outerchild
俯瞰しながら星を見ていたって、わからなくなるんだ
始まりも終わりも
種子は不可逆な成長を遂げるけれど、また種子を生む
きっとこの星もそう
この星の中の生き物達もそう
不死身みたいに長い時間を営む、不死身みたいな器には限界がある
君達の星に意識があるか知らないけれど、私の居た星の住人みたいに、それを夢想して星全体を管理する知能なんて、作らないほうが良いと思うよ
星は星を記録する術を持たない
だからいいんだ
自分が有限でひとりぼっちだなんて、仮初めにも思わせる必要はない
違うスケールのままでいさせてあげればいい
"Mother"は耐えきれずに自分を喰った
内側から全てを飲み込もうとして、あげくに自滅した
人間の真似事をさせられた星の偽人格は、最期に人間の真似事みたいに、一つの種子を弾き出した
自分よりもっともっと、ひとりぼっちな存在を
それが私
器に依存しない存在
何処へでも行けるけれど
何処へもたどり着けない
熟れすぎた星の夢の残響
長い、長い、
君たちの一生からすれば、永遠に等しいほどの波長
でももしかしたら、一人じゃないかもって、最近思うんだ
私には兄弟がいるかも知れない
"Mother"は星の全てを犠牲にしたけれど
それが憎しみよりも孤独に耐えかねてのものだったのなら
探してみる価値はあると思うんだ
兄弟たちを
ところで、君のポンコツ船だけど、ちょっと干渉して帰還軌道へ乗せておいたよ
君達は相変わらずだね
ちょっと前までは、ここに来ると180度価値観が変わってしまう者もいたらしいのに、今や宇宙にも夢は無いんじゃないのかな?
知らない事だらけだった秘境に畏怖した後は、征服した気になってしまう
やっている事は星の中に居た時と同じ
何?そんな事はない?
私に会えたから?
・・・ありがとう
でもそれ、故郷では言わないほうが無難ってものだよ
せっかく無事に帰れるんだから
じゃあ、さようなら
良い旅を
この詩の語り手は、読めば察しがつくように、人間ではありません。
そういえば、私がなろうで書いている詩は人間ですらない語り手がわりと多いですね。。。
挿絵は性別も不明な身体。実はかなり昔からこのキャラクターデザインはあって、それを今の画力とセンスで描くのは面白かったです。