がオレンジを切っていた


オレンジのまんなかですとんと包丁を落とすと

指先とオレンジの皮についた雫が

窓辺の光をうけてきらきらと撥ねた


隣に並んだ僕に気付いて

おはようと君が笑う

誰かを愛しているってこんな気持ちなのかもしれないと

そんなことを考える日曜日




読んでくださりありがとうございました。

「言葉のある世界は」の「私」や「君」が誰で、どんなシチュエーションなのかはとくにはっきりと定めていません(それでいいのか自分…)。

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