第1章28話:その後の対応
走り去っていったジャラン。
残された3人は呆れた目をしている。
「行ってしまいましたね」
とキルティア。
「あいつはしょうがないな。いったん魔物を倒すか」
「そうですね」
「うん、そうね」
とフィオネたちは賛同する。
3人はプラムタスに向き直った。
プラムタスが無数のツルを振るってくる。
しかしフィオネが一瞬で間合いを詰めて。
「はっ!」
ショートソードで一閃する。
ズバァンッ!!
プラムタスの本体が真っ二つに切断された。
緑色の液体が飛び散る。
プラムタスは動かなくなった。
「……相変わらず、すげーな」
「あっさりでしたね」
エレクとキルティアが呆れた目をする。
とりあえず素材を回収する。
「それじゃあ、ジャランを追いかけようか」
そのあと、フィオネたちはジャランが逃げていったほうに進んだ。
通路の奥へ進んでいく。
「……あれは?」
フィオネが足を止めた。
床に魔法陣のようなものが描かれている。
淡く光を放つ紋様だ。
「転送罠ですね」
とキルティアが言った。
エレクが転送罠を観察してから述べた。
「ふむ……起動されたあとのようだな」
「それってつまり?」
とフィオネが尋ねるとエレクが肩をすくめながら言った。
「決まってるだろ。ジャランがこれを踏んで、どこかに飛ばされたんだろうよ」
「なるほど」
とフィオネが納得げに応じた。
「マップで探してみるわ」
フィオネはとりあえずマップを確認する。
現在のフロアをマップで眺めるが……
(ジャランのマークが見当たらない)
ジャランはピンクマークで表示されているから、わかりやすい。
どうやら第5層にはジャランはいないようだ。
別のフロアに飛ばされたのかもしれない。
フィオネはマップ表示を切り替えてみる。
第1層。
第2層。
第3層。
マップは別のフロアも表示できる。
(ダメだ……地形しか表示されない)
魔物の位置を示す赤い点も。
罠の位置を示す紫色のマークも。
人の位置を示す点も。
何も表示されない。
表示されているのは地形だけである。
別の階の情報は地形だけしか表示されないのが、このマップスキルの仕様である。
つまりジャランがどのフロアに飛ばされたのか、マップでは特定できないということだ。
「ジャランは見つかったか?」
とエレクが尋ねてくる。
フィオネは首を横に振った。
「ダメね。別のフロアに飛ばされたみたいだけど、どこに飛ばされたのかはわからないわ」
「そうか……」
エレクは少し考えたあと、言った。
「もうあの貴族のことはいったん無視して、最下層突破を目指したほうがいいかもな」
「そうですね」
とキルティアも同意した。
「最下層のボスを倒したあと、ダンジョンコアに触れることができれば、ダンジョンが崩壊して、中にいる人は弾き出されます。ジャラン様が生きていれば、ダンジョンの外で再会できるでしょう」
「なるほど……それがいいわね」
フィオネも賛同する。
上の階に戻ってジャランを探すよりも、最下層を目指したほうがいい。
もしかしたら下の階にいるかもしれないし。
「じゃあ、次のフロアへの階段を目指しましょう」
とフィオネが言った。
エレクとキルティアもうなずいて、次の階段へと向かい始めた。




