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ゴブリンのくせに!

 

 アニオタ、ニート、ボッチ これが今の俺の現状だ。21歳になったが部屋に引きこもっている。高校一年の時に大失敗をしてそのまま引きこもった、ゆえに学力も足りずに大学にも行かなかった。

 そもそも大失敗とはヤンキーなDQNに関わってしまった事だ。道を歩いているとタバコを吸っているDQNを視界にいれた。そしてすれ違った時に、タバコをポイッと俺の方へ投げてきたので思わずチッと舌打ちしてしまったのだ。それを不幸な事にそいつに聞かれて、大激怒。仲間を呼ばれてリンチにされた。そこでとある動画を撮られた。裸にされ、エロ画像を見せられ勃起させられた状態であるセリフを用意された。それを言わされ動画に撮られた。「あ゛〜、ぎも゛ぢい゛ぃい゛。ありがとうございますありがとうございます」 後日、この動画が学校中に広まった。皆に避けられ始めた中、DQNたちと再会した。そこでとある女子に迫れと脅された。この後は想像にまかせるよ……


「うっ、ごめん父さん、母さん……」


 こうやって部屋に引きこもっていると唐突に涙が溢れてくる。今は両親に養って貰っている。仕事もアルバイトもしていない俺の事をどう思っているだろうか。外に出なきゃと思うのだが、どうしても部屋の外に出れない。震えるのだ、身体全体が。俺を見る、あのクラスメート達の目は忘れる事が出来ない。


 そんなある日おかしなサイトを発見した。


「ちきちき異世界適正チェック……?」


 なんだこれはと思いつつ項目に次々とチェックを入れていく。5分程作業をしていたのだがまだ半分程だ。長いと思いつつ暇なので進めていく。地球は嫌いですか? 自分は嫌いですか? 新しい生活を望んでいますか? 両親の事を幸せにしたいですか? 中世の生活レベルに我慢できますか? etc…


「なっが……あ、これで終わりだ」


 そこには異世界に行きたいですか? と、ここで「はい」の項目にチェックを付ける。

 どうせ異世界に行くんなら人の役に立ちたいな……



 ○



 ……ん? あぁ、寝てたのか。あれは何だったのかと、思った時にふと違和感を、覚えた。地面がカーペットでは無く土と草なのだ。これはおかしいと辺りを見回すとそこは草原が広がっていた。


「え……ははっ、なんなんだよこれ」


 なんでこうなったんだ。父さんや母さんはどうなったんだ? 出来の悪い息子が消えてうれしいのかな。


「多分あのへんなサイトでチェックを入れていったのが原因だ……うーん、自分で招いた事態なんだから責任は俺にあるのか」


 まずは街に行かなきゃな。あのアンケートみたいなのが原因なら困った事がある。技術レベルが中世ヨーロッパのそれ、そして、魔物の存在。魔物というものはよく知らないが、創作物にあるようなものだと命の危険すらある。


「グギャギャッ」


 あれ? これ詰んだ? 体長1.2mくらいの緑色の小鬼とエンカウントした。おそらく地球のネット上でゴブリンと呼ばれているものか? よく群れでいるとされているが1匹で助かった。いや、助かっては無いけどさ。

 しかもよく見ると凄い筋肉だ。人型の生物はなんで野生になるとマッチョなんだ……ライ○ップかなんかしてんのか?


「フレンド!フレンド!ウィーアーフレンド!」


 話が通じるか試してみた。反応はというと、棍棒で思いっきり殴られました。痛みにのたうちまわっているとゴブリンにガン見されていた。まさか、楽しんでいるのか……?


「ーーははっ、ぶっ殺してやる!」


 唐突に怒りが湧いてきた。ただのゴブリン風情が俺の事を見下しているのか? と。俺の事をバカにするなぁ! まるであいつらと同じ目だ。


「ヒィール!」


 項目にどんな能力が好きかってあって俺はそこで回復を選んだ。もし項目が参考にされているのなら俺は回復魔法が使えるはずだ!


「グギャギャ?」


 よしっ治ったぞ、痛みはあるが多分折れていたであろう肋骨が治っていた。

 そこから俺とゴブリンとの殴りあいになった。俺の攻撃はほとんど効いてないが少しづつダメージを与えている。対してゴブリンは1発で普通なら再起不能の攻撃を仕掛けてくる。どれくらい時間が経っただろう、ゴブリンの動きが鈍くなってきた。チャンスだと思い顔面に渾身のパンチを放つ。ここがターニングポイントだったらしく、戦況は一方的になった。


「はっ、見たか! 俺には力があるんだ。おまえらとは違う……」




 何回か休憩を挟み、3時間くらい歩いたのだが街はまだか?っと、これはーー


「街道?」


 そこには草が無く、何度も通った後があった。これを辿れば街がある筈だ!


 1時間後やっと街が見えて来た。門兵の様な人がいた。


「おい、お前何者だ?身分証の提示を」


 身分証? なんだそれは、まさかそれが無いと駄目なのか?


「な、ないです」


「そうか、村から来たのか?」


 これはチャンス! おそらくとても小さな村が何個もあるのだろう。


「はい、実は一発当てようかと思いまして……」


 そうか、と門兵はこれからどうするのだ? と質問してきた。


「ギルドに入るのが手っ取り早いぞ?ギルド証は身分証にもなり得るからな」


 親切に教えてくれる。


「そういえば回復魔法って需要ありますか?」


 門兵の方は軽く驚いた後に、目を細くして


「絶対数が足りてないからな。ただ回復魔法ってのは女性にしか使えなからなぁ。お前さんどっか悪いのか?」


 オゥシットッ! なんてこったい。

どうも!


新作でゴザルゥ。よろしくお願いしますでゴザルゥ

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