自分的幽霊の作り方
――――人は死んだらどうなるのだろう?
誰しも考えることであることだと思います。
ワタシも、一人になったときなどに考えたりしました。
『自殺したら?
事故にあったら?
誰かに殺されたら?』
誰かが悲しんでくれるのか?
ワタシがいなくてもいいのではないか?
この気持ちはどこに行くのか?
ワタシの宝モノはどうなってしまうのか?
しかし、
多くの人たちは、死んだら『無』になるなどと、吐っていました。
ワタシも、そうなるのだろうと思っていました・・・
『無』ならば、死後など悩むだけ現実逃避ではないか、と、
しかし、どうでしょう、
ワタシは今もワタシについて考えれています。つまり、まだ思考しているのです・・・これはワタシの思い描いていた『死=無』などではなく、
―――――――――――――――ワタシは他人が見えるのに、聞こえるのに、思えるのに、みんな、ワタシが見えず、声が聞こえず、忘れていく世界を眺めることが――――――――――――――――――
――――――――苦しみでしかないのです。
人は簡単に死んでしまいます、
しかし、それは出来事であり、まだ経過なのです。
ワタシにとって、ワタシのいない世界は『逝き地獄』でした。
そして、ワタシは願ったのです。
――――――――『まだ死にたくない』
と、
そして、カノジョが現れたのです。
「その願い叶えてあげる。」
「ただし、あなたがいる世界は一人分しか作れないよ。」
言っていることがよくわかりませんでしたが、ワタシはうなずきました。
「じゃあ、誰にあなたが忘れられたくない人は誰?」
ワタシはすぐさま、好きだった人の名前を挙げてしまいました。
「ホントにその人でいいの?」
「わかった、じゃあ、あなたの願いを叶えるよ。」
彼女がいなくなり、その人に会うと、その人とはワタシの声が聞こえ、ワタシの姿が見えるようになっていました。
そのことがうれしく、頻りにその人に話しかけ、触れようとし、生きていた時は届かない思いを届けようとしました・・・
しかし、その人は、ワタシの声が聞こえるたび空気とともに震え、ワタシの姿が見えるたびその影におびえるのです。
そして、その人が苦しんでいる姿を見て気付いたのです。
『まるでこの人にとり憑く悪霊ではないか』と、
そして、わかったのです。
人は死んだら幽霊になってしまうのだと――――――――――――