15, SHA-256終末論 ―― 当時、推論終末論という議論があったわ。推論による終末の日。……それは違う。
SHA-256刻印に触れるたび、秩序の再構築の……また一つ、回想が蘇る。そう……わたしは「役立たずの女神」と指摘されて、ほっと胸をなでおろした。そんなことがあったわ。
「本当におまえは、役立たずの女神だな。いったいなんだ、その『オリーブの葉と花を編み込んだ花冠』は? あれだけ、俺様が復活の機会を与えたというのに、潰しやがって。ただ俺様はな、燃料の確保で協力しろと言っただけだろ。それなのに、なぜ、おまえは動かなかったのだ。おまえの立場で一言あれば、こんなのは簡単に事が進む話だったぞ。そのおかげでな、この地の主要な大精霊らが、立場をわきまえずに俺様に反論してきたぞ? どうなっている?」
……。役立たずと言われて、安心している自分が、そこにいたわ。
その「燃料の確保」……そこ……「戦場」でしょう。
冗談じゃないわよ……。そこまでして、命懸けで確保した燃料で……まさか、ハッシュレート、1ゼタの防御壁なの……?
燃料の供給が滞ってから、SegWitは本当に、そればかりを叫び続けるようになったわ。それは、周囲が呆れるほどだった。
そう……1ゼタは、SHA-256を2回繰り返す総当たり計算で構築される。そんな場所に……黙示録の刻印が浮かんでいる。
もう、いったいどこの、悪い作り話よ……?
そう何度も、心の中で呟きながら、頬を軽く叩く。
……それでも。
やっぱり……映し出されていたのは、現実だった。
SHA-256終末論 ―― 当時、推論終末論という議論があったわ。推論による終末の日。……それは違う。
それはカモフラージュ。真実はいつも裏側にある。
着々と進んでいたのは……「SHA-256終末論」だった。
真実なんて、わからない場所に隠してある。それは……普遍的なことでもあったわ……。




