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1-1 召還、残された家族

「ネズミーワールドの大観覧車爆発、乗客50人生存絶望的」


 有名な遊園地で起きた大惨事。

 その事件が起きて10日たったある日。


「……………そうですか。 はい、はい……。 そうですね。 いえ、大丈夫です。 それでは……」


 山県組の事務所で粛々と仕事をする山県社長。

 最愛の娘と、我が子同然の従業員の死をいまだに受け入れずにいた。


「穂波町の武田さんち、老朽化したから建て替えるそうなんだ。 鉄っちゃん、銀太くんと見積もりにいってくれないかな?」


「…………」


「遥が学校から帰って来る前に出発してくれよ。 じゃないと自分も行くと行って駄々をこねるから……」


 鉄っちゃんとよばれた従業員は何も答えなかった。


「あなた……」


「そうだ、今日の夜ご飯は銀太くんの好きなうな重にしようじゃないか。 銀太くん、うな重ならいくらでも食べるからな」


「そろそろ銀太くんにこの仕事を任せてもいい頃合いかな。 銀太くんも人を動かす事を勉強してもいい頃合いだしね」


「社長、見積もりに行ってきます」


 鉄っちゃんとよばれた従業員は、一礼して出て行った。


チリリリン、チリリリン


「はい、山県組」


「私、ネズミーワールド株式会社管理部部長の鳩山といいます。 この度はご愁傷様です」


「……………」


「それでお葬式に社長が出席したいと行っておりますので、お葬式の日程をお伺い……」


「……ふざけるな」


「はい?」


「何が葬式だ! 貴様!! 遥を返せ!! 銀太くんを返せ!!」


「え、いえ、その……、当方と致しましても、事故の原因究明に全力を注いでおりまして……、決して観覧車があのような爆発を起こすことは有り得ないと」


「有り得ない、だと!? 現に!! 現におたくんとこの観覧車が爆発してるじゃないか!!」


「そ、それは、警察の発表の通りあの爆発はテロだと……」


 世間では、観覧車爆発事故の原因はテロだと断定した。

 では一体誰が何の目的で?

 なんでも犠牲者の中に某大物政治家が孫と一緒にお忍びで遊びにきて、それを狙われたとかなんとか……。

 某大物政治家の死によってその政治家が所属していた与党は混乱を起こし、野党は、やれ対応が遅いなどと攻撃材料を入手し、意気揚々だ。


「ご遺族の気持ちを少しでも考えたことがあるのか!」


「犠牲者の無念、それを晴らすことこそが私の使命だと自負しております!」


 野党は、私の気持ちの代弁だと声高らかに言う。

 私がいつお前たちにそう言ってくれと頼んだ?

 今回の事故であわよければ政権を奪取できるかもしれないという下心丸出しで、大義名分を得たようにピーチクパーチクウルサい。


「遥……、銀太くん……」


 私は認めていない。

 あの二人が死んだなんて!


まあ、政治批判ではありません。

なんていうか、やりきれない怒りと悲しみを誰にぶつけるか、ていうテーマのもと書いたらこうなったわけで……。

銀太らが召還された時期はまだ自民党が与党だった時期投稿していますが、ふじぱん自身、自民党は嫌いじゃないです。いっそ今政権持ってくる口だけの某党よりははるかにマシ……やめておきます。

消されたくないので。

なんだろ、こんな時間に来客のようです、それでは。

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