13, 女神様、みてくださいよ、量子の無様な姿を。RSAはいまだに22ビット。ECDSAに至ってはたったの5ビット。これでいったい、何ができるというのだ。
一つ、また一つ。ミラーアリスは好奇心の塊だった。
うん……わたしから、すべてを聞き出そうとしているのかもしれない。
もちろん、わたしだって知識を託すつもりで動いている。このことはね……風化させずに、しっかりと記憶に留めるべきだと考えているわ。あんな……「秩序の再構築」を繰り返さないためにも。
それで、わたしは……量子のFUDみたいなものにも、声をかけられたことがあるのよ。ええ……内容は、わかっていたつもり。
でも……その時は……採掘の特性はわかっていたけど、刻印を知らなかった。
それで当時……ショア側に対する量子は、たしかにあまり進んではいなかった。
正直、その頃よく耳にした「ECDSA 256ビットは五年後に50%の確率で破られる」という話は、さすがに誇張なのではないかと……そう感じていたのも事実よ。
実際に、強力なエンタングルメントかつエラー0を要求するショア。それをフルスケールで動作させるなんて、やっぱりまだまだ夢なのでは……そんな時代だった。
「女神様、みてくださいよ、量子の無様な姿を。RSAはいまだに22ビット。ECDSAに至ってはたったの5ビット。これでいったい、何ができるというのだ。」
「えっ? そ、そうね……。」
「そうですとも。そんな醜い姿をさらけ出す。あれだけ威勢の良かった割には、この有り様。この僅かなビット数により、馬脚を現した……そう感じませんか?」
「……。」
わたしは……それについて、何も答えられなかった。
「これで五年後に、ECDSAを破れる見通しなんて、もともと無かった気もしますよ。おそらく……十五年。それなら納得です。そもそも、高精度な量子ビットを大量に要求します。いかがでしょう?」
「それは……。」
その返答に、言葉をつまらせる……わたし。
ここまでは、そう……ショアの物語。
そのショアについては、実際の論文から引用する形で、こうして意見を述べてくるのよ。
ところが……。
そう……採掘とSHA-256については、論文に触れるなんて、そんなことは一切しない。
そんな矛盾が……実際に、常にあったわ。
いつも、こんな感じだった。……そのような行動は、結局……なんとなく、その点に気づいていたから。
そうよね。




