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復員輸送と星の海  作者: 173
復員輸送と少女の権利
4/4

エピローグ

〈お姉ちゃん!〉

「ああ……無事だったの……良かった……」


〈私、またヘマしちゃって……ごめんなさい……〉

「もう、いの。貴女が無事ならね。――目は? 目は、ちゃんと見えるの?」


〈そう! それなんだけど! 見えてるの! 凄い! 凄いよ!!〉

「そう……良かった……本当に……」


〈機雷の位置情報ばしょ内部構造なかみも全部! この目に見えてるんだよ!!〉

「え……?」


〈これで作業が一気に進むよ! 私たちの戦争も終わるね!!〉


  ◇ ◇ ◇


〈なるほど、軍医のは目だったか〉

「ええ。軍部に生体を請求されて、処分したかったようですね」


〈見事に掛かったようだな。軍部も軍部で大喜びだ〉

「連合に存在感が示せると言うわけですか。他には、何も?」


〈目だけでは鍵にならない。寧ろ、恩を売った気でいるらしい〉

「道理で負けるわけです、同盟は」


〈然し、粋なことをやったものだ。目をくれてやるとはな〉

「緊急事態の人道的配慮です。生体のためにも、必要でした」


〈人道的配慮! 素晴らしい!! なるほど、彼女らの作業は一気に進むだろうな。そうして、戦争が終わったあとも、彼女は戦争が見えている。愛する者と繋がるときも、幼い我が子を抱くときも、常に戦争が見えている。とても、とても、素晴らしい〉

「……ほんっと、良い趣味してらっしゃいますね」


〈彼女の戦争は終わらない。最高の仕事だ、艦長〉

「だから俺は――っ、また切りやがったな。畜生め」




復員輸送と少女の権利

       ―了―

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